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みんなのために1人を殺せるか?古典SF『冷たい方程式』のオマージュ小説
6人分の血清と必要最低限の物資しかない宇宙船。その中には、兄に会うために密航した少女がいた。宇宙船を目的地に到着させ、乗組員と血清を待つ6人の命を救うには、少女を犠牲にするしかないが・・・。トム・ゴドウィン『冷たい方程式』の衝撃的な結末は、大きな議論を巻き起こしました。この小説にインスパイアされて生まれた物語を紹介します。
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日本SF傑作選 1 筒井康隆
日下三蔵(編)
収録作の一つ「たぬきの方程式」の舞台は、宇宙貨物船。パイロットが脱走したたぬきを探しているうちに、女の密航者を発見します。本家同様の、燃料が足りない、酸素が足りないなどの危機に加え、筒井康隆流のドタバタすったもんだが繰り広げられます。その末に待ちかまえるブラックな結末に注目です。
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全編古典SFパロディの短編集です。うち2編が『冷たい方程式』もの。「ナマコの方程式」は、密航者がナマコ型宇宙人だったというトンデモ設定。「最後の方程式」に登場するのは、年老いて先の短い乗組員と、若く使命に燃える密航者。どちらが船外に出て犠牲になるかのか、その駆け引きをめぐる心理戦が秀逸です。
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収録作「カンビュセスの籤(くじ)」の舞台は紀元前500年。戦争中の過酷な遠征で、誰がみんなの食料になるかを決めるくじから逃れた兵士が迷い込んだのは、23万年後の荒廃した地球でした。彼を助けたのは、人類の存続をかけたくじ引きで1人残っていた少女。2人は最後のくじ引きを行うことになりますが・・・。
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突如現れ、「改変者」を名乗る少女。彼女は、この世を「殺した人間を殺せば、殺された人間がよみがえる」世界へと改変します。新世界で起こる殺人や仇討ち、死刑制度の是非、冤罪への対処など、現実でも直面している問題がオムニバス形式で描かれます。未来を舞台にした『冷たい方程式』の別解も収録しています。
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