特殊状況下にロジック全開で打開を図る！はじめての石持浅海の世界

那覇空港でハイジャックされた飛行機内のトイレで死体が発見される。ハイジャック犯から探偵役を担わされた「座間味くん」が持ち前の冷静さと論理展開で事件を推理します。飛行機内という密室もの、ハイジャックというサスペンス、ロジカルな本格ミステリーという要素がギュッと詰め込まれた一冊です。

大学の同窓会で集まった7人。そのうちの1人が、後輩を事故死と装い殺害して部屋の扉を閉ざします。事故かと思われるなか、碓氷優佳が異を唱え始めます──。犯人があらかじめわかる倒叙モノとして、犯人と探偵役の女性との息詰まる心理戦が堪能できます。石持浅海の代表作との呼び声も高いミステリーです。

お盆期間中に開催されたメーカーの役員会に提出された謎の事故報告書を端緒に権力争いが勃発。出席していた恋人からのSOSに応えるため、たまたま総務部にいた男性社員が謎解きに乗り出します。役員室で繰り広げられる心理戦、さらに総務部で行われる限られた情報をもとにした論理的な推理が楽しめます。

那須の保養所に集まった男女10人。復讐対象の１人を首尾よく殺した後に仲間の1人が死体で発見されます。警察を呼べないなか、次々と起こる殺人。仲間のはずなのに、誰がなぜ・・・。特殊状況下における論理的考察と推理。著者らしさが余すところなく発揮された一冊です。

遭難事故がきっかけで強い絆で結ばれた男女6人。そのうちの1人の女性が青酸カリによって死亡してしまう。彼女は果たして自殺なのか、なぜ死んだのか、残された5人が死の謎に迫ります。「彼女は自殺である」という登場人物たちが課した前提を信じ切ることができるかどうか、あなたのミステリー愛が試されます。