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陽気なギャング みんなのレビュー

  • 伊坂幸太郎
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みんなのレビュー75件

みんなの評価4.3

評価内訳

79 件中 1 件~ 15 件を表示
陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2015/10/11 17:17

待望の新作!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る

まってましたーー。前作から9年かあ。そりゃ慎一も大きくなるよなー。響さんの演説やっぱ好き。今回も聴けてよかった。回数は多くないけれど。久遠、あんなに動物の知識あったっけ?9年の間、いろいろ勉強してたんだな。成瀬も雪子も祥子さんも相変わらずでうれしかった。スピード感あるお話にのめり込むのはもちろんで、胸くそ悪い敵にきりきりするのももちろんなんだけど、この4人に会えたことがうれしすぎて、話が二の次になってしまった。また時間あけて、再読しよう。こんどは物語をじっくり味わうために。さて、ロマンはどこだーー!

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陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

2009/09/12 15:39

安心して薦められる、伊坂作品の入門書

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YO-SHI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「長編サスペンス」と紹介されているが、私にはライトなコメディに思えた。現場で必ず演説をぶつ銀行強盗なんて、コメディでなければ何だというのだろう。そう、本書は銀行強盗の話。それも何とも軽いノリの4人組の銀行強盗が主人公。それでいて成功率は100%だ。

 演説をぶつのは響野。口から出るのはウソばかりという男。でも仲間を裏切ることはしないし、自分にウソは付かない。真っ直ぐなヤツなのだ。彼の昔からの友人でもある成瀬はウソを見抜く名人。ウソつきとウソを見抜く名人の組み合わせとは相性が悪い、いや逆に抜群に良いのだろう、2人のコンビは息が合っていて最高だ。
 この2人に久遠と雪子の4人組、それと響野の妻や雪子の息子らが、組み合わせを変えて登場する短めの場面がドンドン展開していく。テンポが良くて会話が面白いのでアッと言う間に読み進んでしまう。映画化されたのだが、映画の長さは90分あまり。あとがきによると、著者がそのくらいの長さの映画が体質にあっていると言い、ふと「そういうものが読みたくなり」書いた話らしい。コンパクトな話なのは、著者自身の狙いでもあったわけだ。

 伊坂作品の中で最初に読むとしたらこの本が良いと思う。なぜなら本書は読者を選ばない。会話は面白いし、伏線は活きている。でも伏線の複雑さはホドホド、ついでに不思議さもホドホド、悪意や暴力もホドホド。伊坂作品の特長がホドホドに入っていて、万人に受ける。入門編として最適だ。
 

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陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す

2006/07/28 23:21

素直に楽しめるエンターテインメント

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:T.O. - この投稿者のレビュー一覧を見る

 いい感じに仕上がったエンターテインメント。素直に楽しめる作品です。伊坂幸太郎の作品の中では、今まで読んだ中で一番面白いくらいじゃないかな、という気がします。
 それぞれ「特技」を持った4人が、銀行強盗をしていく話です。伊坂作品の中では初期の作品ですが、軽いタッチで、エンターテインメントに徹して書かれています。昔、映画で、ポール・ニューマンと、ロバート・レッドフォードが主演した「スティング」というのがありましたが、あの感じを思い出しました。読んでいて最後が気になって途中でやめられず、用事を先に延ばして読み終えました。
 伊坂幸太郎の作品は、ミステリー的な要素もあるせいか、結構、殺人事件やら暴力事件やらが起こりますが、あとの作品になるほど、「残虐だな」と感じる要素が少しばかり強くなるように思います。たとえば『アヒルと鴨のコインロッカー』とか『重力ピエロ』とか『グラスホッパー』とか。『砂漠』もそうでした。それは、そういう「残虐な風潮」に対する怒りや、それを許さない、という伊坂幸太郎のメッセージがあるからなのでしょうが、でも、そういう場面では、ちょっと、読んでいて辛いときがあります。そしてその辛さが、読んでいる間ずっとヒリヒリする感じとなってついて回るように思います。
 でもこの作品は、そういうヒリヒリした要素は少なくて、楽しめました。おススメかな、と思います。

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陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

