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ミスリードが醍醐味!「信頼できない語り手」の叙述トリックを使った小説
小説の叙述テクニックの一つ、「信頼できない語り手」が登場する小説を紹介します。登場人物やナレーターは、なんらかの理由で真実ではないことを語り、それにより読者のミスリードや困惑を誘います。語り手の供述と真実の間に生じる齟齬が、この手法のおもしろさです。彼らが真実を語らない理由に気づいたとき、人間心理の奥深さに感嘆するでしょう。
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本格小説 上
水村 美苗(著)
舞台は戦後の東京。華麗なる一族に生まれた娘とある貧しい男の恋物語を、一族につかえた元使用人が語ります。高度経済成長期の日本を背景に、道ならぬ愛に溺れるふたりと、彼らに巻き込まれる一族の運命がドラマチックに描かれます。壮大な物語の終わり、語り手の抱えていた秘密に気づいたとき、必ず再読したくなるでしょう。
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やさしい夫と子どもたちに恵まれ、理想の家庭を築いたことに満足している主人公の中年女性。しかし旅先で古い友人に再会したのをきっかけに、そのゆるぎない幸福に疑問を持ち始めます。自分が幸せだと思い込み、見たくない現実から目を背ける主人公の姿は、痛々しい反面、身につまされる面も。ラストはゾッとするほど痛烈です。
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