ブックキュレーターhonto編集員
文化財を守る、受け継ぐ、蘇らせる。職人の知恵と最先端の技術を知る本
文化財には仏像や城郭、絵画や工芸品などさまざまなものがありますが、継続的な修理や修繕があってこそ価値が保たれます。こうした文化財の保護に国や自治体が取り組み始めたのは明治以降のことで、時代の変化によってその手法も様変わりしています。昔ながらの職人の技と最先端の技術の融合による新たな文化財保護の世界を覗いてみましょう。
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正倉院には聖武天皇ゆかりの品物をはじめ、歴史的な宝物が数多く収蔵されています。本書では、正倉院の成り立ちから収蔵品の維持管理など、日々の活動を詳細に説明しています。宝物の調査やメンテナンス、公開を通して文化遺産を社会に還元していく活動にも触れ、文化財保護の現場をわかりやすく伝えた一冊です。
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形あるものはいずれ崩れ去るというのは世の習いで、仏像とて例外ではありません。仏像修理の専門家が、自らが手がけた事例をもとに、修復に対する考え方、技術などを語ります。今に伝わる古仏には、文化財を生かしながら保存するという日本独自の思想と、先人の絶え間ない努力が込められていることがわかります。
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古い仏像や石窟、壁画や絵画など、さまざまな文化財を、最新の技術を駆使して忠実に再現したものがクローン文化財です。本書では、日本をはじめ世界各地で古代や現代の文化財を再現した実例を、カラー写真で紹介しています。戦争で焼けたゴッホの絵画など、失われたものを蘇らせ文化の継承に寄与している事例などが印象的です。
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社寺仏閣、城郭、古民家など歴史的建造物の価値が見直されたのは、近代以降のことなのだそうです。価値や魅力に気づいた途端、保存や修理、復元のあり方に関して議論が沸き、それは現在も続いています。議論を整理し、名古屋城や東京駅など具体例を挙げて、歴史的建造物の保存や活用の実際をわかりやすく解説した一冊です。
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