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ねじまき鳥クロニクル みんなのレビュー

  • 村上春樹
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みんなのレビュー19件

みんなの評価4.3

評価内訳

29 件中 1 件~ 15 件を表示

ねじまき鳥クロニクル 改版 第3部 鳥刺し男編

2010/07/31 14:38

村上春樹の長編小説はひたひたと走るランナーのよう

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サムシングブルー - この投稿者のレビュー一覧を見る

K・Iさんの『ねじまき鳥クロニクル』第1部から第3部までの書評を読みました。特に第3部の書評のなかの
「『1Q84』に出てくる「牛河」が出てくるのも興味深い。牛河は、『1Q84』での牛河よりももっと牛河的だ、という気がした。とくに、そのねばっこい饒舌さは一読の価値あり、だろう。」
箇所を読み、さっそく読んでみることにしました。

村上春樹の長編小説はひたひたと走るランナーのようです。ランナーは強靭な肉体を持ち、最強のメンタルで、フルマラソンのイメージトレーニングを完成させている。次第にランナーの息遣いや心臓の鼓動が私の脳細胞に侵出してきます。ページを捲る手は汗をかき、紙がしっとり濡れてくる。親指の形に濡れたあとは恐怖のしみです。
自分の思考を超える恐怖はどうしようもなく、本を閉じても脳細胞に残留している。

第1部の冒頭文「一九八四年六月から七月」、第2部の冒頭文「一九八四年七月から十月」は『1Q84』を彷彿させ、笠原メイは『ダンス・ダンス・ダンス』のユキを彷彿させます。
第3部の最終章「さよなら」の始まりは
「ねじまき鳥さんにアヒルのヒトたちを見せられなくて残念だったな」と笠原メイはいかにも残念そうに言った。(593頁)
この最終章は村上作品を好きにならずにいられない章でした。
次は、村上春樹の絵本を読んでみよう。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第2部 予言する鳥編

2010/07/14 16:58

「僕」が求めることを決心する「第2部」

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

大江健三郎さんが「再読(リ・リード)」の重要性ということをいっていて、それを本で読んでいて、再読のことはずっと頭にあった。
読む本というのは、買ってきた本、図書館から借りてきた本、そして、読み終わり本棚におさまっている本の三種類がある。
よく考えると、それらを組み合わせながら、ほとんどだいたい毎日、何かしらの本には接している、と自分のここ最近を振り返って思う。
そうしたなかで、ふと、本棚の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が目に入り、「再読してみるか」と思って、再読してみた。

大江さんは再読では「探索」するような読み方ができるといっている。『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を読んだときは、鮮明に覚えている冒頭の場面。それから、進んでいく「二つの」世界、それらを読みながら、ところどころ覚えているところもあり、あるいは忘れているところもあり、「ここはああなるんだな」「次はこういう展開だな」と思いながら、再読した。

そして、それを読み終わって、次は、『ねじまき鳥クロニクル』を再読することにした。記録を読むと、ちょうど三年前に読んだようだ。
ただ、どちらかといえば僕は『ねじまき鳥クロニクル』の内容を覚えていなかった。だから、「探索」というような意識的な読み方はできなかった。それでもだからこそ逆に初めて読むように新鮮に読めた。

「第2部」は、主人公が井戸に入り、そこから出てきて、加納クレタとの関わり、それから、最終的に、「電話の女」の正体に気づく。笠原メイの「告白」もこの「第2部」だ。

上で僕は「さほど内容を覚えていなかった」と書いたが、部分的には覚えている部分もあった。そして、おそらく、また何年後か、三度読み返すであろう、ということを予感している。

その前に「第3部」を読む。新装版の文庫で読んでいるのだが、文字も大きく、カバーもかっこうよくなり、個人的にはとても気に入っている。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第1部 泥棒かささぎ編

