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アタマのなかは詰め込むべからず
2008/02/13 00:26
50人中、49人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポカ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひとつのことを考えていると、それに関わる情報がなぜか集まってくるものである。
なかなか前へ進めずに行き詰った感の私が、「整理すること」を考えていたら、本屋にこの本が平積みになっていた。
まさに飛びつきたくなるようなタイトル。
『思考の整理学』
きっとなにか大きなヒントがここにあるような気がして、レジに走る。
「頭は忙しくしてはいけない」
アタマの中に色々なものが詰め込まれて整理できないと、混乱ばかりして何もできなくなる。
突発的に、何かをやらなくてはいけなくなったとき、考えなくてはならないことや、やらなくてはいけないことなど、いろんなことでアタマがいっぱいになり、実際は、何も進まず途方にくれる、
などということを少なくとも何度かは経験しているだろう。
俗に言う「パニくる」という状況である。
アタマのなかに雑然と様々なものが入ってくるのに整理できない状態。
しかしながら、突発的な出来事でなくても
日常的にアタマが忙しい状態になってはいないだろうか。
慢性パニくり状態。
雑然とモノが散らかって収集できない部屋のように、アタマのなかも混乱しているのではないか。
まさしく、最近の行き詰っていた状態の私は、「頭が忙しい」この状態。
これでは前へ進めない。
アタマのなかを掃除しておかなくては。
常にメンテナンスをしておかなくてはならないのは、机の上の整理と同じ。
必要なものとそうでないものの分別をして、アタマの中の情報を精査していく必要があるわけである。
そのためには、自分の価値観をしっかりとさせておくこと。
その核となる部分がないと必要か不必要かの判断ができないのである。
考えること、忘れること
収集すること、捨てること
それらをじっくり寝かせること
そして、書いてみること
思考を整理していくことは、それ自体は実は単純なことで、
そうでないと、深い思考は出来ない。
まずは、思考のための準備の手ほどきを受けた感じで。
準備を整えたら、考える楽しさを味わいたい。
考えるということに、苦しみながらも楽しんでいけたらいいな、と
そんなことを思っている。
帯には「もっと若い時に読んでいれば・・・」とあったけれど、
もう若くはないこの年になってからでも読んでよかった。
1986年発売以来の超ロングセラーだけあって、時代に関係なく役に立つ。
というより、
今の時代だからこそ役に立つ内容に思えてならない。
多くの知識を記憶することは、思考ではない。
これからの時代は、記憶より思考の力が大事だ、と
記憶力の悪い私もちょっと気を良くしていたりするのである。
勉強時間≠成績の説明
2010/10/02 15:42
31人中、28人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐伯洋一 - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強ができる=勉強時間ではないということは、反応は一様ではないだろう。隠れて勉強してるんじゃないか、いやいやただの嘘じゃないか・・など誰もが感じている。実際そういう嘘をいう奴も多い。でも、そうじゃない奴もいる。勉強時間と勉強の出来は正比例ではない。
本書がそれをなんとなく解明している。よく司法試験にうかるには、一日10時間勉強を8年といわれる。これはかなり優秀な東大京大の連中でさえ普通に攻略しようと思うとこれくらいはかかる。失礼ながら勉強に慣れていないクラスの大学では、例えば国学院クラスでも、歴史上数人しか合格者が出ていないことからも明らかである。
ただ、一日実勉強時間が5時間で、合コン飲み会ゲーセンに繰り出していても受かるやつは受かる。要は、思考が整理できているかどうかの違いのようだ。本書の例を借用すれば、一日ずっと本を読んで勉強するより、いったんそのことは忘れて、散歩などをしたほうが頭がすっきりする。忘れてリフレッシュして、思考が発酵され、よい状態へと昇華するのである。これは私自身にも経験がある。おそらく事実なのだと思う。
勉強したことをノートにまとめることもどうかと思う。本書の著者もどちらかというとノート取り勉強には反対というか懐疑的なようだ。むしろ、ノートにまとめるより、頭の中で整理しながら授業なりを聞いたほうが良いというのである。よく超細かい字でもう一冊制本すんのかい!と思うほどのノートを作る者がいる。えてしてそういう奴に限って成績が今一歩なことが多い。
つまり、要は勉強時間ではなく、「勉強したことをどれだけ整理できたかが問題」というのが本書の要諦ではないかと思う。さらにいえば、じゃあどうやれば整理できるのか、が本書のテーマである。本書にはいろいろ書かれているが、すべてはその主テーマの肉付けといっていい。こういう文章は良い文章だと思う。いい比喩も散見される。脳科学者かなんかなんだろうにやるな~と思っていたら、にゃんと文学が専攻なようだ。妙に納得できた。その上、なんとなく新しい本かと思えば、実際には30年前のものであった。古くても、良いものはこうして残る。そして、現に残っているということは良い本、少なくとも支持者が多い本といっていいのだろう。
読みやすいのに、知的財産を作る手助けはバッチリ!!
