はてしない物語 みんなのレビュー
- ミヒャエル・エンデ作, 上田真而子訳, 佐藤真理子訳
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はてしない物語 下
2020/05/01 11:34
ドイツの作家ミハエル・エンデによる児童向けファンタジー小説です!とっても興味深いです!
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツの作家ミハエル・エンデの児童向けファンタジー小説で、1979年に刊行されたものです。岩波文庫からは上下2巻シリーズで刊行されており、同巻はその下巻です。同書では、上巻に続き、主人公バスチアンは、自ら再建した新たな「ファンタージエン」の世界に入り込み、その後アトレーユやフッフールと友達になったり、「ファンタージエン」の住人や場所に名を与え物語を作ったりして、「ファンタージエン」の世界を楽しみます。同時に、コンプレックスの塊であった自分の外見も、「アウリン」の力を使い容姿端麗で強く立派な勇者のような姿に変えていきました。しかし、バスチアンは「アウリン」の力を使い続けるうちに、次第に現実世界の記憶を失くしていきます。そして、幼ごころの君に再び会いたいという気持ちが芽生えたバスチアンは、女王の居住地であるエルフェンバイン塔に行くんですが、そこに幼ごころの君はいなかったのす。一体、バスチアンはどうなるのでしょうか?続きは、ぜひ、同書をお読みください。
はてしない物語 上
2016/08/28 17:48
物語の世界へ
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴーすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋でこの本を手に取った瞬間から、物語が始まる。
映画にもなった名作です。
特に、少年期なら、前半がお勧め(後半はちょっと重いです)
後半は少し大人になってからの方が良いかもしれません。
読んでいやな気分になったら、少し大人になってから読み返すと後半が
違う意味を持って迫ってくると思います。
下巻ではかっこいいだけでないとかね、心の汚い部分とかね、そういうことも考えさせられます。
大人が読んで十分に楽しめる本です(大人なら上下巻まとめてどうぞ)
はてしない物語 上
2008/04/19 13:58
「物語」が力をなくす時代への警鐘
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナンダ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「幼心の君」が統べる空想の世界ファンタージエンを「虚無」がむしばむ。ファンタージエンの虚無に飲み込まれた住民たちは、人間世界では「虚偽」となる。ファンタージエンの危機を救うには、人間世界からだれかがファンタージエンを訪ねてきて、幼心の君に新たな名前を与えなければならない。空想の世界を「虚偽」と思う人ばかりになり、ファンタージエンの存在を真正面から考える人はいなくなっている……。
そんな状況のなか、小太りでうだつの上がらない男の子バスチアンが1冊の本を通してファンタージエンに乗り込み、「幼心の君」に名前を与え危機を救う。
「幼心の君」から全能の騎士としての力を授けられ、自分の望み通りにファンタージエンの歴史を作り、生物を生み出す。が、「望み」をかなえるたびに、過去の記憶を1つずつ失っていく。小太りの気の弱い子だったこと、学校の記憶、最後は両親のことまで。元の世界に戻りたい、という気持ちすらもなくし、ファンタージエンの帝王になる野望を抱くようになる。
過去のほとんどを忘れ、帝王になろうという直前、親友の反乱によってその道を阻まれる。
人間は過去の記憶がなければ未来への「望み」も生まれない。すべての「記憶」をなくしてしまえば、あとは望みも何もなくなってしまう。そのことに気づかされる。
夢や希望が力をもたない現代は「物語」が力をなくしている。空想の力が弱まり、「仕事に役立つこと」ばかり考えるようになれば、人間の精神はどんどん枯れていく。人間の精神が弱まれば「物語」の力もますます弱まる。その悪循環にあることを暗示している。
バスチアンが過去の記憶を忘れ、権力の妄執にとりつかれていく様子も、子供のころの夢や希望を忘れ、仕事と出世ばかり全勢力を注ぐ大人を象徴している。人間にとって本当に大切なものってなに? そのために私は何をすればいいの?、という問いかけができなくなっていく怖さ。
権力の頂点にのぼりつめ、そこでいっさいの「望み」をなくしていることに気づくのは、定年後の濡れ落ち葉を思わせる。
「自分が他の何者かに変わろうというのではなく、自分のあるがままを評価し、自身が少しずつ変わっていこうとするのが大切だ」という趣旨の文章があった。言い換えれば、他人との比較で自分を評価するのではなく、今の自分より少しずつ成長していくことを評価する、ということなのだろう。
他者との競争を強いられる日々のなかでつい忘れてしまう考え方だ。
心を絶えず新鮮に、守りに入らないように、ニヒリズムに陥らないようにするって、大変だけど、とても大切なことだ。
はてしない物語 上
2016/06/10 19:38
