ブックキュレーター作家 赤神諒
この夏 世界をひとつ 手に入れよう ~歴史群像劇から組織を学べ
多忙な現代人は、短いものを重宝しすぎではないか。しかし、1泊2日の小旅行と、ひと月の長旅で得られるものは、質が違う。同様に、シリーズ長編だからこそ描ける人間関係、組織論、世界観があり、得られる感動がある。多数の登場人物が重層的に紡ぎ出す長大な歴史群像劇は、深みのある世界観を提供してくれる。未読ならこの夏、一気読みを。
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銀河英雄伝説 1 黎明篇
田中 芳樹(著)
スペースオペラからひとつ。根強いファンを持つ、大銀河を舞台に繰り広げられる群雄たちの叙事詩は、シビアな現実を、たとえば民主主義の限界を読者に突きつける。架空の英雄たちの誰を好むかは読者によって大きく異なる。ちなみに僕はヤン・ウェンリーの大ファンだ。銀英伝ファンの共通言語をマスターしよう。
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西洋史からは「リチャード二世」から「ヘンリー八世」まで続く一連の英国史劇を。世界史上最高の劇作家が繰り出す珠玉のセリフを楽しみながら、約200年に及ぶ大河ドラマに浸ることができる。フランス最高のストーリーテラー、大デュマが送る歴史長編『ダルタニャン物語』も秀逸なのだが、入手困難。
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戦神
赤神諒(著)
戦国史からは≪大友サーガ≫を。九州六カ国を制した大友家の栄枯盛衰は、平家物語にも匹敵する。第4弾の本作は、下半身不随ながら最強武将ともされる主人公戸次鑑連の凄絶な前半生を描く。史実を題材に忠義と裏切り、謀略、献身、自己犠牲、愛憎、友情などが織りなす人間模様を描いてゆく歴史エンタメ大河小説、開幕。
ブックキュレーター
作家 赤神諒自称、悲劇作家。「泣ける小説」を理想とする。1972年京都市生まれ。1996年弁護士登録。私立大学教員、法学博士。2017年「義と愛と」(「大友二階崩れ」に改題)で、第9回日経小説大賞を受賞して作家デビュー。ホラーと官能小説以外なら執筆OKと豪語するも、さしあたり歴史小説に注力中。「二刀流作家の時間管理」などのテーマで講演も行う。作品に『大友の聖将』『大友落月記』『戦神』『妙麟』など≪大友サーガ≫と呼ばれる歴史群像劇のほか、『酔象の流儀 朝倉盛衰記』『神遊の城』などがある。スランプ時に乱読する傾向あり。赤神諒のほめブロ。https://ameblo.jp/ryo-akagami
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