あなたは何処へ行きたいですか？「扉」でつながる異世界ファンタジー小説

半人半獣のキメラである養い親ブリムストーンの店を手伝いながら、プラハの美術学校に通う少女カルー。カルーは世界中に通じる扉を使って、魔法に換える歯や骨を集めています。美しい天使アキヴァとの出会いが愛と痛みの記憶を呼び覚ます時、キメラの魔法の本当の意味がわかります。現代的で骨太なファンタジーです。

丁字路のまじわったところに建つチィおばさんの薬局は、となりの世界と重なる摩訶不思議な入口でした。「木の芽時の国」から来た大錬金術師ヒポクラテスと小人のピポに連れられ、アカネは強烈な個性を持つチィおばさんと「小春日和の国」や「時なし雨の国」を旅することに。色鮮やかなやさしい異世界が舞台の成長譚です。

ダイアルを回せば扉の向こうの世界が入れ替わる・・・誰もが憧れる魔法はジブリ映画『ハウルの動く城』でも魅力的に描かれました。ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる原作の本書でソフィーは、映画に登場しないもう一つの重要な世界を覗き見しています。魔法使いハウルの出身地とは・・・!?楽しい魔法道具も大活躍しています。

戦争が影を落とす時代、疎開先の学者先生の屋敷でペベンシー家の子どもたちは異世界への入口を見つけました。空き部屋の衣装だんすからナルニア国に送り出されたこどもたちは長男・長女・次男・末っ子。さまざまなタイプの子どもたちがそれぞれの冒険と成長を遂げてゆくのも「ナルニア国物語」シリーズの魅力です。

7日に一度、異世界に現れる「ねこや」の扉。その向こうではメンチカツにエビフライにビーフシチューといった定番メニューが、冒険者や騎士や伝説のドラゴンを虜にしています。素直な感動のほとばしる異世界人の食レポは、おなじみの料理の魅力を再発見させ、美味しいものを美味しく味わう心の豊かさを教えてくれます。