滅びの美学を持つ型破りな犯罪者が主人公！悪い奴らが暗躍するノワール文学

自身の麻薬カルテルを敵対する組織に壊滅させられた男が、復讐のために逃げ、戦い、仲間を集め、再びのし上がろうとする物語です。2021年上半期の直木賞を受賞しましたが、選考会では臓器売買や暴力シーンが文学として許されるか・・・という激論があったとか。この物語に希望はあるのか、ご自身の目で確かめてみてください。

ごく普通の女性オオバカナコが殺し屋専門の食堂で働くはめになり、次々と災難が降りかかります。クセの強いキャラクターばかりが登場する上、出てくる食べ物はどれも美味しそうなものばかり。死と、その対極にある生と食をエンタメに昇華し、荒唐無稽な世界観ながら不思議な説得力と圧倒的なリーダビリティを備えた物語です。

直木賞作家・ 桐野夏生がブレイクするきっかけとなった代表作の一つ。弁当工場で働く女性が夫を殺害してしまい、同僚の女性に助けられて証拠隠滅を図りますが・・・。普通の主婦が少しずつ平和な日常から外れ落ちていくさまを、細やかかつ無駄のない筆致で描いています。怒涛の展開で結末まで飽きさせない名作です。

ヤクザ、麻薬の売人、覚せい剤中毒者、闇金業者など、登場人物のほぼ全員が裏社会の「ろくでなし」。婚約者を凌辱された主人公・黒木の復讐をメインに描いたノワールです。独特の表現にブラックユーモア、二転三転する後半の展開がスピーディで、新堂冬樹ワールド全開。ハマる人はとことんハマるでしょう。

デビュー作にして数々の賞を受賞、直木賞候補にも選ばれた一冊です。ノワールの金字塔とも呼ばれる傑作で、シリーズの第1弾。新宿歌舞伎町で巻き起こる中国、台湾マフィアの抗争。主人公は、そのなかで生きる日本と台湾のハーフ・劉健一。凄まじいまでの熱量と濃厚さに圧倒される、完成度が非常に高い逸品です。