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断片的で筋のないストーリー!?はじめてのポストモダン文学
普通の小説に飽きた方にオススメしたいのが、「ポストモダン」で括られる一群の小説たちです。それまでの小説の書き方を否定し、断片的で一貫した筋がなく、パロディや言葉遊びに満ちた実験作品といえます。通常の小説では味わえない突飛な世界観は、普通の小説とはひと味違った読書体験となるはずです。
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高橋源一郎のデビュー小説です。主人公の「わたし」と恋人の「中島みゆきソング・ブック(S・B)」と猫の「ヘンリー四世」の不思議な生活を描いています。これまでの小説の物語の書き方とは大きく逸脱した文章とストーリーをもち、評論家の吉本隆明に「ポップ文学の最高の作品」と言わしめた前衛小説はまさにポストモダン的です。
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マグロと恋愛する夢に悩む「わたし」が、何者かからの電話により海芝浦駅に向かう・・・という話です。物語に筋という筋はないのですが、浦島太郎、レプリカント、マグロの目玉など奔放なイメージがリズミカルに綴られ、読者を魅了します。表題作以外に「下落合の向こう」「シビレル夢の水」の2編が収録されています。
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伝奇集
J.L.ボルヘス(作) , 鼓 直(訳)
ポストモダン文学に多大な影響を与えた作家ボルヘスの代表作で、17の物語からなる短編集です。夢や迷宮、円環、無限などのイメージが交錯します。『ドン・キホーテ』と一字一句同じ話を作る作家の物語や、いくつもの結末をもつ小説の話など、その実験性は世界中で高い評価を得ています。
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モロイ 新装
サミュエル・ベケット(著) , 安堂 信也(訳)
ノーベル文学賞を受賞したサミュエル・ベケットの代表作のひとつです。物語はモロイという足が不自由な老人が、死んだ母親の寝室で自分の記憶を探るところから始まります。しかしなぜ自分が母親の部屋にいるのか、いつ母親が死んだのか、あらゆることがモロイにはわかりません。そのとりとめのない語りの中毒性を、ぜひご体験ください。
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間違い電話から始まる物語。私立探偵を主人公にしたニューヨークが舞台のノワール小説ですが、読み進めるにしたがって読者は煙に巻かれ、物語の迷宮に迷い込み、想像できない結末にたどり着きます。明快な文章で小説のメタ構造を体感できる、読みやすいポストモダン文学といえるでしょう。
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