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陽気なギャング みんなのレビュー

  • 伊坂幸太郎
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みんなのレビュー75件

みんなの評価4.3

評価内訳

79 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

紙の本陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2019/07/31 21:22

シリーズ中

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る

一番好きなタイトル(題名)良いセンスしてる。
雪子がやっぱりかっこいい。もう良い歳なんだろうけどそんなことはどうでもいい。
んで久遠、動物の絵だけリアルって何それ羨ましい。

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紙の本

陽気なギャングの日常と襲撃 長編サスペンス

紙の本陽気なギャングの日常と襲撃 長編サスペンス

2019/02/26 22:52

やっと2作目読めたー

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る

1作目が面白かったのでずっと読みたいと思っていました。
良い意味で予定調和(?)なのが楽しいです。3作目も読むぞー。

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紙の本

陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

紙の本陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

2018/06/22 19:37

ライトな感じ。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリっぽくはしているものの、どれもすんなり予想出来る範囲のものです。
それよりもエンタメ性が強いですね。楽しく読むことが出来ます。
映画版も観てみたいです。

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紙の本

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

紙の本陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2016/11/07 12:52

陽気なギャングは三つ数えろ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:によ - この投稿者のレビュー一覧を見る

うはははは!!さいっっこうだ!!スカッとした!!
エンタテイメントだねっ、もう、笑いとスリル満点のエンタテイメント!!

大好きな4人組の、1・2作目と変わらない(年は経ているけど、でも根本的に変わらない)やりとりににやにやしたり爆笑したり、振り回される陽気なギャングたちに、更にいいだけ振り回されて、笑えるジェットコースターみたい!!
さすが伏線回収師・伊坂さん!!
良いだけ楽しく振り回されて、スカッと着地!気持ち良いったらありゃしない!
「ロマンはどこだ」ってね。
陽気なギャング、大好きだー!!
あー、最高におもしろかった!!

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紙の本

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

紙の本陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2016/02/28 13:44

おとなしくなったギャング

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:どや - この投稿者のレビュー一覧を見る

前作、前々作にあったハラハラドキドキ感が本作では薄れたように感じる

他人の嘘を見抜ける成瀬の予定調和で物語の謎のほとんどが回収される

小技は部分部分で出ているがあっと驚くような効果に乏しい

変わったのは著者の作風か それとも自分の嗜好か

良かったのは響野の台詞

”警察には事実を、ネットには面白い脚色を”

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紙の本

陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

紙の本陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

2012/01/13 14:49

合言葉は「ロマンはどこだ?!」

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

『グラスホッパー』や『チルドレン』を読んで、もっと伊坂幸太郎作品を読みたいと思って手に取った作品。『ゴールデンスランバー』が2008年度本屋大賞を受賞した余韻か、本屋には伊坂幸太郎コーナーがあり、次に読む作品を選ぶのに全く困らなかった。

そして今回手にとってみたのがこの『陽気なギャングは地球を回す』だ。並べられている伊坂作品を見比べて、本作品を手に取った一番の理由は「タイトルに惹かれた」から。『陽気なギャングは地球を回す』だなんて、痛快な結末を迎えられそうで、わくわくするじゃないかその読みは大当たり。ドキドキハラハラのサスペンスでありながら、読了後はスカッとした気分になる。映画化されDVDも発売されているようなので、映像でも是非、観てみたい。映画公式サイトはコチラ。



物語の主役は銀行強盗四人組。リーダーは、嘘を100%見抜く冷静沈着な論理派・成瀬。表の顔は真面目な公務員。 成瀬の昔からの友人で演説の達人・響野。彼の昼間の顔は喫茶店のマスター。 動物と自然をこよなく愛する青年・久遠はスリの天才。 紅一点の雪子はコンマ1秒単位の精確な時計を体内に持つ、ドライビングテクニック抜群の一児の母。

4人の銀行強盗のポリシーは「人を傷付けない」こと。成瀬の理論的で完璧な銀行強盗プランにのっとり実行される犯行の勝率は10割。強盗劇スタートの合言葉は響野の「ロマンはどこだ」だ。