2002/07/21 18:53
19人中、18人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:啓太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
小論文対策としてはじめて読んだ本がコレでした。
評論文のはずが非常に読みやすくて、不思議だなあと思ったのです。肩がこらないし、ただ純粋に楽しめた…といいますか?
この本でいちばん実践してみたいと思い、また実践したのが、「思いつきノート」でした。
手帳でもメモノートでも、とにかくなんでもイイから、いつも持ち歩いて、何かアイディアや空想が浮かんだら、書き留めておくのです。結構、こういった発想はすぐ出てきた分、すぐに消えてしまうものです。考えたということさえも忘れてしまったりします。
そして、もちろんこれだけではありません。このノートは寝かせておいて、一定期間ごとに点検します。そして、イイなあと思った文章のみを、イギリスの日記帳に書いておきます。日にちも大切なのです。
と、このように何度も着想を練ることによって、財産はさらに充実していくことになるというわけです。
色んなことに応用できるのではないでしょうか?
綻びのない思考とは
2010/03/05 08:43
13人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、「ものを考えるということはどういうことか」について書かれた、極めてオーソドックスな入門書といっていい。
最初の出版が1983年、文庫版が出てからももう20年を超えている。それが近年爆発的に読まれているという。最初に出版された80年代初頭の風景を思い出しても、そこには携帯電話もインターネットも見事に何もなかった時代である。本書のなかで、「コンピューター」という章があるが、けっして現代の風景を先取りしたものではないだろう。それでも、本書がこのように長く読み継がれてきた理由として、外山滋比古氏の文章が大変平易で読みやすいことを挙げていいだろう。それは章立てについてもいえる。
「ものを考えるということ」の見本として、外山氏の文章ができあがっているといってもいい。つまり、良質な文章は年数を経ても綻びはしないのである。そして、思考もまた同じではないだろうか。
◆この書評のこぼれ話は「本のブログ ほん☆たす」でお読みいただけます。
東大・京大で1番読まれた本を読んでみた
2010/03/06 10:33
12人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たかたか - この投稿者のレビュー一覧を見る
なるほど「東大・京大で1番読まれた本」と帯に書かれているのがわかった気がした。「グライダーと飛行機論」のことである。自力で飛ぶ飛行機、自力では飛べない飛行機。日本の知の総本山といわれる2つの大学で読まれている、というか学校で読めといわれているのか?おそらく後者ではないだろうかと思うのであるが、つまり「飛行機になれ、グライダーにはなるな」であろう。そして最後のタイトル「コンピュータ」にある、もっともコンピュータ的なことが得意な人たちへ向けた「コンピュータにできない創造的なことをやれ」それこそが筆者の言いたかったことなのでしょう。
知識偏重から創造へ。24年前に書かれた本であることを考えると、大変示唆に富んでいる。筆者がお茶の水女子大付属幼稚園長をしていたということをを知り、きっとその考えを実践していらしたことと思う。文章のわかりやすさ、明確さは誰が読んでもおもしろい。東大・京大でない人でも十二分わかる楽しい本でした。
外山さんの「思考」にまんまとやられた!そんな感じなのです。
2011/02/20 11:48
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なかはらとまと - この投稿者のレビュー一覧を見る
夜も眠らずに一気読みしてしまった。短い章に分けられていて読みやすく、美文なのだからそうせずにはいられなかった。ごくごくと美味しい水を飲むように、身体に頭に新しい細胞が沸きたってくるような、そんな読了感だ。素晴らしい、凡庸な言葉で言ってしまえば、目からうろこだった。
例えば忘れてしまえと説く。整理なんかせずに忘れる力が大切だと言うのだけれど、どちらかと言えば乱暴に読みとれる。しかし、外山さんの美文にかかれば、「うん、なるほど!」と「思考」をこちらが変えられるのだから面白い。
