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ハマったら二度と出られない?哲学の迷宮に迷い込む小説
「哲学」というと難解なイメージがつきまとい、敬遠する方も多いことでしょう。しかしその深遠な世界に迷い込んだら最後、出口を探して抜け出せなくなること必至です。さまざまな仕掛けに彩られた、まるで迷宮のような物語を紹介します。もしその迷宮から脱出することができたなら、「世界」の秘密がぐっと目の前に近づいているかもしれません。
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嘔吐 新訳
ジャン‐ポール・サルトル(著) , 鈴木 道彦(訳)
フランスの港町で研究に打ち込むロカンタン。彼はふと拾い上げた小石や自分自身の手、木の根っこや街の人々など、すべてのものに吐き気を覚えるようになります。著者は実存主義哲学で有名なサルトル。「実存」への言及は難解なロジックよりも物語形式の本書の方がわかりやすく、肌で感じとることができるでしょう。
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「超人」思想や「神は死んだ」のフレーズで有名なニーチェの代表作。ツァラトゥストラなる悟りを啓いた人物が山を下り、人々に説教をしてゆくストーリーです。もはや哲学書なのか小説なのかアフォリズム集なのか、枠組みは不明です。とにかく刺激的な思想が魅力的な本であり、晩年発狂する著者の精神性に引き込まれます。
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第一次大戦前、ハンス・カストルプは山中の療養所に入ります。そこで彼はヨーロッパのさまざまな思想を体現する人々と出会い、精神的な彷徨を経験していくのです。病気への不安が支配する孤絶した「魔の山」で、尖鋭的な思想のぶつかり合いは読み応え十分。激動の時代にドイツが世界に放った教養小説です。
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