閉ざされた世界に没入したい！「館」が舞台のミステリー小説

廃墟となった戦前の名家・紫峰家の敷地で白骨死体が発見され、かつての使用人たちの証言によって謎解きが進行します。すみれの咲く洋館、葵・桜・茜という花の名を持つ美しい3姉妹など、クラシカルで華やかな世界感に没入できます。戦中戦後を懸命に生きた人々の言葉によって徐々に真相があぶり出されていく、悲しくも美しい物語です。

かつて個人の別荘だった寮「リラ荘」を訪れた7名の芸大生たち。仲間内カップルの婚約発表に場がざわついた翌日、近くの崖下で死体が発見され、連続殺人事件へと発展します。現場に残されたトランプの札の謎に迫る名探偵の、理論の積み重ねによる見事な謎解きを堪能できます。1950年代に書かれた古き良き本格ミステリーです。

1年前に一族6人が殺された「金雀枝（えにしだ）荘」の謎を解明するべく訪れた兄弟たち。閉ざされた館、密室、見立て殺人と、ミステリー好きにはたまらない舞台設定のなか、臨場感あふれるスリリングな展開に引き込まれます。足元から這い上がってくるような恐怖を味わったあとは、見事な仕掛けに「してやられた！」と叫びたくなる名作です。

かつて女性実業家が不審死を遂げ、今は兄弟たちが住む湖畔の山荘に、ある日「訪問者に気をつけろ」という手紙が届きます。次々とやって来る訪問者たち、そのたびに二転三転する展開。そもそも死んだのは誰なのか、真の謎はなんなのか・・・誰も彼もが怪しく見える不穏な空気のなか、嵐に閉ざされた山荘で上演される舞台劇のようなミステリーです。

ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば・・・しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。そんな前代未聞の仕掛けで読者に挑戦する、東野圭吾による新感覚ミステリーです。