これが、読む「思考の整理」なのかと、膝を打ちたくなる。これら、書いてある応用は果たして、使えるかどうかは分からないし、私は使わないと思う。だけど、もう読んだだけで「整理」が行われていると言っても過言ではないと思うのです。外山さんの「思考」にまんまとやられた!そんな感じなのです。
いろいろと応用がききそう
2010/03/20 12:57
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の内容から著者は心理学者かと思っていたが、英文学専攻とのこと。この本は、自分が論文を書く時の経験と学生に論文を書く指導する時の経験をまとめたものとのこと。一々尤もな事と頷けることばかりである。それらのことを表現する比喩が適切で面白い。
先ず、学生が卒論に取り組む時の戸惑いについて、「グライダーと飛行機」に喩える。それまで自分で考え学ぶことを教わらず、先生の言うことを鵜呑みに覚え込むことだけを勉強として教育されて来た学生が、突然自分で問題を見つけ自分で考えることを要求される。自分で考え、自分の力で前に進むことができない。それを「グライダー」という。次ぎに課題についての考えがまとまるためには時間が必要であることを、「発酵」、「寝させる」という比喩で解説する。また、他人の言説を元にまとめていくことについて、「カクテル」または「触媒」になぞらえる。
そして、情報やヒントを記録しておく方法、その中から課題を見つけ整理していく方法、実際に論文の文章にまとめていく方法が、自己の経験ややり方の紹介、解説として提示されていく。
いろいろと応用がききそうである。自力で学び考える方法は、これらを参考に自分で実践してみて、その結果を反映させて自分なりの方法を構築していかねばならないのだが。
考察魔になる方法
2011/10/08 22:54
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Tucker - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前、「東大・京大で1番読まれた本」という帯で話題になった本。
よく売れただけに、いつも行く何軒かの古本屋には大抵、何冊が揃っている。
本自体とは関係ないが、古本屋の楽しみの一つに「過去の流行に思いを馳せる」というものがある。
売れた本ほど分かりやすいが、この本は、まさにこの遊びができる類の本だった。
前半は「考える」ことについてのエッセー。後半は「論文を書く」という前提のハウツー物という感じになっている。
なるほどと思ったのは、名案が思い浮かびやすい「3上」
・馬上(今なら通勤電車内)
・枕上(特に朝)
・厠上(厠=トイレ)
振り返ってみると、煮詰まっている時に解決案が思いつくのは、職場の自分の席ではなく、全く関係ない事をしている時だったりする。
じっとして考え込んでいるよりも、半自動で何かしている時の方が名案が思いつきやすいらしい。
ダーウィンは「進化論」の研究の際、よく庭を散歩して、考えを巡らせていたそうだ。
そして、名案を思いついても、すぐには使わないで、一旦、寝かせる。
テレビで見たが読書感想文も読んだ後、すぐには書かない方がいいらしい。忘れても構わない枝葉末節は切り捨てて、印象に残った部分だけが残るだからだそうだ。
仕事でも大事な資料を作った後、見直し作業は、すぐには入らず、少し間を置いて(できれば次の日に)から入るようにしている。
また、この感想自体も読んでから少し時間がたってから書いているがうまくいっているだろうか。
さらにまとまった考えはとりあえず書き、読んでみる。(声に出さなくてもよい)
読んで、つっかえた所が考えがまとまりきってない部分だ、というもの。
少し前に5分間スピーチをする事になったが、ちょうどその少し前にこの本を読んでいたので、この手法を使ってみた。
発表するつもりで(声は出さずに)読んでみたが、確かにつっかえた部分は、ちゃんと整理ができていないとうすうす感じていた部分だった。
ちなみに実際のスピーチは、緊張してボロボロ。こういうものは回数をこなさないと・・・。
グライダー人間と飛行機人間
2013/03/31 08:38
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サンロイヤル - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は思考を通して教育や考えることについて独自の視点で述べられている。