しかしある日、せっかくの「売上」を逃走中に奪われるという予想外の事態が起こる。売上を奪取したのは近くで活動中の現金輸送車襲撃犯グループだった。

残された僅かな手がかりを元に、四人は「売上」の奪還に乗り出す。



銀行強盗の視点から描かれるサスペンスを読むのは初めてのような気がする。けれどよくよく考えてみれば、怪盗や窃盗グループが主役の作品はそう珍しくはない。『アルセーヌ・ルパン』シリーズに始まり、映画ならば『オーシャンズ11』シリーズ、アニメの『ルパン3世』もこのグループに属すると言えるだろう。

これらの作品に共通して言えるのは、1無暗に人を傷つけないこと 2弱者を狙わないこと 3どこか憎めないキャラクターであること 4ロマンがあること。そしてこれらの点は、この『陽気なギャングは地球を回す』にも共通している。

物語は主人公四人による多視点型で進められる。多視点型による進行は『グラスホッパー』に見受けられる。伊坂幸太郎という作家は多視点型の手法を得意としているのだろうか。わたしはこの多視点型が気に入っている。複数の視点からによる物語へのアプローチは、物語の全体像を把握させてくれる。ある一人の視点で進められる文章の中にはもちろん他の三名が登場し、その視点の一名が他のメンバーに持つ感情なども表わされるため、物語に奥行を演出している。

さて、物語の展開はとてもスピーディー。四人による論理的な銀行強盗劇だけでなく、彼らから「売上」を奪取した現金輸送車襲撃グループへの仕返しも見物となっている。

物語とは、主となる核が走っていて、その核を中心に細部の肉付けがされているものだとわたしは思う。もちろん、核となるストーリーが読み応えのあるものであることは必須なのだけれど、わたしはその物語の中心をとりまく細部によく注目してしまう。それは、登場人物による小さな小競り合いであるとか、屁理屈や、無駄に感じる読者もいるかもしれない小道具であったり、突然登場オヤジギャグであったりもする。

そういった細部がこまかな作品は読んでいて飽きないし、何度も読み返したくなる。この作品もそういった類に入るが、スリルとドキドキ感が売りのサスペンスは結末が解っていては楽しさが少し減ってしまうので、読み返す間隔は大分あってもいいかな。

と、たらたらと書いてしまったが、『陽気なギャングは地球を回す』はとてもシンプル。「悪は必ず罰せられる」という王道を行っている。王道なのに飽きない、これは愛される作品に共通して言えることなのかもしれない。


ドキドキ感を味わいたいけれど、最後にはスカっとしたい人にお勧めの作品。合言葉はもちろん、「ロマンはどこだ」!

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紙の本

陽気なギャングは三つ数えろ

紙の本陽気なギャングは三つ数えろ

2020/06/10 12:30

少し消化不良

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る

陽気なギャングシリーズ第3段。残念ながら前の2作の内容をあまり覚えていないため、比較はできませんが。強盗四人組の軽快な会話は相変わらず。今回は4人が強盗であることが悪質雑誌記者にバレてしまい、その記者に脅されて、さぁどうするのかというストーリー。軽ぅい読物的な感じで、構えなく読めた一方で、結末も、えっそれだけと、なんか消化不良。前作まではもう少し、四人のキャラを生かした展開でもっと楽しかった気がして、少し残念な感じでした。

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電子書籍

電子書籍陽気なギャングが地球を回す

2020/04/01 01:07

映画も見てみたい

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:akb49484800 - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂幸太郎の作品はこれで三作目。とても面白かった。映画化もしているので、次は映画も見て、続きの作品も見てみよう。

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電子書籍

電子書籍陽気なギャングは三つ数えろ

2017/07/30 12:38

軽いものが読みたい時に!

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ケイ - この投稿者のレビュー一覧を見る

シリーズ3作目。久々だったので、伊坂ワールドに入れるか心配だったが相変わらずのスピード感と読みやすさで一気読み。
でも独特の言い回しが少なかったかな。登場人物も大人になったのか。
ことば遊びが楽しみの一つだったので物足りなさも。

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紙の本

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

紙の本陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2016/04/15 01:25

まさかの続編

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:westtribe - この投稿者のレビュー一覧を見る

