ブックキュレーターhonto編集員
ドイツ人には書けない?ナチス・ドイツ時代の混沌を日本人作家が描いた物語
敵と味方が厳然と対峙するナチス時代のドイツ。善と悪が交錯する社会に生きる人間の葛藤を描き出すことは、当事者であるドイツ人にとっては難しい課題です。そして、日本人がナチス時代を背景に描いたフィクションには、遠い国の昔の話が身近に感じられるよさがあります。時代の混沌に翻弄される人間のドラマを描き切った物語をご堪能ください。
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ヒトラーのベルリン・オリンピックが開かれた1936年から1983年までの日本、ドイツ、中東を舞台にした大河ロマンです。神戸に住んで同じアドルフという名前を持つドイツ人とユダヤ人の親友が、やがてドイツや中東で歴史に翻弄されていく姿を、日本人特派員の視点を交えて綿密に描いた歴史漫画の古典です。
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出世のために神を捨ててナチス党を選んだアルベルト、家族を失ったことから神の下僕となったマティアス。2人の親友は再会したのも束の間、やがて時代の奔流に巻き込まれ別々の道を歩むことになります。ナチス・ドイツの複雑な背景もわかりやすく取り入れて、最後まで2人の運命にハラハラさせられる骨太の展開が見事です。
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ヨーロッパで第2次世界大戦が始まった1939年のハンブルク。頽廃音楽と弾圧されるジャズに酔いしれることで迫りくる戦争と国家の監視に抵抗する少年エディの視点から、戦時下のドイツを描いた青春群像劇です。軽快なジャズをモチーフに使ったストーリー展開で、暗い時代の出来事もポップに描かれています。
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ナチス・ドイツが戦争に敗れて連合軍に占領された1945年7月のベルリン。戦争で心に深い傷を負った17歳の少女アウグステは、恩人クリストフの訃報を彼の甥に伝えるため、廃墟のベルリンからポツダム市を目指して旅に出ます。著者の想像力だけで読者に戦後ドイツの現実感を生起させる、ユニークなロードノベルです。
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