- 販売終了
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
電子書籍
マニュアル時代の、一断面を切って見せてくれてる。
2016/07/28 04:05
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オカメ八目 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは、私のある体験談です。 それは、有る年の初夏の早朝、コンビニにツバメが、自動ドアが開いたと共に舞い込んだ。 その時コンビニには、若いアルバイトの人と私の二人しか居なかった。 若いアルバイトは、店じゅうを棒のようなものを持ってツバメを追いかけ回してた。 私も「それじゃぁ出て行かないな」と思いつつもツバメを少し追った。ツバメは、ついに疲れたのか店の隅に丸めてあった、カーペットの端切れようなものに止まってじっとしてた。 そこを、アルバイトがドアを手動にして、開け放しにしてくれたので、そのカーペットの端端切れごと、そ〜っと持ってツバメを外に出して逃がしてやった。 こんな「想定外」は、マニュアルに、例えば、強盗対策は有っても、ツバメはないだろうなぁ〜と思いつつ読んでます。
今も、そのコンビニは、人がかわりつつ存在してます。
紙の本
衝撃のラスト
2017/10/28 16:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず本書は非常に読みやすい。一気に読むことができるでしょう。そして筆者の主張が物語に込められています。本作が賞を取るのも自然なことでしょう。正直『火花』などは話題性のために、芸能人に受賞させたというような作品であったと思いますが、本作は本当に良作であったために受賞したものでしょう。
現代社会に対する風刺になっている作品です。これは日本人に顕著ですが、異質なものを排除する文化を持っていることは否定できないでしょう。マイノリティーの人々は現代日本では生きづらさを感じているはずです。主人公はあまりに異質であり、サイコパスなのではないかと思われますが、白羽などは本来害にならない存在であるはずなのに、社会が無意識にせよ迫害を加えるために、おかしな行動を取る問題ある人間になってしまったのではないでしょうか。個性を大事にするなどと叫ばれていますが、所詮は掛け声だけで、マジョリティーとは異なる種類の人間はマジョリティーから好奇のまなざしを受け、そしてそれに苦しめられることになります。
もちろん主人公は前述の通り、サイコパスのように思われ、はっきりいってどんな社会であっても害となる存在になりえます。まるで人間ではないようです。そもそもコンビニのために生きているという価値観は私には理解できないものです。しかしこのようにレビューしている私自身が、理解できない価値観を排除しようとしているのかもしれません。やはり私も日本人なのです。
紙の本
「普通の人間」という言葉の異質さ
2017/07/22 10:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ころ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「普通の人間」という如何にも異質なのに、こなれた言葉に挑んだ作品。 たぶん、ボクが「普通の人間」からみた異質側だから、だと思うけれど、クライマックスまで胃がムカムカキリキリとしていた。何か内臓を素手で掴まれたような感覚がしていた。 クライマックスからは胃のムカつきが嘔吐となって、徐々に吐き出されたようなすっきり感があった。 21世紀の純文学として、意義のある作品だと思う。
電子書籍
押しつけがましくないコミカルに現代の実像を切り取った小説
2017/05/04 00:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐らく主人公の古倉恵子は自閉症スペクトラム障害の一種を患っているのではないかと思われます。物語はあくまでも主人公の視点から描かれていますが、世間の同調圧力や異分子に対する排他性が実に細やかに描写されており、その苦しさが分かる人には非常によく分かる感じです。同調圧力をかける側、排他する側の人で、そのことに疑問を持たず、無意識でそういうことをしている人たちには共有できない感覚ではあろうと思いますが。
日本人のメンタリティーは同調圧力の強い排他的なムラ社会をずっと引きずっています。昔はそれがあからさまでしたが、現代では「価値観の多様性」などという幻想が蔓延っている分だけたちが悪いように思えます。誰もが自由で、だからその結果もすべて自己責任で。でも本当は選択の自由などないに等しいことが多いし、周囲の人たちと違うことをするには大変な勇気が必要であったり、勇気を出して違うこと、自分が正しいことをやってみるととんでもない攻撃を実際に受けるようになるなど割と日常茶飯事です。日本人の美徳の一つとされる【和】は、その和を乱す異分子に対する攻撃性によって保たれるもので、排他性の裏返しに過ぎません。
この作品の興味深いところは、そうした現代的問題に切り込みながら、何の倫理的社会批判などを持ち出さず、結論らしい結論も出さず、テンポよくコミカルに現代の実像を描いているところなのではないでしょうか。押しつけがましさがないのがいいと思います。作者の意図がどこにあったかは分かりませんけど。
紙の本
面白かった!
