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入籠構造
2015/06/26 01:33
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:藤枝 雅 - この投稿者のレビュー一覧を見る
はっきり言って、面白い。
このような構造の小説は、もちろんたくさんあるのだが、上手く料理していると感じた。
第一章から第二章は読むのがツラくなってくるような内容だった。あまりにも主人公の置かれている境遇が可哀想で仕方なかったのである。
第三章から語りが三人称に変わったことで違和感を覚えたのであるが、それも結末への伏線だったことがわかる。それ以後も変わらず小学生の人間関係の難しさ、厭らしさなどをうまく書いている。
たしかに、殺人へ至る心理描写が少なく、飛躍している感はあるが、フジコの場合は理知的な計画殺人ではなく、衝動的な犯行なのだからこんなものだろう。そのわりに、殺した後の行動は非常に冷静でびっくりするのだが…
あとがきが無かったら、正直消化不良に終わっていたような気がする。第九章の後に書かれている「あとがき」および最後の1ページが、この作品を傑作たらしめていると言える。個人的には、最後の1ページを読んだ瞬間、鳥肌が立った。ただ、文庫の帯に「あとがきまでが物語です」などと書かれると、興醒めだ。「はしがき」で本編とは別の作家が登場している時点で、誰もが「あとがき」まで読むに決まっている。(そうしないと結末がわけわからないからね)にもかかわらず、帯で宣伝するのはどうだろう……それだけが不満である。
やられた!
2016/01/03 02:27
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:無名さん - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白かったが、やられた!と思わされた。
何から何までやられた!
あとがきまで、むしろあとがきをしっかり読んでいただきたい。
生涯
2022/10/15 01:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
1人称という小説の形式を生かした作品。
「人間」と「殺人鬼」の間にあるグラデーションを
超えてしまう瞬間のようなものがいくつかあって、
とても読ませてくる。
小学生時代が少し長い感じはあったけれど、
主人公の境遇に同情しすぎるでもなく、
殺人鬼の思考に嫌悪しすぎるでもなく、
読み物としてのバランスもとてもよかった。
恐ろしいが…
2016/01/19 12:54
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ころ - この投稿者のレビュー一覧を見る
フジコの壮絶な人生の軌跡にとてもやるせない気持ちになりました。しかし最後にとんでもない真実が明らかになります。読むのが止まらないです!
人間がおかしくなっていく様を描く
2012/08/07 08:47
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
1人の少女が劣悪の生活環境の中、歪んだ大人へと成長していく過程がまず描かれる。モンペアでありながら日々の虐待も繰り返す母親。学校での苛烈ないじめは、いくらなんでも度を越した描写と感じたが、昨今のいじめ報道を思い返せば、現実もそう遠い物ではないのかもしれないと暗澹とした気持ちにさせられた。
いずれそんな劣悪な環境~地獄の中で、少女藤子は成長していく。そして11歳になったある日、彼女はトンでもない事件に遭遇し、そんな人生をリセットし生まれ変わって行く。いじめられる側から、周りの大人を手玉に取って「勝ち組」へと転身をしていくのだ。ところがその転身がさらにフジコを歪めていき、自分を守る為ならあらゆる者を犠牲にする事もいとわなくなる。そして段々と、人間が壊れていく・・・。
布石も構成も面白く、掴みも良かった。終盤の、人間がおかしくなっていく様はかの「アルジャーノンに花束を」を彷彿とさせないでもなく、一気に読み終える事が出来た。ただ、巻末で物語の外伝的に事件の真相が語られる部分はどうかと感じた。あれは無くても、良かったようにも思う。
業(カルマ)
2020/04/11 15:30
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
母親の業にとりつかれ、そこから逃げようとしても結局逃げられずに自ら不幸に堕ちていくフジコの話を、同じ業を背負いそうになった娘が物語としておこしたという設定の本。
ぐいぐいひきこまれた。
簡単に人を殺していくのだけど、罪悪感をもたず、むしろ正しいことを思っているフジコは、きっと誰よりも幸せを欲していたのだろう。
最初から最後まで
2019/09/22 00:04
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:春夏秋冬 - この投稿者のレビュー一覧を見る
はしがきからあとがきまでで完成される作品です。
ニュアンス的な部分も多く感じたので、殺害方法は具体的な方法が見たい方は違うかもしれません。
救いようのないヒロイン
2017/09/25 04:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
異色のヒロインであるフジコの生きざまに引き込まれていきます。ドキュメンタリータッチの語り口も良かったです。
立派なミステリー
2016/05/07 04:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
後味が悪いという評判に、覚悟して読みましたが。いやいや、悪い人間しか出てけえへんなぁという感じのお話でした。しかし、確かにあとがきを読めば、立派なミステリーとして成立してしまっているところに脱帽(^_-)。これは真実を知るために、次作『インタビューインセル』を引き続き読みます。
ズルズルと沈み込む
2015/09/06 09:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マツゲン - この投稿者のレビュー一覧を見る
のちに連続殺人鬼となった『フジコ』の人生は、救いがない。
ほんの些細な人間関係のずれ、考え方、対処の仕方がひたすら悪いほうにしか向かっていかない。
その先は分かっているのに、先を読む手が止まらなくなる。
