ブックキュレーターhonto編集員
多様化はここから。海外出身作家による「日本」を知ることができる本
第二言語として日本語を使用する作家や、日本在住の海外出身作家による本の刊行が増えています。それら本は日本語を使って日本について書かれているのに、ちょっと不思議なイメージが立ち上ります。同じだけど、少し違う。これからの共生社会を考えたい方にオススメの本を紹介します。
- 7
- お気に入り
- 551
- 閲覧数
-
アメリカ出身の著者は本書の表題作で京都文学賞を受賞し、デビューしました。「鴨川ランナー」は日本語を学ぶため京都に移住した青年のとまどいが、どこか不思議な二人称体で綴られています。念願の新生活に心躍らせながら「ガイジン」として扱われる葛藤や、日本の風景・日本文学への憧憬が深く胸に沁み入ります。
-
シブヤで目覚めて
アンナ・チマ(著) , 阿部賢一(訳) , 須藤輝彦(訳)
チェコ出身の著者による、渋谷を舞台にした幻想小説です。主人公はプラハで日本文学を研究し、明治時代の謎の小説家に夢中の24歳のヤナと、日本への憧れを募らせるあまり、分裂して幽霊となって渋谷に閉じ込められた17歳のヤナ。この2人が幻想的な日本で、恋に夢に奔走します。ここでしか読めない日本像が鮮やかな一冊です。
-
全編日本語による『ばいばい、バッグレディ』で小説家デビューしたアメリカ人小説家による、2作目の日本語小説です。失恋と挫折を機に来日した女性が、太陽の塔がそびえる大阪・北摂地方で、過去と決別しようとする姿が描かれます。アメリカ人は自己肯定感が高いというイメージがあるかもしれませんが、それが一変するかもしれません。
-
2021年に芥川賞を受賞した台湾出身の李琴峰(り・ことみ)による初のエッセイ集。「生」「省」「静」など6つの「セイ」をテーマに、言語、出生観、性、日本と台湾の歴史、読むことと書くことについて語っています。硬質な文体で綴られる繊細な洞察や、デビュー以来書き続けている性的マイノリティについてなど、信念に唸らされます。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です