ブックキュレーターhonto編集員
ハッピーエンドでは物足りないあなたに。退廃的な美を尊ぶ物語
後味よく幕を閉じる小説やコミックに飽きてしまった方は、趣向を変えて、心をざわつかせる物語を手に取ってみませんか?退廃的で美しい情景が目に浮かび、読了後も小説の世界観に浸ってしまうこと必至の物語を紹介します。滅びに向かっていくものの刹那的な美しさや、物語が放つ独特な静けさをじっくりお楽しみください。
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マイ・ロスト・シティー
スコット・フィッツジェラルド(著) , 村上 春樹(訳)
アメリカ南部育ちの主人公が生まれ育った街を離れ、嫁いだ北部で思わぬ転換を迎える「氷の宮殿」。期待と失望、愛情と憎悪。相反する感情がひしめき合い、物語に一筋縄ではいかない奥行きを与えています。哀しくも美しい「転落」の過程は、著者自身の自己破壊欲求が映し出されているかのように感じられます。
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真昼なのに昏い部屋
江國 香織(著)
美弥子さんは専業主婦。丁寧に家事をこなし静かに暮らしていますが、会社社長の夫とは気持ちがすれ違う毎日。ある日、彼女は大学教授でアメリカ人のジョーンズさんと出会い、彼に惹かれていきます。美弥子さんの純粋さと対照的に、物語全体を覆うほの暗さ。その不穏な気配が暗示する結末には衝撃が走ります。
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大人のための残酷童話 改版
倉橋 由美子(著)
名作童話をベースに、人間が隠し持つ欲望や悪意を具現化した26編が収められています。美しくない姿の人魚姫や、毒リンゴが登場しない白雪姫、月に帰ることを拒んだかぐや姫の末路など、それもオリジナルの童話とはかけ離れた残酷なものばかり。ブラックなユーモアが光る、妖しいストーリーの斬新さが光る一冊です。
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