タイトルに比べて衝撃は少なめ。もっと闇に迫ってほしかった。
2011/09/09 10:55
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
その衝撃的なタイトルに魅かれて手に取ってみた。
殺人鬼の衝動。
どうして殺人を犯すのか。
なぜ殺人に駆り立てられるのか。
そういう裡なるものをガツンと読みたいと思っていたのだけれど、
拍子抜けしてしまった。
本作は、11歳で家族を惨殺され、その後15人もの命を奪った
フジコという女の一生を描いた物語という構成をとっている。
「はしがき」と「あとがき」も収められていて、
とても興味深い構成である。
この試みはすごく好きだ。
やらんとしていることも理解できる。
でもわたしには、
この「はしがき」や「あとがき」が蛇足にしか感じられなかった。
あまりにも作為的なのだ。
もちろんフィクションだから作為はあって然りなのだけれど、
あざとい感じが否めない。
虐待物は苦手なのだが、あまりにも虐待の頻度と
凄惨さが強くて、逆にあまり心に響くものはなかった。
そしてフジコが犯していく殺人についても、
ラストのほうは次々殺されてまるでB級コメディのようだ。
もっと心の闇に真正面から向き合うような、
ガツンとくるものを期待していただけに、残念だ。
しかし文章は読みやすく、
次から次へと展開するのでぐいぐい引き込まれ
読ませるだけのリーダビリティはあるように思う。
他の作品も読んでみようかな。
かなり気力を奪われる”イヤミス”。よくあるトリックだけれどちょっとスッキリしない。
2011/09/04 21:34
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みす・れもん - この投稿者のレビュー一覧を見る
待ち合わせまでの時間を有効活用しようと本屋さんの棚を巡っていたとき、タイトルに惹かれた本。けれど、帯の文句で少々興ざめ。ミステリ要素を含む本にこの帯はダメでしょ・・・と、一度は手に取った本を棚に戻した。けれど、やはりそのタイトルと表紙の印象は強烈で、結局は購入して読んだわけだけれど・・・。と思ったら、「BOOK」データベースの紹介文にも同じような文句があるんだね(苦笑)。
これから読もうと思っていて、これ以上の情報を得たくない方は、続きは読まないことをオススメする。
さて、その問題の文句というのは、 「あとがきまでが物語です」というもの。で、データベースの紹介文には「最後の一行を読んだ時、著者が仕掛けたたくらみに云々・・・」というもの。どちらも特に必要な情報じゃないし、そんな情報がなくてもタイトルだけで惹かれる人は多いと思う。
両親からの虐待と学校での男子からのイジメ(いや、もはやその範疇を超えた性暴力)に疲れ果てていた小学5年生のフジコ。あるとき、両親と妹が殺され、家族でただ一人残されてしまう。フジコは悲しむより先に安らぎを得た。これで衣食住の心配は要らない。とりあえず虐待はなくなった。転校することでイジメからも解放された。”ネタ”を探す大人たちには、ちょっと悲しげな顔を見せれば同情してくれる。「オトナなんてちょろい」。フジコが真っ先に覚えたこと。
母の妹である茂子がフジコを引き取った。決して裕福な家ではないけれど、母と違って暴力をふるったりはしない。それどころか、必要以上にフジコに優しく接する。フジコは家で、学校で、嫌われないように、失敗しないように、それだけを考えて、人の顔色をうかがいつつ暮らす。誰を味方につければ一番優位になる? それを見極めるべく、注意深く人を観察していく。「嫌われること」「いじめられること」、それを極端に恐れるあまり、彼女は11歳にして殺人を犯してしまう。
そこからの人生は上手くいくように見えたけれど、それでも徐々に何かが狂っていく・・・。フジコはことごとくハズレを選んでしまう。堕ちていく・・・。堕ちていく・・・。ひたすら堕ちていく・・・。這い上がろうとするたびに邪魔者を排除していく。そうして手にかけた人数は15人。少なくても15人、だ。
読んでいて決して気持ちの良くなる本じゃない。というよりも気分が落ち込んでいくような・・・。「イヤミス」ってこういう本のことか・・・。けれど、先へ先へと読み進めてしまうのだから、不思議だ。最近、このタイプのミステリに出逢うことが多いな(苦笑)。
で、最初に書いた「あとがき」の件。だからダメだっていったんだ。そんなことを帯で知ってしまったから驚きは少なかった。あとがきを読む前から何となくわかってしまったことではあるけれど。
だけど、「最後の一行」が何を意味するのかがまだわからない。「イニシエーション・ラブ/乾くるみ」的なものだとは思うのだけれど。ネットを探してみてもネタは落ちてなかったし。
どなたか、私にこの「最後の一行」に隠されたトリックを教えていただけないだろうか。このままじゃモヤモヤして眠れやしない。読み返せばいいのだろうけれど、そこまでの力は残っていないのだ(苦笑)。それだけ力を奪われる”イヤミス”だった。
【操り人形の様に踊らされて、狂った生涯を演じ切る】
2023/11/25 17:43
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えびし - この投稿者のレビュー一覧を見る
一家惨殺事件から生還した少女の人生が、次第に狂い始める事で、伝説の殺人鬼が誕生する物語。
子供の人格形成と周囲の環境の関係は切っても切り離せぬ。
虐待された子供が親になって己の子供を虐待する悪循環。
幸も不幸も受け取り方次第。
フジコは容姿が恵まれず、醜悪な家庭にあった。
悲惨な幼少期を過ぎ、大人になって彼女が手にした物。
夢や希望を持つからこそ、絶望は産まれる。
世の中を渡り歩く中で、罪の意識が欠如して。
狂った様に人を殺し。
整形で飾り立てる姿は虚無感で満ち溢れていた。
なんだろう
2023/02/04 09:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る
本の構造、作りは面白かったんだけど
この人の本はいつも最後にかけてが勢い落ちる気がしてしまう。
今回もラスト100ページくらいがうーんって感じでした。
好き嫌いが別れる作品
2017/10/05 23:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
好き嫌いが別れる作品というのにうなずける作品だった。
最後まで読んだけど、私はいまいちだった。
もっと何かあっと言わせてくれると思ったのに、残念。