2005/08/30 18:57

もう、このタイトルだけで勝ちですね。だれも思いつかないでしょう。しかも、ここには第二次大戦中に日本人がされたこと、そして行ったことが克明に描かれるのです

7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

「近所の木立からまるでねじでも巻くようなギイイッという規則的な鳥の声が聞こえた。我々はその鳥を「ねじまき鳥」と呼んでいた。クミコがそう名付けた。本当の名前も知らなければ姿も見たことが無い、毎日近所の木立にやってきては、我々の属する静かな世界のねじを巻く。そして少女との会話の中で、岡田は自分のことを「ねじまき鳥」と言い始める。」が鳥の名の由来です。
全体を通じて、クリーニング屋がポイントポイントで出てきたり、決して重要な役割を果たすのではないけれど、僕たちに家を貸してくれている裕福な叔父の話が入ってくるのが面白いです。謎の宮脇家も、時々話しに微妙な味を添えます。また、かつらメイカーのアルバイトというのも印象的です。ここで、第二巻に通じる井戸の話もでてきます。
語り手は30歳の僕、岡田亨。兄弟はいません。スパゲティを茹でているところに、見知らぬ女から奇妙な、というか性的な嫌がらせ電話がかかってくるところから話が始まります。妻のクミコは仕事先から、そんな僕のところに、出て行ったきり1週間も戻らない猫のことを心配して電話をしてきます。そう、僕は4月に働いていた法律事務所を辞めて以来、仕事を探すこともなく、のんびり家事をしながら暮らしているのです。
妻のクミコ、岡田久美子は多分28歳、雑誌の編集の仕事をしていて、僕が働かなくても何とか食べていけるくらいの収入は得ています。そして、一人で昼食を摂った僕は、ゆっくり休んだ後で、ブロック塀を乗り越え、行き止まりの路地を散歩し始めるのです。やっと家の猫ワタヤ・ノボルを探すことにしたのです。そこで出会った少女が笠原メイでした。15、6歳に見える彼女との不思議な会話。
そしてクミコがワタルの行方を捜すことを依頼した加納マルタが登場します。幼い時から未来を予言することで周囲を呆れさせ、それがもとで家を出ることを決心し世界を放浪した31歳の女性。彼女が教える五歳年下の妹クレタの存在。彼女は、亨の義兄綿谷ノボル37歳に汚されたという。
第2部「予言する鳥篇」は、岡田久美子と僕との病院での出会い、堕胎、僕の女性関係などが語られます。家から消えたクミコと、それに関して危険を予言する加納マルタ、井戸の底に降り、考えに耽る僕の危機と救出、クレタの変貌と、笠原メイの悪戯、そして綿谷ノボルの脅迫的言辞。夢の中の行為が現実と重なりながら、僕は決心をします。
第3部「鳥刺し男篇」は、ナツメグ、シナモンという親子のビジネスに顔にあざの出来てしまった僕が巻き込まれます。失踪したクミコと僕との会話がコンピュータを通じて行われ、笠原メイからの驚くべき告白がなされ、井戸の底が過去や異世界へと通じる扉となって、神話世界が展開していくのです。
と、駆け足で紹介しましたが、勿論こんな簡単な話ではありません。日本人が過去に犯した過ちが、重要な意味を持つだけではないのです。ソビエトで行われたことも含めて、歴史というものが極めて大きな役割を果たします。第1部で日本人が見せ付けられた残虐な刑のシーンがありましたが、第3部ではそれに勝るとも劣らない日本人自身が中国人に対して行った行為が描かれます。
そして、全体の話には各篇のサブタイトルが重要な意味を持っていて、それがこの話の構造と密接に関係しています。ここでも、村上春樹の小説には必ず現れる文章では軽いけれど映像にしたら騒動が巻き起こるだろうと思われる性的な、暴力的な描写を沢山見ることが出来ます。
読み返すと、張り巡らされた伏線、まそれほど緊密ではないかもしれないそれが、見えてきて、あ、これが、と腑に落ちます。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第3部 鳥刺し男編

2010/07/20 12:56

深く、深く、圧倒的な、村上春樹90年代の作品

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:K・I - この投稿者のレビュー一覧を見る

再読していた『ねじまき鳥クロニクル』を読み終わった。読み応えのある物語だった。
「第3部」はよりいっそう重層的な構造になっている。
小説内に「ねじまき鳥クロニクル」という文章が出てきたりして、「メタ」的な構造にもなっている。

結局は、綿谷ノボルとの対決の話だったのだ。ただ、こういう言い方はあまり正確ではないかもしれない。もっと正確にいうならば、「綿谷ノボル的なもの」との対決だった、と。

結末をここに書くことはできないが、この結末を他の読者はどう感じるだろうか。
村上春樹はおそらく、結末を最初から想定して書いていたわけではない、と思う。
毎日少しずつ物語を紡いでいく中で、それが最終的に書かれたのだろう。

『1Q84』に出てくる「牛河」が出てくるのも興味深い。
牛河は、『1Q84』での牛河よりももっと牛河的だ、という気がした。とくに、そのねばっこい饒舌さは一読の価値あり、だろう。

