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教誨師 みんなのレビュー

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一般書 第1回城山三郎賞 受賞作品

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みんなのレビュー70件

みんなの評価4.6

評価内訳

69 件中 1 件~ 15 件を表示

死刑について私たちは考える材料を持たないなか、半世紀にわたり死刑囚と向き合ってきた教誨師の証言は貴重だ

2018/05/01 18:18

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る

死刑制度を持つ国は少ない。日本はその少ない国の一つだ。世論も圧倒的に死刑制度を支持している。しかし、死刑が決定した死刑囚が拘置所に送られ処刑されるまで、また、処刑されたこと自体国民に知らされずにいる。死刑囚の扱い、執行の現場、執行された後がどうなっているのか、わからないままに私たちは死刑制度を判断していることになる。

本書は、唯一死刑囚と自由に面化することを許された民間人である教誨師のインタビューから、死刑判決を受けた後の私たちの知らない死刑囚のその後を著わしている。

教誨師という言葉そのものも、私たちにはなじみがない。辞書を引くと「教誨とは、矯正施設において収容者・受刑者の徳性の育成や精神的救済を目的として行われる活動」である。日本では様々な宗派の宗教家がボランティアで行っている。本書でインタビューを受ける渡邉教誨師は浄土真宗の僧侶であり全国教誨師連盟元理事長である。本書は守秘義務を課せられている教誨師であるが故に、渡邉氏の没後に発表された。

死刑執行は刑が確定されてからすぐ執行されるわけではない。何年も「明日殺されるかもしれない」という恐怖の中で、1人独房で過ごす事になる。精神上、これ以上ないという痛めつけられる状況が数年から十数年も続く。渡邉氏は教誨した死刑囚のひとり一人のその様を語る。あるものはひらがなから学ぶことをはじめる。あるものは死刑を受け入れられず、出所後の事業計画についての夢を語る。自らの犯した犯罪に向き合えないものもいる。

「教誨」とは何か、渡邉氏は「誨」は「戒」ではないという。
渡邉氏は「本来なら、裁判で事件を起こすに至った経緯を詳しく調べ、曲がりなりにも彼らの言い分を聞き、やむない気持ちをくんでやった上で判決を下せば、たとえそれが死刑判決でも納得して刑に服すことができるかもしれないのに」と思う。犯罪は紙一重で起こる、その犯罪に踏み出すものが何であるか、多くの死刑囚はどこかに恨みを持っている。生育歴や貧困、それらは犯罪者の外側の問題だ。しかし、多くの人は犯罪に至らず踏みとどまる。「誨」は死刑囚にその恨みの気持ちを取り除く事によって、初めて罪を犯したことに向き合う、聞くことが大事だという。決して教え込む、戒めるというものではないと。

渡邉氏が対応した死刑囚は怪物ではないことが、ひとりひとりの死刑囚の犯罪に至った経緯からふくめて明らかとなる。
しかし、死刑は執行されていく。死刑は「人殺し」なのだ。公開されない死刑の現場も語られる。殺す執行官の苦悩も壮絶だ。そして、死してなお、地元の墓への埋葬も拒絶され、遺骨の扱いもぞんざいである。
死刑囚となったものは、被害者はもとよりあらゆる人間関係から排除され、多くの場合放置され、社会から忘れられていく。そして、私たちは死刑制度の実態がわからなくされている。
死刑制度の是非について考える材料が与えられていない中で、本書は貴重だ。

渡邉氏は広島の被爆者だ。「生きたい」と強い思いで、被爆後、広島からふるさとの村にたどり着き生き延びた。その道程には、多くの助けを求めた同様の被爆者を見捨ててきたという後悔の思いを生涯抱いてきた。
著者である堀川氏は、前著で被爆地広島で光市母子殺害事件の広島高裁での死刑判決で歓声が上がったことに違和感を覚えたと記述している。
この「教誨師」はある意味、そのアンサーではないだろうか。

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いのちの重さ

2020/08/06 17:43

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る

渡邊普相という僧侶が教誨師として死刑因と向き合った実話です。
教誨師は、受刑者が改善更生し、社会に復帰すること『生きること』の
支援をする仕事と死刑因に対し、『死んでいくこと』の手伝いをするという
相反する仕事があります。
渡邊普相は後者になります。

