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この奇跡を多くの人に目撃して欲しい
2019/08/31 09:54
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投稿者:mino - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日初めて国立西洋美術館に足を運んだ。どうやらモネが観られる様だという期待とル・コルビジェが設計した美術館をついに訪れたという想いしか持たずに。それ故、松方コレクションに触れた衝撃は大きかった。壮絶なドラマに心を打たれた。開館60年、ここにくるまでにどれだけの人々が尽力したのか。名作の数々…。今や世界で最も有名な絵画の一つである『アルルの寝室』もかつてその一部だったとは。帰宅後、奇跡のコレクションをマハさんが本にしていたと知った。この奇跡を多くの人に知ってもらいたい。そして目撃して欲しいと強く願っている。
私たちが名画を鑑賞できるのは
2019/07/11 17:31
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第161回直木賞候補作。(2019年)
巻末に「この物語は史実に基づくフィクション」とある。
登場人物の誰がフィクションなのか詳しくはわからないが、上野にある国立西洋美術館の礎を作った、いわゆる「松方コレクション」の生みの親松方幸次郎はそのままの名前で登場する。
主人公的な存在として描かれる美術研究者田代雄一だけは名前を変えられて描かれている。
そのモデルは美術史家の矢代幸雄と思われる。
モデル探しをしているのではない。
この長編小説に描かれた世界そのものを読者は堪能すればいいのだし、「松方コレクション」がどのような意図で生まれてき、戦火の中をどのように生き、戦後日本に戻った経緯を、スリリングな物語として読み切ればいい。
松方幸次郎が絵画を買い集めた理由を、「欧米に負けない美術館を日本に創り、そこにほんものの名画を展示して、日本の画家たち、ひいては青少年の教育に役立てたいと願ったから」と、この物語で記される。
もっとも松方はもともとそういう高尚な考えを持っていたわけではない。
松方の心をひきつけた絵画(タブロー)があったからだし、この作品の中でしばしば具体的な作者と作品名をあげてその前で心を揺さぶられる登場人物の姿を、原田マハさんは描いている。
絵画(タブロー)の前で敬虔な気持ちで立ち尽くす人たち。そんな人物を描かせれば原田さん以上の書き手は今はいないのではないだろうか。
アート小説として、この作品は今までになく重厚な構成で作品の奥深さを感じた。
単行本の表紙装画がいせひでこさんの作品だということを書き加えておく。
芸術作品を日本に
2024/06/02 18:35
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投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本のために西洋の美術作品を買い集めた人がいたこと、そしてそのコレクションのために仕事をした人たちがいた。この人たちの心と行動力に感動した!さすが原田マハさんの作品は、おもしろい!
松方コレクションの秘密と守り抜いた人たち
2019/10/24 21:40
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投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルの通りです。史実を基にしたフィクションもすっかりドキュメンタリーで、ノンフィクションと思わせる。さすがマハさん!!色々言う人もいるかもしれませんが、「想い」は事実です!!当時の日本の背景も勉強になります。
松方
2019/09/04 20:03
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
松方コレクションという存在は知っていましたが、そのことについての話に、ぐいぐい引きつけられて読み上げました。それほど昔の事ではないのだけど、今とは全く違った状況の中、作品を収集する事の難しさに感動しました。
本物の芸術を日本へ
2019/07/27 19:29
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大戦前、西洋芸術にまだ昏かった日本国民に本物の西洋芸術を見せたいと一大コレクションを築いた松方幸次郎と、
戦中、コレクションを守った男と、
戦後すぐ、そのコレクションを取り戻すために奔走した男たちの話。
テンポのいいストリー展開と、使命感あふれる男たちのお話。
史実に基づくフィクションはいいが…
2022/03/23 15:15
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投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞候補にもなった作品。原田マハさんらしく、読みやすい美術小説。
ただ中途半端に美術の知識がある読者にとっては心なしか違和感が。実在する人物を登場させてのフィクションであるがゆえの分かりにくさがある。
フィクションでなければ書けない真実や本質もあるだろう。
ならばもっと踏み外した完全フィクションにするか、ノンフィクションで書いた方が面白かったのではないか、とも思える。
筆者が一番伝えたかった/読者に感じてほしかったのは何だろう。
この中途半端な感じが直木賞選考委員の「何が言いたいのか分からない」との評につながったのではないかという気もした。