ブックキュレーターhonto編集員
センチメンタルな読後感がクセになる。切ないのに読み返したくなる小説
フィクションであるにも関わらず、小説には目を背けたくなるようなつらい出来事や、思わず涙してしまうような切ない出来事などを題材としたものが数多く存在しています。ここでは、そんなネガティブな題材を扱っているのに、不思議と何度も読み返したくなるような魅力をはらんだ小説を紹介します。
- 74
- お気に入り
- 8603
- 閲覧数
-
リヴァイアサン
ポール・オースター(著) , 柴田 元幸(訳)
才気あふれる小説家だった男が心のバランスを崩してしまい、爆破活動を行うテロリストに成りはててしまう物語が描かれます。優れた感受性をもつ者が心に狂気を宿すまでの過程が淡々と綴られており、もの悲しさを誘います。ドラマチックになり過ぎないストーリー展開が、人間の悲哀と滑稽さをまざまざと見せつけてくれる小説です。
-
本書は、虐げられながらも懸命に生きる市井の人々の姿を描いた悲話です。醜悪な支配階級のエゴイズムと、それによって翻弄される下層の人々の悲しい姿が非常にリアルに描かれており、ドフトエフスキーの力量にあらためて驚かされるでしょう。虐げられていながらも気高く生きようとする登場人物たちの姿が、強く胸を打ちます。
-
オウエンのために祈りを 上
ジョン・アーヴィング(著) , 中野 圭二(訳)
5歳児ほどの小さな身体とへんてこな声の持ち主のオウエンは、ハンディに負けずに凛として成長していきます。しかしあるアクシデントで母親同然の女性を亡くしてしまったことが、彼の生き方を大きく変える事に・・・。厳格なまでに信念に殉じた少年の物語。切なさのなかにアーヴィングらしいユーモアが詰まった一冊です。
-
かつて愛し合った女性の心を再び取り戻すことに人生のすべてを賭ける男の姿を描いた、アメリカ文学史に残る傑作です。精緻なプロット、流れるような美しいストーリー、生き生きと描かれた登場人物など、他に類を見ないほどの優雅な小説といえるでしょう。一途な想いを貫く者の切ない姿がみずみずしく描かれています。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です