現在の学校教育を「グライダー」の育成とたとえ、その問題点と「飛行機」の育成とは何かが書かれている。
この本で特徴なのはノウハウ本ではなく一種の考察文であることだ。
途中著者の実践している思考法などが書かれているが大部分は考えるとはなにか、教育とは知識はなどといったことについて書かれている。
実生活において有益なことも多くありオススメの一冊である。
考える事と思う事
2019/05/23 11:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
問いに対する答えを出すには、場所、時間帯、使用時間、前提、順序、
インプット、知識の混合、抽出、抽象化、具体化、・・・・など、人それぞれ
誰に教わった訳ではないが、考えるということができる。
思考とは、『思うこと』、『考えること』の少なくともどちらを頭のなかで展開させることだが、
これらには、自分の意思が反映されているか、独創的であるか、創造的であるかに
よって区別されると思う。
『思う』は書くという作業を伴わないが、『考える』には書くという作業を伴った方が
よい成果が得られる。書くことは考えることでもある。
この本は、『思考の整理』に関わることについて各々3頁にまとめ編纂されたもので、
隙間時間を見つけて少しずつ読み進めることもできる良い本だと思います。
しっかりした本を一冊
2019/02/22 09:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tomoaki - この投稿者のレビュー一覧を見る
35年以上も売れ続けている本は、内容が充実しているからだろう。
最近では”xxハック”とか”xx手帳”とかビジネスtipsの本が大量に並んでいるが、おそらくそれらのエッセンスというか、基本になる考え方は本書のように長く読み続けられている本にとっくに書かれている(かといって流行本に意味がないといいたいわけではない)。
しかし、もし、自分に合ったtipsを探し続けて時間だけが過ぎていくだけなら、しっかりした本をがっつり一冊読むのも良いのではと思う。
本棚を整理しても、手元に残して読み返したいと、処分せずに残っている一冊だ。
思考も部屋も整理
2016/03/29 23:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Freiheit - この投稿者のレビュー一覧を見る
整理されていない部屋で暮らしている人間と話していると、こちらまで頭が痛くなる経験は少なくない。思考も整理することで、暮らしやすくなるのではないか。
思考のヒントが書かれている本
2021/12/31 11:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:デーモン - この投稿者のレビュー一覧を見る
思考のヒントとなることが、小テーマごとに書かれていて、なるほどと参考になることが多いです。発刊から、だいぶ経っていますが、今、読んでもためになります。
タイトルと内容の不一致
2021/12/22 22:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぺ - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリエイティブな職種の方に適した一冊。アイデアをどのように保存しミックスし、オリジナリティを出していくかという方向け。普通のサラリーマンのものの考え方にはマッチしないが、読み物としては非常に勉強になった。
繰り返し読みたい
2020/04/17 08:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うれい - この投稿者のレビュー一覧を見る
買うつもりじゃなかったのだが「東大・京大で1番読まれた本」「刊行から34年 驚異の245万部突破」と謳われた帯に惹かれ気づいたらレジに向かっていた。読むタイミングによって吸収できることが何倍にも膨れ上がる本だと思う。インブリーディングのところで思い出したのがグループディスカッションのことで、しばしば他人の意見を潰すことで持論の優位性を示そうとする人がいるがその行為はアイデアの芽を摘んでしまいグループ全体にとっても良くない。GDでは話さなければならないが、普段はアイデアをしばらく寝かせておくことが大事