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ブッ飛んだ世界観に誰もが驚かされる!筒井康隆の本領が発揮された短編集
日本が誇るSF作家・筒井康隆は、アニメ映画化されている『時をかける少女』『パプリカ』や、2015年に異例の大増刷となった『旅のラゴス』などの長編小説で知られています。しかし、彼はもともとパロディやスラップスティックな笑いを得意とし、それは実験・前衛色の強い短編小説で最も生かされています。そんな筒井康隆の短編集をセレクトしました。
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見知らぬ夜の街で、若い裸の美女に導かれて奇妙な洞窟の温泉を滑り落ちる表題作「エロチック街道」。居酒屋や呉服屋の並ぶ街に突然現れる温泉の洞窟を使って約3千メートルを滑り落ち・・・。そんな現実と非現実が絶妙に混合された世界観が魅力の物語です。
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筒井康隆の最高傑作との呼び声高い傑作短編集です。間接話法ならぬ「関節話法」では、関節を鳴らして会話するマザング人が暮らす星へ大使として赴任した主人公が、重大な会議で会話を迫られるという最悪な展開に。ほかにも、頬が甲羅に変形してしまう蟹工船ならぬ「蟹甲癬」など、非常に濃い8編が収録されています。
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懲戒の部屋
筒井 康隆(著)
筒井康隆による傑作ホラー小説集です。ホラーとはいっても幽霊が登場するような話ではなく、不条理に対する怖さが描かれています。特に「走る取的」は、たった一度の軽口で名も知らぬ相撲力士の逆鱗に触れた男が邪悪な肉塊から逃げ惑う、シュールかつトラウマになりそうな怖さを湛えたお話です。
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「リリカル短編集」と称された本書は、筒井康隆特有の毒気は影を潜めています。その代わりに、哀しみや郷愁を感じさせる不思議な世界観を持った20編が収録されています。社会批判で逮捕された妻が土に植えられ、しだいに植物化し感情を失っていく妻との切ない別れを描いた表題作など、なんとも言えない読後感を残す短編集です。
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