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キリスト教以前のギリシャ、ローマはこんなにもまともだったんだ。
2010/05/10 11:59
35人中、25人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みどりのひかり - この投稿者のレビュー一覧を見る
平山 令明著「熱力学で理解する化学反応のしくみ」の中に、このマルクス・アウレーリスの「自省録」のことが書かれてあって、読んでみようという気になりました。アウレーリスはローマ皇帝で西暦121年から180年の人です。
興味深かったのは、この頃の考え方というのは、きわめてまともで、迷信的なものもなく、冷静に自然を見ているということでした。
紀元前275年から紀元前194年に生きたエラトステネスは、シエネ(現在のアスワン)で夏至の日に陽光が井戸の底まで届くことと、アレキサンドリアでの夏至の日の南中高度が 82.8°であったことから、地球の全周を求めました。
つまり、マルクス・アウレーリスの時代より300年も前に自分たちの住んでいる世界がまるいことと、その球の大きさまでわかっていたのでした。
アウレーリスの自然感は、観察に基づいた真っ当なもので、命あるものはいづれ、元素に分解され、それらがまた、集まって別の命が生まれ、それが何年も何年もの昔から、繰り返され、未来にも繰り返され、我々はその中で生きているんだということを、受け入れて、どう生きるかを決めていました。
キリスト教はすでにありましたが、まだローマがこれに支配される前のことでした。キリスト教以前のギリシャ、ローマはこんなにもまともだったんだ、と思いました。キリスト教は素晴らしい面もあるのだけれど、随分と世界をよがめてしまったんだなとあらためて思いました。
諸行無常というのはエントロピーは増大するという、熱力学の第二法則の文学的表現だけれど、ローマでもきちんとこの法則が捉えられていたことがわかります。
ただ、仏教の般若心経で言っている、色即是空で代表される情報物理の原理については、まだアウレリウスはそこまで考えが及んでいません。これは残念なことです。
情報物理の原理は、神はあってもなくてもかまわないというか、どう考えようと、この原理が崩れることはないので、神はいてもいなくてもいいのですが、キリスト教ではそうはいかないでしょう。神はいなければならないのですから。
そんなことを色々考えさせられた本でした。
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熱力学で理解する化学反応のしくみ
不落樽号の旅
生きる力を与えてくれる一冊
2005/10/26 01:15
18人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:未来のための哲学講座・主宰者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
こんにちは、「未来のための哲学講座」主宰の真木ゆうきです。
私たちは、たった一つの真実を知っているかどうかによって、困難な課題を解決するためのヒントを得たり、また大きな夢や希望を与えられる場合があります。この本もあなたにとって、きっと、そんな一冊になってくれると思います。
汲みつくせない先哲の知恵の中から、たった一つだけですが、ご紹介いたします。(ご注意:以下は、著者自身の理解と解釈により、できる限りわかりやすく再構成したものです。気に入ったら、ぜひ本書に挑戦してみよう!)
【あなたが手を打つことができるのは、この現在という瞬間だけである。すべてのことは日々順番にやって来る。今日できる最善のことを考えよ!】
ああ、これからどんな大変なことが待っているのやら、心配でたまらなくなったら思い出せ。あなたが手を打つことができるのは、つねにこの現在という瞬間だけであることを。どんなに大変なことでも、必ず順番にやってくる。
今できることは、何だろう。今できる最善のことは、何だろう。こう考えて、個々の行動ができるかぎりその目的を果たしているのならば、あなたはそれで満足すべきなのだ。いや、これこそがまさに最善ということなのだ。どんな困難な状況にあっても、あなたがこのように考え、そして行動するのを妨げる者はだれもいない。
そして明日のあなたは、もし必要ならば、いま用いているのと同じ理性をもって、また現実に立ち向かってゆくだろう。
(マルクス・アウレーリウス(121-180))
怠け心が出たら手に取ります
2021/08/24 15:23
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふう - この投稿者のレビュー一覧を見る
何気なく開いても身の内に響く言葉が見つかります。
ボロボロになるまで読み込みたい一冊です。
我が世を得たり
2004/01/05 20:36
