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美由紀のド迫力
2019/07/27 21:22
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
京極氏の初読み作品です。刀で斬り殺されるという連続無差別殺人の真相を追う、女性記者の中禅寺敦子と親友を殺された呉美由紀は、犯罪と血縁との架空の因果関係を造り出す「因縁」を炙り出すという裏テーマに挑んでいきます。その因縁が妖刀を生み出し、人を鬼に化けさせるという「恐さ」を精緻なタッチで描いています。終戦前後の陰鬱な時代を背景とした猟奇的連続殺人を、呪われた血縁とからめながら描く筆致は、横溝正史も彷彿とさせ、個人的には大変面白かったです。中でも、ラストの大人達を叱責する、美由紀のド迫力は印象に残りました。
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古書店主で神主の中禅寺秋彦の妹敦子が活躍する
2024/04/16 23:41
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
長編京極堂シリーズのサイドストーリーで、古書店主で神主の中禅寺秋彦の妹敦子が活躍する。ストーリーでちょいちょい本編の話が出てくるので、先にそっちを読んでおいた方がいい。読んでいなくても十分に楽しめると思うが。
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【ネタばれ】鬼の正体は
2019/09/28 15:22
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投稿者:KazT - この投稿者のレビュー一覧を見る
中善寺敦子と「絡新婦の理」に登場した呉美由紀が、連続通り魔「昭和の辻斬り」の謎を解きます。
京極堂は登場しませんが、事件の謎も複雑ではなくて京極堂が登場するまでもなく、途中で犯人が予想できてしまうかもしれません。
鬼とは何か、「ヒトごろし」を読んだ人は、刀とお涼の話が出てきたところで、すぐ気づいたでしょうか?
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美由紀ちゃん、Good!
2019/07/19 23:13
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
まごうことなき京極堂の物語なんだけど、内容的には短編。中に書いてあるとおり、登場人物が少ないので、真相はすぐに割れるんだけど、美由紀ちゃんのキャラクターで引っ張る。美由紀ちゃん、いいじゃん。『河童』にも期待。
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呉美由紀が出ています。
2019/07/12 09:25
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投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『百鬼夜行』シリーズの登場人物の一人だった呉美由紀ちゃんが出てきます。ともに謎に迫るのは、京極堂や榎木津、関口ではなくて、敦子ちゃん。『ヒトごろし』と意外な接点を持ちます
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百鬼夜行シリーズでは最薄…?w
2019/06/27 23:44
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投稿者:たけとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
どの章も同じセリフで始まるのも面白かったけど、もしかして「ヒトごろし」とリンクしてる?(分厚すぎてまだ読んでいない) シリーズは「絡新婦の理」までしか読めていないので、時々出てくる兄の話がどの事件か分からないのだけれど、完全に外伝なので知らなくても大丈夫だった。事件そのものはもう終わっていて、関係者の話を聞いたり調べたりして真相に迫っていく話。推理は敦子ちゃんがやって、美由紀ちゃんの最後のアレがとても良かった。憑き物落としに似て全然違う感じなのも面白かった。
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"迚"は国字である。漢字ではないので白川先生の字通には出てこない。国字は何となく意味合いを感じるものがままあるが、"迚"は”怖い”に良く合っているような気がするのである。辞書などで”とても~ない”と否定的な使い方をするのが一番に出てくる否定的な国字である。
「今昔百鬼拾遺」はwikiによると、安永10年に刊行された鳥山石燕の妖怪画集である。「画図百鬼夜行」「今昔画図続百鬼」の続編にあたる。
さて「鬼」である。鬼の土方が使った刀が登場する。物語が進むにつれその来歴が明かされていく。まるで土方の鬼が刀に乗り移り、刀の鬼が人を切らせたかのように思えてくる。しかし、刀は人を切るために作られたものであり、刀が切る人をつくった訳ではない。すべては人の仕業である。鬼ではなく人である。そこが、迚も怖い・・・のである。血の因縁が描かれる。切られる定めにある血筋。しかし、そんな血筋があるわけもなく、単なる偶然である。偶然なのに次々と切られるのが迚も怖い。
鬼が怖いのでなく、怖いから鬼の登場である。しかし、やはり人間の仕業なので、益々迚も怖いのである。
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シリーズ最新作……に、なるのだろうか。どちらかというとスピンオフに近い立ち位置で、探偵役を務めるのは中禅寺秋彦の妹・中禅寺敦子である。
一読した感じ、既刊を読んでいることを前提としているように思う。まぁ、本書から京極夏彦を読んでみようという人もあんまりいなさそうなので、これでいいのだろう(しかし折角新しいレーベルから出るのだから、全く新しいシリーズでも良かったよような)。
しかし久しぶりに読むとあの長ったらしい蘊蓄が恋しくなるなぁ。本編(?)の新刊は予定があるのだろうか……?