2017/04/09 23:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:cocoon - この投稿者のレビュー一覧を見る
回りでも評判だったので読んでみました。タイトルから想像していた内容とは全く違い、なんとも面白いストーリーでありながら真実をとらえているようで、現代の社会をわたしの知らない角度ではこういう世界もあるかもな、と妙になっときさせられました。
紙の本
悲喜劇
2017/01/22 15:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこ日和 - この投稿者のレビュー一覧を見る
芥川賞受賞作としては、大衆的で面白いです。何より、読み易い文章で書かれているので、あっという間に読み終えてしまいました。ポーダーレスの時代でも、ここまで突き抜けて社会に適合しない主人公は、無意識である故に読むひとによって悲劇とも喜劇とも捉えることのできると思いますを
紙の本
深く考えさせられる
2017/01/20 10:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ともぞー - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終えた時、まさにコンビニ人間だなっと思わされる作品ですごく面白かった!
紙の本
女性らしい作品
2017/01/17 21:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:えるべっく - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性らしい繊細な女性の心理描写を楽しめた。
普通ができない古倉さん。
大学を出ながら、就職もせずコンビニでバイト。
男性との交際経験も無し。
コンビニだけが社会との接点だ。
まともな家族や友人との摩擦は、
少し理解できる気もする。
発達障害なのかもしれないが
こんな人は時に見かける気もする。
何が楽しくて生きているのと
問いたい気もするが、
古倉さんなりの楽しみ方があるのかもとも思う。
クズの白羽とのことは不要な気もするが、
白羽の弟嫁の辛辣さが、古倉さんの異様さを
際立たせたような気もする。
なかなか深い作品だった。
紙の本
コンビニは現代社会の象徴
2016/11/29 22:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マハラオ - この投稿者のレビュー一覧を見る
開店以来同じコンビニで働き続けて18年目、主人公の古倉さんは世間的には不適合者である。平穏な日々は起業家を夢見る白羽さんとの出会いで波乱が起きる。コンビニを早々とクビにされた白羽さんが、しかし、「結婚も就職もしていないなんて、社会にとって何の価値もない。そういう人間はムラから排除されますよ」と無遅刻無欠勤の主人公に辛辣な説教をする。「古倉さんも、もう少し自覚したほうがいいですよ。あんたなんて、はっきりいって底辺中の底辺で、もう子宮だって老化しているだろうし、性欲処理に使えるような風貌でもなく、かといって男並みに稼いでいるわけでもなく、それどころか社員でもない、アルバイト。はっきりいって、ムラからしたらお荷物でしかない。人間の屑ですよ」これに対して主人公が「私はコンビ二以外で働けないんです」「コンビニ店員という仮面しかかぶることができなかったんです」なので「それに文句を言われても困るんです」と居直る。白羽さんはさらに激して「生きづらい、どころではない。ムラにとっての役立たずは、生きていることを糾弾されるような世界になってきてるんですよ」と格差社会の本質を衝く発言をする。第三者が見れば「役立たず」の取る道はふたつ、ムラを改造するか、ムラから脱出するか。しかし古倉さんはちょっと違う、アルバイトでコンビニ店員の「仮面」が冠り続けられる限りは。
紙の本
誰にでも才能はある、って事なのかな。
2016/11/12 18:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いままで「芥川賞」受賞作品を面白いと思った事はなかったけど、これは面白かった。一気に読めました。短いしね。
幼少の頃から周りとのバランスが取れなかった恵子。すべてがマニュアル化してあるコンビニ店員になることでやっと「普通」っぽく暮らせる方法を見つけます。
実際、こんな子が友達にいたら付き合うの無理かも・・・って思うけど。理解してあげれば最も気楽な付き合いができるのか?
誰でも適所ってのがあるんだ!と力が貰える作品でした。
紙の本
読みやすい
2016/11/03 17:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:靴下ネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の恵子と元コンビニ店員の白羽の生き方(会話、主張)がどこまでもかみ合わず、この二人の会話に吹き出しつつもうすら寒さを感じた。今までの村田作品よりも読みやすい。(『マウス』も読みやすいけど)。コンビニは恵子にとって生まれた場所。子宮なのかな…と感じた。文庫になったら買いたい。
紙の本
流石
2016/10/26 12:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:スカイ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく、題名が良い。
そして、コンビニでのバイトが初めてのアルバイトだった私には、一瞬にして、過去に戻れた。
とても、爽やかな、爽やかすぎる内容で、また、一段と村田さんを、好きになった。
電子書籍
漫画を読んでいる感覚
2016/09/12 22:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ななこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてもライトで、あっという間に読み終わってしまいました。芥川賞作品なのに読みやすいです。
いつもすきま時間で細切れ読書なのですが、内容を忘れて読み返す…といったこともなく。
他の作品も読みましたが、
「設定」で楽しませる作家さんですね。
書いていて楽しそうです。