久々の新作。ていうかキャラのことも旧作のストーリーもほとんど忘れてました。それでもストレスなく読めるのがありがたい。

伊坂作品の中でも最もアタマをカラッポにして読めるシリーズ。ハイエナ記者との駆け引き、というのはなかなか新鮮でした。ただあまり爽快な話ではなかったな。

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紙の本

陽気なギャングが地球を回す

紙の本陽気なギャングが地球を回す

2016/03/21 07:26

個性豊かなキャラクター

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:おさる - この投稿者のレビュー一覧を見る

個性豊かなキャラクター達が
銀行強盗犯というスーパー集団だった。

どこかに謎や裏をもっている主人公達の
信頼と裏切りの想いが交錯しながら話が進みます。

著者の文体に一歩ひいたような達観した視点を
感じていましたが、同作品も同じような感覚を得ました。
罪悪感と良心(強盗犯の良心というのもおかしな話ですが)、
感情の交錯が著者の真骨頂を味わってください。

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紙の本

陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

紙の本陽気なギャングが地球を回す 長編サスペンス

2006/08/12 23:01

ロマンはどこだ。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:咲久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

一癖も二癖もある個性を持つ4人組が主役のこの作品、コミカルでテンポの良い粋な会話にあっという間に魅了される。
読む手は止まらないのに、読み終わるのがもったいない。
色濃く張られた伏線はラストを想像させてしまうものではあるが、最後カチッと一つにハマるところは見事であり、爽快な読了感をもたらす。
「謎解き」という要素は薄いので、ミステリー好きには物足りないかもしれないが、苦手な人でもすんなり読める良作であろう。
この作者の他の作品とは少し雰囲気の違う作品ではあるが、作者の知識量(もしくは参考文献の多さ)だろうか、他作品と同様に安心して読める文章である。

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紙の本

陽気なギャングが地球を回す

紙の本陽気なギャングが地球を回す

2004/06/18 08:42

かつてこんなに楽しいな犯罪小説があったであろうか?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トラキチ - この投稿者のレビュー一覧を見る

伊坂幸太郎の作品ってほとんどが仙台が舞台だが本作は横浜が舞台である。
持ち前の“軽妙洒脱な会話”と“緻密な構成”で持って多くのファンを獲得した氏の作品においては遊び心満載のエンターテイメント作品となっている。

今や読者を本に没頭させてくれる力は他のどの作家にも引けをとらない。

個性的な4人のギャングたち。
タイトル通り本当に人生いろいろあっても“陽気”である。
強盗する銀行内の人間を「スピッツ」「シェパード」「グレート・デン」「ゴールデン・リトリバー」にたとえて呼んでるあたりはもっとも伊坂さんらしくてしっくり来る感じだ。
上手くいったはずの銀行強盗がとんでもないことに巻き込まれるのであるが、あいかわらずプロット作りはいろんな伏線を含めて巧妙である。

特に紅一点である雪子の存在感が大きく物語全体をより一層スケールの大きい物としている。

少し余談であるが、彼女が息子・慎一の父親(ここではダメ男の典型として描かれています)である地道に協力する筋書きは情の深さを垣間見た感じがしました。
少しは更生してほしいなあと思われた方も多いと思う。

伊坂作品に共通する“読後の爽快感”って一体何なんだろう?
きっと登場人物ひとりひとり(脇役も含めて)に伊坂さんの覇気が乗り移ってるのが1番の要因だと思う。
本作なんか犯罪小説なんだけど罪悪感を感じて読まれた方は皆無じゃないかな。

作者があとがきで次のように書かれている。「90分くらいの映画が好きです。」
ファンはきっと結論としては「90分の映画より先生の小説の方が好きです。続編希望!」とリプライするであろう。

それにしても新書で書き下ろし作品なんて今後はちょっと考えられないでしょうね(笑)
“何も考えずにスピード感溢れる本作を楽しんで欲しい”というのが私の本音である。

トラキチのブックレビュー

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紙の本

陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

紙の本陽気なギャングは三つ数えろ 長編サスペンス書下ろし

2015/11/15 18:44

期待通りの楽しさ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なおみん - この投稿者のレビュー一覧を見る

楽しみにしているシリーズなので、新刊案内もらってすぐ、本屋に直行、ワクワクして読み、あっと言う間に読み終えました。(レビュー書くのは遅くなりましたが…(^_^;))
 超個性的なキャラの登場人物たちに三たび出会えてうれしかったです。もっと量産してほしいです!