初読から3年後に『ねじまき鳥クロニクル』を再読した。
次は、4年後か、5年後、おそらくそのくらいのとき、再び再読するだろう。

村上春樹作品は僕が一生読み直し続ける作品の一つだ。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第3部 鳥刺し男編

2009/10/13 14:09

幻想的で不思議な物語

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

『1Q84』が大変話題になっている。妻が読んで村上春樹にはまり、これまでの村上作品を貪るように読み尽くした。そんな妻に勧められたのが、この作品である。『1Q84』は評者も読んで面白かったのだが、読み比べると本書の方が『1Q84』を上回る面白さではないか、と感じられる。妻も同意見だった。
 文庫本3冊に渡る長編である。第1部を読み始めてすぐに物語に引き込まれる。幻想的で不思議な物語だ。
 そして、第1部より第2部、第2部より第3部、と物語が進むほど謎が深まり、次はどうなるのだろう、とグイグイ引き込まれていく。ノモンハンの戦場と現代と、時代を超えての関連も面白い。
 面白さは折り紙つけてもいい。ただ、評者個人的な好みで言えば、村上春樹より夏目漱石だなー。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第3部 鳥刺し男編

2021/05/21 14:33

「奪取」をテーマにした、壮大で重層的な愛の物語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nan - この投稿者のレビュー一覧を見る

全3部読了。実に色々な解釈のある話題作だが、個人的には様々な欠陥や余剰(望んで手に入れたものではなく、しかも自分たちには持て余す事情のようなもの)を抱えそれに立ち向かった夫婦の壮大なラブストーリーと捉えられると感じた。
というのも、後半になっていくにつれ岡田亨の行動(意識下にせよ無意識下にせよ)の動機の中に妻への「愛」が色濃くなってゆくから。一見支離滅裂で非現実的な無意識下の行動…それでも根幹には「愛」がある。それも戦争や暴力などの血生臭い「悪」と切っても切り離せぬもの。表裏一体というか相対的なものというか。
妻がいた頃、妻が生活を支えてくれた第一部の始め頃は全て妻をはじめといつも周りに翻弄されがち…受動的に変化に順応しがちな村上作品の主人公にしては珍しく、大きな「喪失」に主体的に立ち向かう(かつその動機が限りない「愛」である)という点が物凄く刺さった。きっとその「愛」は亨がこの現実世界=朝に目覚まし時計が鳴る世界に生きている限り決して損なわれないのだろう。だからこそのあのエンディングというわけで。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第1部 泥棒かささぎ編

2002/12/05 08:25

何とも心地よい物語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

村上春樹がつむぎ出す世界は、この作品においても甘美でなんとも心地よい。「僕」と「僕」を取り巻く人々(特に女達)との奇妙な関係は本当に謎だらけで、読み進めても一向に先が見えてこない。だからといって退屈になるわけでもなくどんどん読み進められるのは、個性豊かな人物達によって織りなされる物語のテンポが非常に小気味よいせいだろう。
この作品は読み始めてすぐに、「人間同士が本当の意味において理解し合える事は可能なのだろうか」という問題提起にぶつかる。日頃から同じ疑問を抱いていた私にとっては実に共感できる事柄でもあり、またこの本編を貫くカギでもある。個々の人間が所有するこだわりや思想・経験等は、周囲からはとても計り知れない、また逆から言えば知ってもらいたくとも伝わりきらない危うさを秘めている。人間って結局のところ、ひとりぼっりで誰とも共有できない面があることは否めないんだ、と実感。でもその孤独感も、村上春樹の手に掛かると何とも心地よいのだ。
至る所に現れる料理と音楽は、色彩色豊かでより味わい深い作品に。読んで損はないです!!

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第3部 鳥刺し男編

2002/07/15 17:47

謎めく世界にもとうとうピリオドが訪れました

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆうきっく - この投稿者のレビュー一覧を見る

不思議な世界にもいよいよ幕が閉じようとしています。

猫の失踪、妻の失踪、不思議な昔話に怪しい人物、そして、井戸の中で見たもの…
それらが全て複雑に絡み合い、そしてだんだんとほどけて行く…
ちょっとずつ、自分の心の中も整理されていくかんじが心地よい反面さびしくもある。
面白かった。

井戸の中で、その謎を解くための世界に導かれる…
ワタヤノボルとの関係や、あの電話の女の正体や…
本当に、不思議で謎めいていて、ココロ惹かれました。このシリーズは一読するのがイイと思います。自分自身の行動にも少し変化が出てると思います。長い文章が書きたいなあと思いました。