2006/08/12 23:01

ロマンはどこだ。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

一癖も二癖もある個性を持つ4人組が主役のこの作品、コミカルでテンポの良い粋な会話にあっという間に魅了される。
読む手は止まらないのに、読み終わるのがもったいない。
色濃く張られた伏線はラストを想像させてしまうものではあるが、最後カチッと一つにハマるところは見事であり、爽快な読了感をもたらす。
「謎解き」という要素は薄いので、ミステリー好きには物足りないかもしれないが、苦手な人でもすんなり読める良作であろう。
この作者の他の作品とは少し雰囲気の違う作品ではあるが、作者の知識量(もしくは参考文献の多さ)だろうか、他作品と同様に安心して読める文章である。

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最近の伊坂さんに陽気なギャング

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nyo - この投稿者のレビュー一覧を見る

最近の伊坂さん作品に、以前のような歓びがないと感じている読者は、悲しいことに少なくないんじゃないでしょうか。
読後にエッと思ったり、途中が苦痛だったり…。あとがきを読むと、伊坂さんは楽しみながら書いておられるようで、多くの読者が好きな、脱線した会話のアクセントが伏線になってきもちよく収束していく、そういう風呂敷のうつくしさを目指さない楽しみを、感じておられるのではないかと思つのです。でもそれこそ、伊坂作品に求める感激だったんですよね私にとっては。
そんなささやかな失恋の中で、大好きなシリーズの新作が出るという。
発売日を楽しみに待った作品は久しぶりです。
けれど好きなシリーズだっただけに、それがきもちよくおもしろく読めなかったらどうしようという怖れもありました。しかしそれは杞憂でした。
伏線が絡み合い、美しく、そしてきもちよく。痛快にまとまっていきました。しかも、なるほどこれは伏線になるだろうなと感じさせないアクセントが伏線になっていて、そして収束していきました。これは、本を読む歓びのひとつではないでしょうか。きもちよく本を閉じる、あるいは本を閉じることが惜しくなるそんな美しい風呂敷です。とても面白かった。最近、伊坂さん読んでないんだよなぁという方にぜひおすすめです。

響野さんが、ちょっと、ダメキャラ扱われすぎてるかんじなのがちょっとな…気になりましたがこんなもんだったかもしれない。よくわからない。

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陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す

2005/11/29 20:45

ハイテンポな知恵比べが爽快な、都会派ギャング・サスペンス!

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る

やっぱり伊坂幸太郎は天才!!めちゃめちゃ面白かったです!
銀行強盗を計画する4人組が主人公。リーダー成瀬は嘘を見抜く名人、天才スリ久遠、演説の達人響野、紅一点、精確な体内時計をもつ雪子。
彼らは百発百中㊥の銀行強盗だった…はずが、その日のヤマに思わぬ誤算が!
それからトラブルは連鎖!
ハイテンポな知恵比べが爽快な、都会派ギャング・サスペンス!
マジお勧めです☆

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陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す

2004/06/18 08:42

かつてこんなに楽しいな犯罪小説があったであろうか?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂幸太郎の作品ってほとんどが仙台が舞台だが本作は横浜が舞台である。
持ち前の“軽妙洒脱な会話”と“緻密な構成”で持って多くのファンを獲得した氏の作品においては遊び心満載のエンターテイメント作品となっている。

今や読者を本に没頭させてくれる力は他のどの作家にも引けをとらない。

個性的な4人のギャングたち。
タイトル通り本当に人生いろいろあっても“陽気”である。
強盗する銀行内の人間を「スピッツ」「シェパード」「グレート・デン」「ゴールデン・リトリバー」にたとえて呼んでるあたりはもっとも伊坂さんらしくてしっくり来る感じだ。
上手くいったはずの銀行強盗がとんでもないことに巻き込まれるのであるが、あいかわらずプロット作りはいろんな伏線を含めて巧妙である。

特に紅一点である雪子の存在感が大きく物語全体をより一層スケールの大きい物としている。

少し余談であるが、彼女が息子・慎一の父親(ここではダメ男の典型として描かれています)である地道に協力する筋書きは情の深さを垣間見た感じがしました。
少しは更生してほしいなあと思われた方も多いと思う。

伊坂作品に共通する“読後の爽快感”って一体何なんだろう?
きっと登場人物ひとりひとり(脇役も含めて)に伊坂さんの覇気が乗り移ってるのが1番の要因だと思う。
本作なんか犯罪小説なんだけど罪悪感を感じて読まれた方は皆無じゃないかな。

作者があとがきで次のように書かれている。「90分くらいの映画が好きです。」
ファンはきっと結論としては「90分の映画より先生の小説の方が好きです。続編希望!」とリプライするであろう。