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紙の本

陽気なギャングが地球を回す

紙の本陽気なギャングが地球を回す

2003/07/05 21:35

やっぱ、『重力ピエロ』の一見文学風、ってのにクラクラするのはわかるけど、伊坂の本音が見えるのは、こっちでしょ。肩肘張らずに、楽しもうよ

3人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ま、あんまりにも『重力ピエロ』の評判が高いと、違うんじゃあないの、って思うわけね。確かに、文学的な香があって、単なる謎解きではなくてとは言えるんだけど、でもあの手のレベルの話なら、ね。そこで私は、伊坂最大の問題作『オーデュボンの祈り』について書こうと思ったですよ。ところが、これが今は絶版状態。ま、文庫に切り替わる時期なんでしょうね。書評を投稿できない。うーむ、とね。で、それなら、筋立ては、ありふれているけれど伏線の張り方が見事で、コンゲーム小説の手本みたいな新作について書くぞ、はい。

この話の中心にいるのが、嘘を見抜く天才で市役所の係長の成瀬37歳。息子のタダシは自閉症。離婚中。性格は素直で好青年でスリの天才というのが久遠、20歳。人にものを教えるのが大好きな、おしゃべり薀蓄男が郷野。彼が慎一に披露する数学の問題に思わず感心。慎一は、いじめられるかもしれない、と思っている中学生。母の雪子は、精巧な体内時計を持っている。地道というギャンブル好きの10歳年上の男と高校時代に付き合い、慎一を産んだ。合鍵作りの天才でハッカーの田中。

そんな仲間たちが計画した銀行強盗。求めるのはロマン。利子も払わなければ、保管についても全額保障をしようとしない銀行を懲らしめることは悪いことではない、というのが彼らの考え。だから、ショーとしての強盗。成功率を上げるコツは、シンプルに奪って逃げる。その間に警報装置は押させない。そうすれば銀行だってその辺の酒屋と変わらない。そんな百%確実なはずの計画が、なぜか奇妙に捩れ始めて。

ここまでにしておく。池上冬樹の「こんなに文章が面白くて、お喋りが楽しくて、キャラクターがおかしくてい、しかもプロットが巧んでいる小説」「和製ウェストレイクか和製ブロック」「結城昌治の再来」という言葉を読めば、全体はイメージできる。全四章だけれど、各章のタイトルも書かない。頁を順に繰っていって自然に楽しんで欲しい。何といっても各章の組み立て、構成が洒落ている。その部分の中心人物の名前と番号、それにちょっと笑える、伊坂オリジナルの辞典が付いていて、そこを読むだけでも、作家の才気を味わえる。伊坂はあとがきで、90分くらいの映画が好きだと書いているけれど、ちょうど2時間から3時間で読み終わるこの本は、その小説版とでも言ったらいいのだろうか。

今回、自分の常識を反省したのが自閉症について。自閉症は「中枢神経の障害」であって、語感がイメージさせる「家で閉じこもっているくらい病気」ではない。はっきり言って、「自閉症」という言葉を直すほうがいいのではないかとも思う。自閉症の人は「人間の曖昧な部分が嫌いな性格」「そして人より物事に敏感」で、結果としてスケジュールについてうるさかったり、ものの位置や歩くルートに拘ったり、中途半端な質問が嫌いだったりするという。その症状の把握は、比較的最近のことで、1943年に雑誌に発表されたらしい。目からウロコ、ボロボロ。そうか、私の夫は自閉症か、と納得。

話の先が読めて、魅力的に見えていた登場人物たちが、久遠を除いて皆色褪せていくのが嫌だ。何で、こんな下らない男を殺さない、と思いもする。でも、それは私だけらしい。長女は、口先男の郷野が嫌いではないし、成瀬も悪くはないという。ま、私も久遠青年の性格のよさには、クラッっとするけれど。人間には不満もあるけれど、伏線の張り方は見事。もし伊坂の話に欠点があるとすれば、作者が話の先を読まれることを気にしていないことだろうか。ま、そういう意味で『オーデュボンの祈り』は、お先真っ暗で見事だった。

ということで明日は、先が見えても、それなりに読まされてしまう、人それを傑作という(鮎川哲也風でしょ)『重力ピエロ』について書く、つもり。

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