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:濱本 昇 - この投稿者のレビュー一覧を見る
かのプラトンは言った。「哲学者の手に政治をゆだねることを理想とする」と。これが実現した時代が有史以来1回のみあった。マルクス・アウレリウス統治下のローマである。本書は、彼の信条を伝える随筆集である。読んでいて、全体で何を述べたかは、理解出来なかったが、一つ一つの随筆は、それぞれ奥があり、いちいち納得させられる内容であった。
dog earを付した箇所を何ヶ所か紹介して、「MY IMPRESSION」としたい。
彼は、祖父、父、母、曽祖父、家庭教師、それぞれの知人からの影響を文章で本書の一章でまず述べる。私は、その一つ一つがそれ程重要であると思わない。ただ、廻りの人々からの良い影響を連綿と綴れる事は素晴らしいことだと思う。
「公益を目的とするのでないかぎり、他人に関する思いで君の余生を消耗してしまうな」。本書を通じて「個」の確立への価値観がにじみ出ているが、この部分は、これを明言していると思う。自分の思うようにならないのが他人なのである。
「自分が誠実に、謙遜に、善意を持って生活しているのをたとえ誰も信じてくれなくとも、誰にも腹を立てず、人生の終局目的に導く道を踏み外しもしない」。ここでも「個」の尊厳を述べている。
「隣人がなにをいい、なにをおこない、なにを考えているかを覗き見ず、自分自身のなすことのみに注目し、それが正しく、敬虔であるに思う者は、なんと多くの余暇を獲ることであろう」。私は、みんなが忙しく自分の時間を忙殺している姿を見るに絶えない。この言葉は、私の正しさを証明している。
「…自己の(人格の)構成に従ってあるいは活動し、あるいは活動を控えることである」。何を行なうべきかを述べている。すなわち、自らが発した活動を行ない、また自らが控えるべきと発した活動は、控えるべきなのである。ここでも「個」の尊厳が見える。
「人に助けて貰うことを恥じるな」。ここで、私は、TVドラマ「俺たちの旅」を思い出す。「一生懸命生きてみろ。そうすれば、誰かが手を差し伸べてくれるのだ」(カースケの息子に対する言葉)。そうなのである。自分が精一杯やったならば、どこかで助け舟が出てくるものなのである(私の経験から)。
「存在しないものを、すでに存在するものと考えるな。それよりも現存するものの中からもっとも在り難いものを数え上げ、もしこれがんかったら、どんなにこれを追い求めたであろうかということを、これに関して忘れぬようにせよ」。そうである。有るものに着目すると「幸福」はそこにある。「無い」ものに着目すると永遠に「幸福」は訪れない。
この他にも沢山共感出来る記述はあったが、ここで留めておく。纏めてみると、マルクス・アウレリウスの主張することは、私の信ずるものと相通じる。本書は、ネパール・ランタン谷の快晴のもと、心地よい風にあたりながら、読み終わったもので、最高の自然の中での読書という至福の時を私に与えてくれた。本書を紹介してくれた岸原さんに感謝したい。
我が身を振り返る
2021/09/06 23:44
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこにゃんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
友達に勧められて買った本です。
今すぐにでも人生を去っていくことのできる者のごとくあらゆることを行い、話し
、考えること。
今から2000年近く前の人が書いたとは思えないほど、いろいろな言葉が心に刺さってきます。
酷暑から解き放ってくれる精神の清涼剤
2021/08/06 16:27
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投稿者:719h - この投稿者のレビュー一覧を見る
本文庫版が日本社会において
長く読みつがれていることには、
内容そのものもさることながら、
訳文の文体も与って力があるように
思います。
もしもこれが、主語と述語との対応が
あやふやで、てにをはすら整わない、
ずるずるべったりの口語体で訳されて
いたとしたら、書店の店頭からも、
読書人の書架からも、
とっくに消え失せていたかもしれません。
再読
2020/04/30 17:50
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:芋栗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
数年前に図書館で読んだが、再読したく購入。時を超え、時代を超え、国を超える著書は、読む時、読む時で感じること、学ぶことがある。折に触れて、何度も読み返したい。
ローマの五賢帝の最後の皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスによる唯一の哲学書です!