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・一知半解(いっちはんかい)物事の理解のしかたが中途半端なこと。なまかじりの知識。
・糊塗(こと)一時しのぎにごまかすこと。その場をとりつくろうこと。
・矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)いろいろな方からよく見るさま。
・普く(あまねく)すべてに広く行き渡るさま。すみずみまで。漏れなく。
・鵜の目鷹の目 鵜が魚を追い鷹が獲物をさがすときの目のように、鋭いまなざしでものをさがし出そうとするさま。
・矢庭 矢を射ているその場。
・諱(いみな) 生前の徳行によって死後に贈る称号。身分の高い人の実名。生存中は呼ぶことをはばかった。
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今昔百鬼拾遺の第1弾。
初京極夏彦です。
面白かった~。とても難しい漢字がたくさんありました。
これはこの小説のためにそうされているのか、他の作品でもそうなのかはわかりませんが。
最初はいったいどうなっていくのか、どこへ連れていかれるのか、まったくわかりませんでした。
でもどんどん謎が解けていくのがとても面白かったです。
来月第2弾の河童が出ます。それももちろん読みます!
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京極堂シリーズのスピンオフ、「今昔百鬼拾遺」第一作目。
京極堂の妹・中禅寺敦子と、『絡新婦の理』に登場した呉美由紀の二人が、連続辻斬り事件の真相に迫ります。
久々の京極堂ワールドと、『ヒトごろし』とのリンクもあり、京極ファンには堪らない仕上がりとなっております。
敦子も美由紀もcleverな女子なので、彼女達の言動は小気味良く、とくに本書ラストでの美由紀の啖呵(?)はカッコよかったです。
二作目と三作目も読むのが楽しみです。
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連続通り魔事件の犯人は、そして真相は?
そこに事実らしきものはあるけれど、真実は…分からない。因縁らしきものはあるけれど…どう繋がってそうなるのかはよく分からない。
それでも、明日に向き合って生きていく人が、それぞれの明日を決めていくのだ。
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京極作品には珍しくページ数が少ない。中禅寺敦子のファンなので、彼女が主人公なのは歓迎。百鬼夜行シリーズ本編よりはマイルドな展開。人間関係が複雑で、途中からわからなくなったが、謎解きはシンプル。本編を読んでいるとちょっとだけニヤッとできる。
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「今昔百鬼拾遺」シリーズの3ヶ月連続刊行祭り第1弾。
京極堂の妹、中禅寺敦子が主役で、『絡新婦の理』の呉美由紀が再登場。本1冊分ではあるが、この著者にしてみれば短編といえる。
刀で殺傷する連続通り魔事件の最後の被害者の友人であった美由紀は、彼女が自分の死を予見するような発言をしていたことから事件に疑問を持ち、相談を受けた敦子はともに解明に乗り出す。
呉美由紀が出るなら敦子より榎木津と絡ませてほしかったと思ったが、ラストの彼女の見せ場で納得した。『絡新婦〜』の時も思ったけど、やはりこの子は好きだ。
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主人公があっちゃんという事で、正しく展開されていたと思う。主人公があっちゃんだから。
でも、もうちょっとこう……灰汁のような、いつもの展開を勝手に期待していた分物足りなさを感じてしまった。読み終わってから、主人公が京極道や探偵じゃないんだから当然か、と納得はした。
シリーズとして毎月1冊ずつ出るようだけど、残りの2冊は……ちょっと迷う。