この本の一節に、
『拘置所が、判決が確定した死刑因に適度な食事を与え運動をさせ、
厳しい作業も課さず健康な状態で生かしている究極の目的はたったひとつ、
絞首台に立たせるため。そしてつつがなく、その任務を終えることにある。
そのことを間違いなく遂行するために拘置所が選んだのは、自殺をされないように
見回りを徹底するという方法ではなく、直前まで告知しないという手段だった。』
とあります。
『自分のいのち』が第三者の他人に管理されているのです。
いつ死刑が執行されるかと思いながら毎日を過ごすことは人間の限界を超えています。
また、死刑を執行する側の人間も人としての限度を越えています。
渡邊普相の言葉で『本人が執行されても、幸せになった人間は、誰ひとりもいません』とあります。
そのとおりだと思います。

日本は主要先進国で死刑制度を維持する数少ない国の一つです。
2014年11月の内閣府世論調査では『死刑もやむを得ない』が80.3%、
『死刑は廃止すべき』が9.7%、『わからない・一概に言えない』が9.9%との結果が
出ています。

『死刑もやむを得ない』という意見に賛成する理由について、
日本弁護士連合会のパンフレット『死刑制度いる?いらない?』によれば、
(ア)凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ
(イ)死刑を廃止すれば、被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない
(ウ)死刑を廃止すれば、凶悪な犯罪が増える
(エ)凶悪な犯罪を犯す人は生かしておくと、また同じような犯罪を犯す危険がある
とあります。

終身刑では治まらず死刑制度を実施している日本は、このまま進むべきなのでしょうか?
是非、読んで考えて見て下さい。

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死刑とは?社会とは?

2022/03/21 17:04

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:けんけん - この投稿者のレビュー一覧を見る

死刑について、テレビでは、事件の大きさと刑の重さのみの報道がほとんどだが、その裏には、刑務官を始め、様々な人が関わっている。教誨師への丹念な取材は、そうした人々の葛藤と、本当にこの社会で良いのかと問うているような気がしてならない。
死刑とは何か、社会とはどうあるべきかを考えさせられる。

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感動しました。

2020/06/11 17:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者の堀川惠子さんが好きで何冊目かの本です。
教誨師の存在は知っていましたが、この本を読んで、改めて感動いたしました。

宗教家だから出来るという訳ではなくて、想像を超えたストレスとの闘いであります。

後半で、教誨師 渡邉普相氏の、人間的な面も披露されますが、ご本人が仰ってると

うり、考えすぎても無理なんでしょうね。

相手は『死刑囚』という名の生身の人間ですよ。

死刑制度も考えなくてはなりません。

執行する人も生身の人間ですよ。

合法的な殺人を仕事とはいえ、強制される刑務官。

本書をきっかけに、教誨師、刑務官の仕事を、

我々の安全な社会生活を守ってくださっている方々の、壮絶な仕事の内容を

多くの人に知っていただきたいと思いました。

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大杉漣さん

2018/10/07 13:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

初プロデュースで遺作?となる作品が本書と同じ「教誨師」という題名で、大杉漣さん自身が教誨師を演じていらっしゃいます。
映画を見た後、是非読みたい一冊だなと思います。

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死と向き合う

2020/04/20 18:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

死刑を宣告された人たちと、ひとりの教誨師との対話が静謐です。犯した罪を憎むだけでなく、残された時間を受け入れることも考えさせられます。

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考えさせられます

2019/01/05 14:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:debdeme - この投稿者のレビュー一覧を見る

死刑制度がこの国に存在する以上、死刑制度について考え続けることが大切なのではないかと。それと同時に、そもそもなぜその犯罪が起きたのか?その犯罪の裏にある背景にも注目です。

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死刑

2018/12/07 19:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る

死刑について考えるいいきっかけになったと思います。死刑について、あまり知る機会がなかったので、読めてよかったです。

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2018/04/11 14:22

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2019/01/23 23:27

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2018/09/27 14:07

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2018/05/17 00:33

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2018/06/14 17:46

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2018/08/05 14:08

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2019/03/22 21:46

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