ブックキュレーターhonto編集員
失われたもの、失われつつあるものを振り返り、世の中を考えるための本
いつの間にかあまり見かけなくなったモノや習慣を通して世の中を見ると、かえって今が鮮明になることがあります。失われつつある文化や習俗、破壊された自然や絶滅の危機にある動物を見つめ、それらを追想したり、取り戻す活動について書かれた本を紹介します。消えゆくものを振り返ることで視野が広がり、未来を拓くヒントが見えてくるはずです。
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盆踊りは、過去、明治維新や戦争などで何度も禁止されてきました。しかし戦後、集団就職で都会に来た人、ニュータウンに移り住んだ人のふるさと創生のため、各地で盛んになりました。近年は感染症対策で中止されることもあります。本書は、中止と復活を繰り返す盆踊りを通して、コミュニティの変化やあり方を見つめます。
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旅芸人のいた風景 遍歴・流浪・渡世
沖浦和光（著）
どこからともなくやってきて、芸能を披露したり、怪しげなシロモノを売る。そんな人たちがほんの少し前まで存在しました。村人のほとんどが役者として旅まわりをしていたという地域もあり、各地に顔を出す彼らは、さながら縁日の花形でした。流浪の人たちの生き方を通して、失われた庶民の原風景を見つめる一冊です。
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英国貴族、領地を野生に戻す 野生動物の復活と自然の大遷移
イザベラ・トゥリー（著） , 三木 直子（訳）
先祖代々の農地を相続した英国貴族の末裔が、赤字続きの農場を諦め、土地を野生に戻す決意をします。学者や近隣住民をはじめ、多くの人の理解と協力を得ながら、耕作をやめ野生動物を放していきます。すると、絶滅危惧種が復活するなど、信じられないことが次々と起こりました。自然再生や環境保護に興味ある方、必読の書です。
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自然との共生を重んじてきた先住民族・アイヌの世界観に親しむ本です。まず神謡を、次に霊魂やカムイなど信仰を、そして動植物の名前からその自然観を取り上げ解説します。さらに、日本を含む隣接する諸文化と比較し、アイヌ文化の特徴を浮き彫りにします。自然破壊が進む今だからこそ生かしたい、アイヌの価値観が学べます。
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