ブックキュレーターhonto編集員
あの日のことを、しっかり語り継ぐ勇気を。災害経験を後世に伝える絵本
天災による記憶は当事者には深く刻まれるものの、少し離れた世代から見るとどこか遠い風化した話になってしまいます。だけど、今や完璧に安全と呼べる場所などなく、どこに住んでいても誰にでも起こり得るのが天災です。ここでは、東日本大震災と阪神淡路大震災の経験を踏まえて描かれた絵本を特集。次の世代に語り継ぐ役割の一端を担ってみませんか。
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ぼくは海になった 東日本大震災で消えた小さな命の物語
うさ(さく・え)
東日本大震災で飼い主と一緒に津波に飲み込まれたミニチュアダックスフント・チョビの視点から描かれた絵本です。海に投げ出され気がついたチョビは、目を覚まさないお母さんを助けるため必死に陸へ戻りますが・・・。容赦ない現実がチョビの目線で淡々と描かれ、涙なくしては読めません。ペットたちの命についても考えるようになるでしょう。
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かぜのでんわ
いもと ようこ(作絵)
東日本大震災のあと実際に設置され、実写映画化もされた「風の電話」をモチーフにして描かれたやさしい絵本です。主人公は、大切な相手を失ってしまった動物たち。彼らの心の悲痛な叫びが、受話器を通してもう触れられない相手へと伝わっていきます。残された人の命、心の復興を目指して綴られた言葉の一つひとつが胸に迫ります。
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ゆずちゃん
肥田 美代子(作) , 石倉 欣二(絵)
たいちが密かに好きだったゆずちゃんの夢は「ふうせんやさん」になること。ゆずちゃんが風邪で学校を連続して休み、ようやく会えるという朝、あの大地震が起きて・・・。ゆずちゃんの人となり、夢の話を中心に、彼女を想う別の視点から震災を描いています。合唱曲にもなっていて、実際に語り継がれ始めている絵本です。
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阪神淡路大震災で失ってしまった妹のはるか。遺された家族には、いつでも明るかった彼女のことを思い出すのもつらい日々が続いてゆきます。けれども時が流れ、ある奇跡が起き・・・。「はるかのひまわり」は、現在は復興のシンボルとしての役割も担い、震災を語り継いでいくための大きな活動につながっています。
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地震がおきたら
谷 敏行(原案) , 畑中 弘子(文) , かなざわ まゆこ(絵)
大きな地震などには縁遠い子どもたち。だけど、彼らのお母さんは実は震災経験者でした。お母さんの子どもの頃の記憶から、話は具体的な震災対策へ。こんなとき、どうすればいい?親世代でも実際に経験していないと気づくのが難しい防災についてしっかりと学び伝えることのできる、一家に一冊は欲しい情報量の多い絵本です。
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