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一冊で二度楽しめる!?作中作が重要な鍵を握るミステリー
小説の中に出てくる小説を「作中作」と呼びます。簡単なあらすじの紹介だけだったりタイトルだけだったりする作中作もありますが、ここでは作中作が現実世界の事件と関わってきて、読み応えも十分のミステリーを集めました。複雑な構造をした作品もありますが、他にはない知的刺激に満ちた読書体験になるはずです。
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意味深な冒頭を経て始まる作中作「カササギ殺人事件」。古き良き英国ミステリーを彷彿とさせるたたずまいには、このジャンルのファンなら心が躍るはず。クリスティへのオマージュが盛り込まれているものの元ネタを知らずとも問題なく楽しめ、本書をきっかけにクリスティを読むのも一興でしょう。2018年、日本のミステリー界を席巻した一冊です。
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迷路の館に招かれた4人の作家。彼らは招待主の遺産をかけ自身が被害者となるミステリーの執筆を始めると、その見立て通りに殺人が発生します。企みに満ちた構成ながら真相が明かされると鮮やかに世界が一変する、粒ぞろいの「館シリーズ」の中でも人気の高い傑作です。
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読み進めると今まで読んだ部分が登場人物による作中作だと判明する、多重入れ子構造になったミステリーです。虚実ないまぜになる酩酊にも似た感覚や派手な推理合戦、至る所にちりばめられた衒学を楽しめます。『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』に続く「第四の奇書」と称されることもある大作です。
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「脚本家の殺人事件をもとにした一人芝居のオーディションを受ける、事件の容疑者である3人の女優の芝居」が作中作。最初はややこしいですが状況がわかり始める中盤以降は作品世界に没入でき、ラストには稀有な読書体験が待ち受けています。山本周五郎賞を受賞した、恩田陸ワールド全開の異色ミステリーです。
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