2020/04/29 10:09
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ローマ皇帝で五賢帝の一人とされるマルクス・アウレリウス・アントニヌスによって書かれた哲学書です。最後の五賢帝である彼は、ローマ皇帝としての多忙な職務のかたわら哲学的な思索を好み、後期ストア派を代表する哲人でもあったと言われています。同書はその思想を直接知ることのできる彼による唯一の著書でもあります。ただし、内容は自分宛てに書き続けられた短い散文の集積であり、一貫性を欠き、同じ主題が繰り返し取り上げられることも多いです。また彼自身の哲学的思索に限定され、皇帝の自著にかかわらず、ローマ帝国の当時の状況や職務上の記録などはほとんど記述がありません。ただ、後期ストア派の特徴とされる自然学と論理学よりも、倫理学を重視する態度や他学派の信条をある程度受け入れる折衷的態度が見られ、なかなか興味深い点でもあります。同書は、現代語の邦訳版で、適宜注釈も入り、読みやすくなっています。
こういう生き方もある
2020/04/20 18:33
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投稿者:ゆきき - この投稿者のレビュー一覧を見る
世界史を少しでも勉強したことがある人なら、マルクス・アウレーリウスの名を知らない人はいないはずだ。
この本はマルクス・アウレーリウスが「自」らを「省」みるために記した書簡集であるが、その生き方には「人はどうして生きるか」「何のためにいきればよいのか」と、古くて新しい問いへの答えが満ちている。
教訓が見つかる
2020/01/30 15:20
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投稿者:すねよし - この投稿者のレビュー一覧を見る
哲学書として持っている人も多いと思うこの書。
箇条書きで書かれており、短いものは1文で書かれてあるので読みやすい。所々納得いかない部分はあるがそこは飛ばしていた(読むには読んだが)。それでも自分にぴったりの言葉が見つかった。
アタマを強く殴られたような衝撃!
2022/07/30 02:00
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投稿者:あんず - この投稿者のレビュー一覧を見る
私もドラマで本書を知った一人である。
的を得た自己観念(哲学)にかなりの衝撃を受けた!
悩めるときには、いや、普段からでも読み深めたいものである。
己のバカさ加減が露呈し、思い知らされることになるだろう1冊である。
ミステリと言う勿れ
2022/04/02 10:48
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投稿者:語彙力勉強中 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドラマ「ミステリと言う勿れ」や原作漫画でも大活躍中のマルクス・アウレリウスの自省録。彼の手記でありながら、現代人にも通ずる悩みや葛藤について書かれていて参考になる。
現代でも十分通用する内容
2022/02/25 16:22
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投稿者:路傍の石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
Eテレの100分de名著で紹介されていた作品です。ありとあらゆる思想や概念、法則が明らかにされ続けている現代と違って人類の黎明期と言って良い時期にこれ程人間に対する洞察力に優れた人物がいた事は大きな驚きでした。時代を経た言葉の確かな重みを感じられる名著です。
書き記す衝動、本能
2001/06/05 19:23
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投稿者:マルコス - この投稿者のレビュー一覧を見る
行く先々で皇帝は何を想ったのだろうか。
いささか断片的ではあるが、詩がその人そのものよりも末永く影響力をもつようにこの断片的な文章群は我々を喚起してやまない。
その瞬間に想ったこと。自己を直視できる心を時を超えて彼からたしかに受け取った。
人生における主観の果たす役割。
2020/10/13 16:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書に記載されている事柄は、人間が人間であり続ける限り切っても切れない永遠のテーマである。
どのように生きるべきか、どのように己の人生に向き合うか、死とどう向き合うか等の深淵かつ普遍的なものに触れられているからこそ、
訳1800年も昔に紡ぎだされた言葉が未だ多くの人々の心を掴んで離さない。
そしてマルクス・アウレーリウスが紡ぎだす言葉には、現実を突きつける厳しさと共に希望を抱かせ心を奮い立たせるような情熱をも内包されている。
個人的には、その力強さに心を打たれた。
誰もがどの様にして生きたいか、生きるべきかについては薄々気付いていると思う。
しかしその生き方を選ぶ勇気や伴う痛みに恐れおののいて見て見ぬふりをする。
そのような人々の背中を押す助力となるのが本書であろう。
特に心に残った言葉。
ーー「せいぜい自分に恥をかかせたらいいだろう。自分を大事にするときなどもうないのだ。めいめいの一生は短い。
君の人生はもうほとんど終わりに近付いているのに、君は自己に対して尊敬を払わず、君の幸福を他人の魂の中におくようなことをしているのだ。」
ーー「事物は魂に触れることなく外側に静かに立っており、煩わしいのはただ内心の主観からくるものにすぎないということ。
すべて君の見るところのものは瞬く間に変化して存在しなくなるであろうということ。
宇宙即変化。人生即主観。」
ーー「なんらかの意味において美しいものはすべてそれ自身において美しく、自分自身に終始し、称賛を自己の一部とは考えないものだ。
実際人は誉められてもそれによって善くも悪くもならない。」
ーー「これは不運ではない。しかしこれを気高く耐え忍ぶことは幸運である。」
ーー君の肉体がこの人生にへこたれないのに、魂のほうが先にへこたれるとは恥ずかしいことだ。」