ブックキュレーターhonto編集員
英国二大諜報機関の元スパイ!ジョン・ル・カレのリアル過ぎるスパイ小説
スパイ小説は「007」などの荒唐無稽な活劇タイプと、説得力あるリアルな描写を楽しむタイプに大別されます。後者の代表的な作家であるジョン・ル・カレは、英国の二大諜報機関であるMI5やMI6にかつて所属していたという「本物」。英国人スパイのジョージ・スマイリーを主人公としたシリーズなど、骨太な構成と深淵な心理描写をご堪能ください。
- 20
- お気に入り
- 11488
- 閲覧数
-
ベルリンの壁によってドイツが東西に分断されていた時代のドイツとイギリスを舞台とした「スパイ小説の金字塔」で、ル・カレ入門としてまず読んでおきたい一冊です。二転三転する諜報戦により、誰が本当の味方で誰が敵なのか、スリリングな展開がラストまで読者を翻弄。スパイの悲哀や等身大の人間としての心情描写が心に響くことでしょう。
-
英国情報部に潜入しているソ連の二重スパイ「もぐら」のあぶり出しに失敗し、チーフやスマイリーら情報部員たちが退職して数年後、スマイリーが召喚されて再度「もぐら探し」が始まります。タイトルは4人の「もぐら」容疑者である情報部幹部に、マザーグースの歌から付けられたコードネーム。ラストまで手に汗握る緊迫した展開が続きます。
-
ル・カレとしては珍しく、女性が主人公の小説です。相次ぐ爆弾テロ事件の首謀者に近づくため、イスラエル諜報機関が白羽の矢を立てたイギリス人女優チャーリィが組織に潜入します。架空の人物になるために厳しい訓練を重ねてつねに別人格を装い続けるうち、現実との境を見失って混乱する彼女の「現実と虚構のせめぎあい」に引き込まれます。
-
パーフェクト・スパイ 上
ジョン・ル・カレ(著) , 村上 博基(訳)
ウィーン駐在の英国情報部員ピムが失踪して、自らの回想録を執筆します。誰からも愛されようとしたからこそ「パーフェクト・スパイ」になる道をたどるしかなかった回想部分の悲哀、文学的かつ複雑で難解な構成と描写は読み応えたっぷり。詐欺師であるピムの父はル・カレ自身の父親がモデルであり、自叙伝的性格を併せ持つ興味深い一冊です。
-
地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録
ジョン・ル・カレ(著) , 加賀山 卓朗(訳)
本書はスパイ小説ではなく、著者の回想録です。英国の二大諜報機関であるMI5とMI6に在籍していたことはもちろん、詐欺師だった父をはじめとする家族的背景も明かされます。また、自作登場人物のモデルや、取材で訪れた土地、面会した世界的な重要人物、著書の映画化についてなど、彼の著作をより深く味わえるエピソードが満載です。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です