それにしても新書で書き下ろし作品なんて今後はちょっと考えられないでしょうね(笑)
“何も考えずにスピード感溢れる本作を楽しんで欲しい”というのが私の本音である。

トラキチのブックレビュー

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陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

2012/01/13 14:49

合言葉は「ロマンはどこだ?!」

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『グラスホッパー』や『チルドレン』を読んで、もっと伊坂幸太郎作品を読みたいと思って手に取った作品。『ゴールデンスランバー』が2008年度本屋大賞を受賞した余韻か、本屋には伊坂幸太郎コーナーがあり、次に読む作品を選ぶのに全く困らなかった。

そして今回手にとってみたのがこの『陽気なギャングは地球を回す』だ。並べられている伊坂作品を見比べて、本作品を手に取った一番の理由は「タイトルに惹かれた」から。『陽気なギャングは地球を回す』だなんて、痛快な結末を迎えられそうで、わくわくするじゃないかその読みは大当たり。ドキドキハラハラのサスペンスでありながら、読了後はスカッとした気分になる。映画化されDVDも発売されているようなので、映像でも是非、観てみたい。映画公式サイトはコチラ。



物語の主役は銀行強盗四人組。リーダーは、嘘を100%見抜く冷静沈着な論理派・成瀬。表の顔は真面目な公務員。 成瀬の昔からの友人で演説の達人・響野。彼の昼間の顔は喫茶店のマスター。 動物と自然をこよなく愛する青年・久遠はスリの天才。 紅一点の雪子はコンマ1秒単位の精確な時計を体内に持つ、ドライビングテクニック抜群の一児の母。

4人の銀行強盗のポリシーは「人を傷付けない」こと。成瀬の理論的で完璧な銀行強盗プランにのっとり実行される犯行の勝率は10割。強盗劇スタートの合言葉は響野の「ロマンはどこだ」だ。

しかしある日、せっかくの「売上」を逃走中に奪われるという予想外の事態が起こる。売上を奪取したのは近くで活動中の現金輸送車襲撃犯グループだった。

残された僅かな手がかりを元に、四人は「売上」の奪還に乗り出す。



銀行強盗の視点から描かれるサスペンスを読むのは初めてのような気がする。けれどよくよく考えてみれば、怪盗や窃盗グループが主役の作品はそう珍しくはない。『アルセーヌ・ルパン』シリーズに始まり、映画ならば『オーシャンズ11』シリーズ、アニメの『ルパン3世』もこのグループに属すると言えるだろう。

これらの作品に共通して言えるのは、1無暗に人を傷つけないこと 2弱者を狙わないこと 3どこか憎めないキャラクターであること 4ロマンがあること。そしてこれらの点は、この『陽気なギャングは地球を回す』にも共通している。

物語は主人公四人による多視点型で進められる。多視点型による進行は『グラスホッパー』に見受けられる。伊坂幸太郎という作家は多視点型の手法を得意としているのだろうか。わたしはこの多視点型が気に入っている。複数の視点からによる物語へのアプローチは、物語の全体像を把握させてくれる。ある一人の視点で進められる文章の中にはもちろん他の三名が登場し、その視点の一名が他のメンバーに持つ感情なども表わされるため、物語に奥行を演出している。

さて、物語の展開はとてもスピーディー。四人による論理的な銀行強盗劇だけでなく、彼らから「売上」を奪取した現金輸送車襲撃グループへの仕返しも見物となっている。

物語とは、主となる核が走っていて、その核を中心に細部の肉付けがされているものだとわたしは思う。もちろん、核となるストーリーが読み応えのあるものであることは必須なのだけれど、わたしはその物語の中心をとりまく細部によく注目してしまう。それは、登場人物による小さな小競り合いであるとか、屁理屈や、無駄に感じる読者もいるかもしれない小道具であったり、突然登場オヤジギャグであったりもする。

そういった細部がこまかな作品は読んでいて飽きないし、何度も読み返したくなる。この作品もそういった類に入るが、スリルとドキドキ感が売りのサスペンスは結末が解っていては楽しさが少し減ってしまうので、読み返す間隔は大分あってもいいかな。

と、たらたらと書いてしまったが、『陽気なギャングは地球を回す』はとてもシンプル。「悪は必ず罰せられる」という王道を行っている。王道なのに飽きない、これは愛される作品に共通して言えることなのかもしれない。


ドキドキ感を味わいたいけれど、最後にはスカっとしたい人にお勧めの作品。合言葉はもちろん、「ロマンはどこだ」!

