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音楽と数学はコインの裏表?理性と感情の臨界点を探るための本
たとえば、数を数えることとリズムを数えること。数学と音楽はともに数えることの上に成り立っているという意味で、コインの裏表のような存在と言えます。数学が理性だけを、音楽が感情だけを司っているようにも見えますが、どうやらそうでもないようです。その理由の一端を、ここで紹介する本たちが鮮やかに示してくれています。
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やわらかな心をもつ ぼくたちふたりの運・鈍・根
小沢 征爾(対談) , 広中 平祐(対談)
指揮者・小澤征爾と数学者・広中平祐という天才同士の対談本です。まったくタイプが異なるように見える2人が、音楽と数学にとって必要だという「やわらかな心」とは?読み進めるうちに、2人の意外な共通点が見えてきます。音楽と数学が共有する、感情と理性のあわい。そこに創造性のヒントが隠されているようです。
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クセナキスは語る いつも移民として生きてきた
クセナキス(述) , フランソワ・ドゥラランド(著) , 柿市 如(訳)
数学者であり前衛作曲家であるクセナキスが壮絶な人生を語ります。戦場において兵士が単なる「偶然」によって死んでいくのを目の当たりにし、また自らも負傷し、それが後に「確率」によって作曲するという方法論に結びつきます。数学と音楽を両手に、20世紀を走り抜けた彼の人生。全人類必読!と言いたくなるような一冊です。
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素数の音楽
マーカス・デュ・ソートイ(著) , 冨永 星(訳)
一見ランダムに並んでいるように見える素数(1かそれ自身でしか割り切れない数)に、何らかの調和はあるのか。あるいは無秩序しかないのか。未だ解かれざる素数に関する難問「リーマン予想」に挑むべく、複雑極まりない素数の集合から「音楽」を聞き取ろうとした天才数学者たちのドキュメントです。
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人間は本来空気の振動でしかない音を、音階としてデジタル化してきたと言います。その理由の一つが人間にとっての「心地よさ」を追求するため。では、人間の感情に触れる音のメカニズムとはどんなものなのでしょう。物理学者である著者が鮮やかに解明しています。こんな仕組みを生み出した人間の頭の良さに、舌を巻きます。
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