ブックキュレーターhonto編集員
ようこそラテンアメリカ文学の世界へ。世界を瞠目させた想像力とは
ラテンアメリカ文学は西欧文化を取り入れながら独自のスタイルを築いていき、20世紀中期に空前の大流行を巻き起こしました。ブームを支えてきた文豪たちの作品は歴史に名を刻み、今も世界中で愛読されています。ここでは、その中から代表的な小説を精選して紹介します。豊かな物語性を備えたラテンアメリカ文学の味わいを堪能してください。
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ペドロ・パラモ
フアン・ルルフォ(作) , 杉山 晃(訳) , 増田 義郎(訳)
ラテンアメリカ文学を語る上で欠かせない名作です。面識のない父ペドロ・パラモを探してメキシコのコマラを訪れた主人公は、死者と生者が交わる奇怪な世界を垣間見ることになります。物語は時系列通りには進まず、過去と現在の断章が交錯しているのも特徴です。読者は、死者たちがさまよう町の虜になることでしょう。
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コレラの時代の愛
G.ガルシア=マルケス(著) , 木村 榮一(訳)
稀代の物語作家ガルシア=マルケスによる驚異的なロマンス。夫を事故で失い、失意に暮れる未亡人の前に現れたのは幼い頃の恋人でした。親の意向で仲を引き裂かれた後、51年9ヵ月と4日待ち続けた男は再び愛を告げます。コレラの蔓延、内戦の勃発。揺らぐ時代のなかで育まれる愛に胸を打たれるはずです。
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19世紀の女性解放運動家フローラ・トリスタンと、その孫で芸術家のポール・ゴーギャンを主役とする歴史小説です。奇数章と偶数章で交互に語られる祖母と孫の生き様は相異なるものですが、楽園を求めるなかで苦境に立たされる姿が時空を超えて重なります。2人の革命児としての人生と、哀切な絆が胸に迫る一冊です。
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アルテミオ・クルスの死
フエンテス(著) , 木村榮一(訳)
経済界の巨頭アルテミオ・クルスは死の淵にあり——。物語は「わし」「お前」「彼」からなる3パターンのアルテミオ・クルスによって語られます。私生児として生まれ、メキシコ革命を生き抜き、巨万の富を築いた彼の波乱万丈な人生を、フエンテスの独創性あふれる筆致で味わいましょう。
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夜のみだらな鳥
ホセ・ドノソ(著) , 鼓 直(訳)
聾唖の老人ムディートが語るグロテスクな物語です。畸形児ボーイの養育を任された名家の秘書ウンベルトは、元使用人たちが集まる修道院に送られることになります。変化していく語り手、錯綜する時間軸、悪夢のような情景で形成された世界はおぞましくも魅力的で、読者に至高の陶酔をもたらします。
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