小さなキーワードが後に大きく響く…とな。
村上春樹をはじめて読んだのがこのシリーズでした。はまってしまいそうです。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第2部 予言する鳥編

2002/07/15 16:22

井戸の中に入りたいなあと思う。

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆうきっく - この投稿者のレビュー一覧を見る

クレタや、笠原メイの助けによって、だんだんと猫の居場所、そして妻の場所が明らかになっていく…。

また、この巻で最も興味深く思えたのは、井戸にこもるということだった。
大佐の戦争の話で聞いた、井戸の中で過ごさざるを得なかった経験というものが印象的で、周りに光もなにもない状態でいったい人はどうなるのか…とか、考え尽くすには、周りに何もなくて、さらに飢えた状態がいちばんイイのかなあとか、イロイロ考えたり、自分も井戸に入りたいと思ってみたり。
主人公が謎の中から、現実の行方不明である猫や妻の場所を探っていくという…。謎から謎を解き出すのですから、物語自体も謎に溢れているわけで…。はまると恐ろしいくらいに、読んでる自分も謎の中に引っ張られて、不思議な感覚が味わえます。それもまた面白いですね。

こんな小説は他では読めません。不思議な体験ができることでしょう。ゆっくり、味わうとさらに効果的だと思います。

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読みながら、聞きながら、自分の気づかなかったもの、見ないようにしていたものと向き合う感じがしてくる。 これこそ小説の大きな効能だ。 もう一つの1984年の物語は続いていく。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

Audibleで聞く読書。

個性的な登場人物たちを語り分ける俳優・藤木直人に魅了されながら。

亨の妻・久美子がでていった。

間宮中尉から再び手紙が届く。

亨は家の近くの井戸に潜っていった。

昼間の井戸。
久美子との出会いを思い出す。
越えられない見えない壁のような感覚がよみがえる。

夜の井戸。
久美子との新婚生活を思い出す。

そして、苦い体験も思い起こされる。

亨は、学生時代のガールフレンドを妊娠・堕胎させていた。

結婚後に、久美子とは避妊をしていた。
だが思いもかけず妊娠をしていた。

久美子は一人で堕胎をした。
亨はそれを出張先の札幌で知った。

その札幌で入った二軒目のバーで、ロウソクのパフォーマンスをする男に出会う。
この男の存在は店員も知らなかった。

閉じ込められた井戸に、加納クレタがやってきた。
彼女にも予知能力のようなものがある。
ノモンハンでの中尉の話と重なる。

間宮中尉との、手紙のやり取り。
井戸への思い。
失われた人生の意味を知りたい、と中尉は語った。

読みながら、聞きながら、自分の気づかなかったもの、見ないようにしていたものと向き合う感じがしてくる。

これこそ小説の大きな効能だ。

もう一つの1984年の物語は続いていく。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第2部 予言する鳥編

2023/11/15 09:52

自分の気づかなかったもの、見ないようにしていたものと向き合う感じがしてくる。もう一つの1984年の物語は続いていく。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

Audibleで聞く読書。

個性的な登場人物たちを語り分ける俳優・藤木直人に魅了されながら。

亨の妻・久美子がでていった。

間宮中尉から再び手紙が届く。

亨は家の近くの井戸に潜っていった。

昼間の井戸。
久美子との出会いを思い出す。
越えられない見えない壁のような感覚がよみがえる。

夜の井戸。
久美子との新婚生活を思い出す。

そして、苦い体験も思い起こされる。

亨は、学生時代のガールフレンドを妊娠・堕胎させていた。

結婚後に、久美子とは避妊をしていた。
だが思いもかけず妊娠をしていた。

久美子は一人で堕胎をした。
亨はそれを出張先の札幌で知った。

その札幌で入った二軒目のバーで、ロウソクのパフォーマンスをする男に出会う。
この男の存在は店員も知らなかった。

閉じ込められた井戸に、加納クレタがやってきた。
彼女にも予知能力のようなものがある。
ノモンハンでの中尉の話と重なる。

間宮中尉との、手紙のやり取り。
井戸への思い。
失われた人生の意味を知りたい、と中尉は語った。

読みながら、聞きながら、自分の気づかなかったもの、見ないようにしていたものと向き合う感じがしてくる。

これこそ小説の大きな効能だ。

もう一つの1984年の物語は続いていく。

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戦争とは、人間を、過去・現在・未来へと苦しめ続ける悪魔の所業なのだと、刻み付けられる。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