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陽気なギャングは三つ数えろ

陽気なギャングは三つ数えろ

2020/04/23 12:25

スピーディーで爽快!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あおたいがー - この投稿者のレビュー一覧を見る

ただ純粋に読んでいて楽しい!!
シリーズとおしてスピーディーな展開で読みやすいし、騙されるのも快感なので、深く考えながらじゃなくて、その場のノリを楽しみながら読み進められた。

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陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2016/03/26 07:57

陽気にもほどがある

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:PPM - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂さん作品のなかでも、こちらのシリーズが好きなのですぐ買いまいましたが、あらすじを読むにハラハラのいやな展開しか想像できず、ギャングたちの辛い様子が頭に浮かんでなかなか手を出せませんでした。
しかし読んで脱力、もう、4人のノリが軽くて軽くて、ぜんぜん悲壮感とか漂いません。書き方によっては暗くすることもできる展開なのに・・・すごいキャラたちです。そしていつも通り、え?おお?と思っているうちに、とっても楽しく読み終わりました。勇気を出して(笑)読んでよかったー。

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陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2015/11/02 23:32

最新作

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FUMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

それぞれのキャラクターがブレていないのが良かった。
 かなり危機的状況に陥っている割に、あの4人のキャラクターがあまり危機的に感じさせないところが面白かった。

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陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す

2003/10/11 15:56

隠すなら木は森に、本音は妄言に。響く言葉。エンタメ王道。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「不可能」が「可能」な間に駆け抜ける、迅速銀行強盗。
四人は最強チーム。

【なるせ】成瀬
「人生を予習してある」かのような、冷静沈着なリーダー。
歩く嘘発見器。市役所勤務。
  「いいか、よく聞いておけよ」まるでその一言でこの世の
  すべての法則を証明できるとでも言うような自信満々の
  声だった。「あいつは私の友人だ」と成瀬を指さす。
  (——P204)

【ゆきこ】雪子
退路確保担当。体内時計は正確無比。息子慎一、溺愛中。
   目の前の信号が青に変わる。車の進行を誘導していくよう
  にも見える。信号のランプが次々に切り替わる。体内の時計が
  示すとおりの動きだった。(——P065)

【くおん】久遠
無邪気に。野蛮に。天才スリ青年。動物は友達、夢は羊の国行き。
  「これがまさに本当の劇場型犯罪だよ」(——P139)
  リスクのない暴力の何が楽しいのか。(——P154)

【きょうの】響野
沈黙で窒息するタイプ。演説の名手。言葉は煙幕。自称喫茶店経営。
  弱肉強食ってのは食物連鎖に参加している者たちが
  口にする台詞だよ。自分が死んでも、誰の餌にも
  ならないような中学生が、食っても美味くもないような
  中学生が『弱肉強食』なんて言う権利はないんだよ」
  (——P122)

四人はもちろん脇役まで、印象的なキャラクターの見本市。
その中から一人選ぶなら、響野。

木を隠すなら森の中、本音は膨大な妄言の中。

最も発言が多く、最も言葉が残らない男。
本音を真顔で話しても、照れずに済む方法を見つけた男。
軽快でお洒落な会話で一気に読ませる本書に、欠かせない魅力。

彼の存在はきっと、著者の伊坂さんが、
「書くこと」「読むこと」「読んでもらうこと」を
全て真剣に楽しんだ証。

つくづく、伊坂さんは生来のエンターテナーだと実感した一冊。

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陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す

2003/08/01 10:17

息もつかせぬ展開でした!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すずか - この投稿者のレビュー一覧を見る

この方の作品は、実は初めて読んだんですけど、
本当に凄く面白かったです。

登場人物もみんな個性的だし、次々にとんでもない展開で、
事件がドミノ倒しのように次々に起こる感じで。
最後は見事にどんでん返し、でも、最初からきちんと伏線が張られていて
やられた! と思いました。
アクション映画みたいにスピーディな展開で、一気に読むのがオススメです。

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陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2015/11/15 18:44

期待通りの楽しさ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なおみん - この投稿者のレビュー一覧を見る

楽しみにしているシリーズなので、新刊案内もらってすぐ、本屋に直行、ワクワクして読み、あっと言う間に読み終えました。(レビュー書くのは遅くなりましたが…(^_^;))
 超個性的なキャラの登場人物たちに三たび出会えてうれしかったです。もっと量産してほしいです!

