ブックキュレーターhonto編集員
謝るか言い訳か。ゆるすか罰するか。悪いことをしたら、されたら読みたい本
悪いことをしたとき、素直に謝る人もいれば、見えすいた言い訳で責任をあいまいにする人もいます。長い人生、自分の意思とは別に、周囲の影響や偶然のなりゆきで悪事に手を貸してしまうこともありますし、悪くないのに責任を追求されることもあるものです。思いがけず悪いことに巻き込まれてしまったとき、心の準備になる本を紹介します。
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謝罪論 謝るとは何をすることなのか
古田 徹也(著)
普段何気なく使っている「すみません」という言葉に、これほど多様な意味があったのか、と驚かされます。形だけ、言葉だけの謝罪が相手に伝わらないだけでなく事態をこじらせる理由も本書を読めば一目瞭然です。入念な論考に裏づけられた、誤解されない、正しい謝罪のポイントは「しでかしたとき」にきっと役立つことでしょう。
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誰しも生まれたときは、けがれのない赤ん坊です。しかし、いつの間にか犯罪に手を染めてしまう人もいれば、なんの落ち度もないのに犯罪に巻き込まれ犠牲になってしまう人もいます。加害者や被害者と本音で語り合うことで人間の本質を理解し、憎しみや悲しみを超えた相互理解への道が拓けることを教えてくれます。
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政治家や著名人が失言や妄言、不正な行為などをしてしまったとき、どのように対応したのかを鋭く批評します。ごまかしや言い逃れ、開き直りなどあらゆる手を使って窮地をしのぎ、「喉もと過ぎれば」の言葉通りしれっとしている偉い人たちに呆れる方も多いことでしょう。素直に非を認めることがいかに難しいかがよくわかります。
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ブッダは没後、神格化が進み、あり得ない身体的特徴や神通力を発揮した逸話が仏典に記されていきます。そうした矛盾や奇跡に整合性を持たせるため、僧侶たちはさまざまな言い訳を考えました。言い訳は自らを納得させる自己合理化であるとともに、体面を保つためにやむを得ない面も持っていることに気づかせてくれます。
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刑罰や社会的制裁の意味とは何か。そもそも悪い行いはその人の意思なのか、社会や環境が生み出すものなのか、といった命題に哲学的な論考を行います。さらに人はなぜ人を責め、その責任を取らせようとするのかという問いに対して、神経科学や社会心理学なども踏まえ多元的な視点から議論を深める興味深い一冊です。
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