Audibleで聞く読書。

主人公の岡田亨は、法律事務所を退職し、妻の久美子と世田谷の一軒家で暮らしている。

この家は、親戚の好意で安く借りることができている。

単調な日々の中で、摩訶不思議な出会いが続く。

素性の知れない女からの奇妙な電話。

加納マルタ・クレタ姉妹との出会い。

妻の悲しい生い立ち。

彼女の兄・綿谷ノボルを通じた、作者の現代の社会への洞察。

そして、かつて良く夫婦で訪ねた霊媒師の本田さんの死。

その本田さんから、亨あてに形見が残されたとの連絡が入る。

電話の主は、戦時中に彼とノモンハンで日本軍の一員だった間宮という人物だった。

巧みな描写と、老若男女、そして時代を越えた多くの人物を語り分ける朗読の藤木直人の技量にも魅了される。

しかし、それを上回るほどに聞き続けることが困難な描写が続く。

Audibleで聞く読書。

主人公の岡田亨は、法律事務所を退職し、妻の久美子と世田谷の一軒家で暮らしている。

この家は、親戚の好意で安く借りることができている。

単調な日々の中で、摩訶不思議な出会いが続く。

素性の知れない女からの奇妙な電話。

加納マルタ・クレタ姉妹との出会い。

妻の悲しい生い立ち。

彼女の兄・綿谷ノボルを通じた、作者の現代の社会への洞察。

そして、かつて良く夫婦で訪ねた霊媒師の本田さんの死。

その本田さんから、亨あてに形見が残されたとの連絡が入る。

電話の主は、戦時中に彼とノモンハンで日本軍の一員だった間宮という人物だった。

巧みな描写と、老若男女、そして時代を越えた多くの人物を語り分ける朗読の藤木直人の技量にも魅了される。

しかし、それを上回るほどに聞き続けることが困難な描写が続く。

戦争とは、人間を、過去・現在・未来へと苦しめ続ける悪魔の所業なのだと、刻み付けられる。

戦争ほど、残酷なものはない。
戦争ほど、悲惨なものはない。

だが、その戦争は今でも続いている。

その戦争に抗う力も、人間の中に宿っているはずだ。

戦争ほど、残酷なものはない。
戦争ほど、悲惨なものはない。

だが、その戦争は今でも続いている。

その戦争に抗う力も、人間の中に宿っているはずだ。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第1部 泥棒かささぎ編

2023/10/09 06:36

戦争とは、人間を、過去・現在・未来へと苦しめ続ける悪魔の所業なのだと、刻み付けられる。

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投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る

Audibleで聞く読書。

主人公の岡田亨は、法律事務所を退職し、妻の久美子と世田谷の一軒家で暮らしている。

この家は、親戚の好意で安く借りることができている。

単調な日々の中で、摩訶不思議な出会いが続く。

素性の知れない女からの奇妙な電話。

加納マルタ・クレタ姉妹との出会い。

妻の悲しい生い立ち。

彼女の兄・綿谷ノボルを通じた、作者の現代の社会への洞察。

そして、かつて良く夫婦で訪ねた霊媒師の本田さんの死。

その本田さんから、亨あてに形見が残されたとの連絡が入る。

電話の主は、戦時中に彼とノモンハンで日本軍の一員だった間宮という人物だった。

巧みな描写と、老若男女、そして時代を越えた多くの人物を語り分ける朗読の藤木直人の技量にも魅了される。

しかし、それを上回るほどに聞き続けることが困難な描写が続く。

戦争とは、人間を、過去・現在・未来へと苦しめ続ける悪魔の所業なのだと、刻み付けられる。

戦争ほど、残酷なものはない。
戦争ほど、悲惨なものはない。

だが、その戦争は今でも続いている。

その戦争に抗う力も、人間の中に宿っているはずだ。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第1部 泥棒かささぎ編

2023/06/27 14:47

これからが楽しみ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る

間宮中尉の戦争を振り返る話は気持ちが重くなりました。山本が拷問される描写がきついです。全体のストーリーは謎だらけだけれど、文章は読みやすかった。

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ねじまき鳥クロニクル 改版 第1部 泥棒かささぎ編

2021/07/28 23:24

春樹最重要作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る

村上春樹の最高傑作にあげる人も多いが、個人的にはあえて失敗作としたい。しかしそれは読む価値がないということではない。『羊をめぐる冒険』や『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』のようなウェルメイドな長編に収まりきらないほどのエネルギーに満ちており、それを十分に制御できていない。それゆえ春樹の全キャリアを考えるうえでは最重要作品となるのである。

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