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陽気なギャングが地球を回す

陽気なギャングが地球を回す

2003/07/05 21:35

やっぱ、『重力ピエロ』の一見文学風、ってのにクラクラするのはわかるけど、伊坂の本音が見えるのは、こっちでしょ。肩肘張らずに、楽しもうよ

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ま、あんまりにも『重力ピエロ』の評判が高いと、違うんじゃあないの、って思うわけね。確かに、文学的な香があって、単なる謎解きではなくてとは言えるんだけど、でもあの手のレベルの話なら、ね。そこで私は、伊坂最大の問題作『オーデュボンの祈り』について書こうと思ったですよ。ところが、これが今は絶版状態。ま、文庫に切り替わる時期なんでしょうね。書評を投稿できない。うーむ、とね。で、それなら、筋立ては、ありふれているけれど伏線の張り方が見事で、コンゲーム小説の手本みたいな新作について書くぞ、はい。

この話の中心にいるのが、嘘を見抜く天才で市役所の係長の成瀬37歳。息子のタダシは自閉症。離婚中。性格は素直で好青年でスリの天才というのが久遠、20歳。人にものを教えるのが大好きな、おしゃべり薀蓄男が郷野。彼が慎一に披露する数学の問題に思わず感心。慎一は、いじめられるかもしれない、と思っている中学生。母の雪子は、精巧な体内時計を持っている。地道というギャンブル好きの10歳年上の男と高校時代に付き合い、慎一を産んだ。合鍵作りの天才でハッカーの田中。

そんな仲間たちが計画した銀行強盗。求めるのはロマン。利子も払わなければ、保管についても全額保障をしようとしない銀行を懲らしめることは悪いことではない、というのが彼らの考え。だから、ショーとしての強盗。成功率を上げるコツは、シンプルに奪って逃げる。その間に警報装置は押させない。そうすれば銀行だってその辺の酒屋と変わらない。そんな百%確実なはずの計画が、なぜか奇妙に捩れ始めて。

ここまでにしておく。池上冬樹の「こんなに文章が面白くて、お喋りが楽しくて、キャラクターがおかしくてい、しかもプロットが巧んでいる小説」「和製ウェストレイクか和製ブロック」「結城昌治の再来」という言葉を読めば、全体はイメージできる。全四章だけれど、各章のタイトルも書かない。頁を順に繰っていって自然に楽しんで欲しい。何といっても各章の組み立て、構成が洒落ている。その部分の中心人物の名前と番号、それにちょっと笑える、伊坂オリジナルの辞典が付いていて、そこを読むだけでも、作家の才気を味わえる。伊坂はあとがきで、90分くらいの映画が好きだと書いているけれど、ちょうど2時間から3時間で読み終わるこの本は、その小説版とでも言ったらいいのだろうか。

今回、自分の常識を反省したのが自閉症について。自閉症は「中枢神経の障害」であって、語感がイメージさせる「家で閉じこもっているくらい病気」ではない。はっきり言って、「自閉症」という言葉を直すほうがいいのではないかとも思う。自閉症の人は「人間の曖昧な部分が嫌いな性格」「そして人より物事に敏感」で、結果としてスケジュールについてうるさかったり、ものの位置や歩くルートに拘ったり、中途半端な質問が嫌いだったりするという。その症状の把握は、比較的最近のことで、1943年に雑誌に発表されたらしい。目からウロコ、ボロボロ。そうか、私の夫は自閉症か、と納得。

話の先が読めて、魅力的に見えていた登場人物たちが、久遠を除いて皆色褪せていくのが嫌だ。何で、こんな下らない男を殺さない、と思いもする。でも、それは私だけらしい。長女は、口先男の郷野が嫌いではないし、成瀬も悪くはないという。ま、私も久遠青年の性格のよさには、クラッっとするけれど。人間には不満もあるけれど、伏線の張り方は見事。もし伊坂の話に欠点があるとすれば、作者が話の先を読まれることを気にしていないことだろうか。ま、そういう意味で『オーデュボンの祈り』は、お先真っ暗で見事だった。

ということで明日は、先が見えても、それなりに読まされてしまう、人それを傑作という(鮎川哲也風でしょ)『重力ピエロ』について書く、つもり。

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