本好きにはたまらない
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が大好きな本の世界に入り込めるなんて、本好きなら一度は夢想することだと思うのですが、児童書なのにそんなに甘くはないという内容で、大人が読んでも十分楽しめる内容です。久々に「もう一章読んだら寝よう」と思うのに、止まらなくなってしまって、どんどん読み進めてしまった本です。
2024/09/26 13:19
ファンタジーの名作は伊達じゃない!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語はアトレーユからバスチアンの旅へ。アウリンの力で次々とバスチアンは望みを叶え、もはや向かうところ敵なしとなっていくが、その代償を知ったとき――。
人間、成長するにつれて得た体験や知識が武器になって、強く偉くなった気になっていく。その実、社会的ステータスの指標に則っただけの経験値だけが重要とは限らない。無敵になるために必死に得た武器で自分の首を絞めると気づいたとき、私ならどう取り乱すのだろう。
もし不幸にも私の番が来たときは、バスチアンのように、一つひとつ引き算していくのが、一つの手なのかもしれない。自分を構成する虚飾や本質を引いて引いて引きまくって、空っぽになった果てにも残るもの。そんなもののために生きていきたい。
ファンタージエンでの旅は、何物にも代えがたい、確かな経験だった。
はてしない物語 上
2020/04/30 10:38
ドイツの児童文学作家、ミハエル・エンデの長編ファンタジーです!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ドイツの児童文学作家、ミハエル・エンデによる児童向けファンタジー小説です。岩波少年文庫からは上下2巻シリーズで刊行されており、同書はその上巻です。内容は、読書と空想が好きな主人公バスチアンは肥満体型やX脚、運動音痴を理由に学校のクラスメートからいじめを受けていました。また、母親を亡くしたことを契機に父親との間にも溝が出来てしまい居場所を失っていました。そんなある日、いじめっ子に追い回されたバスチアンはカール・コンラート・コレアンダーが経営する古本屋に逃げ込みます。バスチアンはそこで『はてしない物語』という風変わりな本を目にし興味を抱きき、お金を持っていなかったバスチアンはコレアンダーの目を盗んで本を店から盗み出し、忍び込んだ学校の物置で読み始めるようになります。本の世界では、幼ごころの君が支配する国「ファンタージエン」が「虚無」の拡大によって崩壊の危機に晒されていました。病に倒れた幼ごころの君と「ファンタージエン」を救うための方法を探す使者に指名された緑の肌族の少年・アトレーユは、女王の名代として「アウリン」を授けられ、「救い主」を求めて大いなる探索の旅に出ていく、というものです。ぜひ、ミハエル・エンデのファンタジーの世界をお子さんとともに味合われては如何でしょうか。
はてしない物語 上
2016/01/12 22:11
不朽の名作
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とと - この投稿者のレビュー一覧を見る
子ども向け、と思われがちなこの本。大人が読んでも、引き込まれるし、学ぶところが多いです。ある少年は、本を万引きします。学校の隅っこに隠れてどんどん読み進めていくと、本の世界の中に引き込まれ。。。 本の中にいる姫を助ける旅に出ます。何がいいかというと、この主人公は、心が強いわけでも、体が強いわけでもない、等身大のちょっと弱い男の子、ということ。どんどん感情移入して、応援したくなります。
2024/09/25 10:57
物語の中に入れたら
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
もしも本の中の物語に入れたら、登場人物たちの冒険の仲間に入れたら……そんな空想にとりつかれた人は少なくないのではないだろうか。今ではゲームの世界に転移するという形も加わって、ちょっとやり方は変わるが二次創作に発展するなど、ここではないどこかへの憧れは私たちの心を掴んでやまない夢であり続けている。
本作は映画で見たのが先だった。その映画ももう長いこと視聴していないので記憶が朧げだったが、読み進めて行くうちに、幼心に不思議に感じた情景が蘇ってくる。緻密な伏線はあるにはあるが、それよりも想像力で読者を引きこんでしまう。本ならではの表現に映画とは違った興奮を得られた。
下巻の冒頭より先から私の知らない物語。これからページをめくるのが楽しみだ。
2024/06/29 18:45
ファンタジーって
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ファンタジーって甘くないですね。
「元王さまたちの国」という章では背筋が寒くなりました。
あれ、子どもの頃に読んでたらトラウマになる。
2024/06/29 18:35
物語の
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
物語の中に入れるなんて、本好きからしたら憧れしかないやつですよね。
少し気弱なバスチャン君が物語の世界で出会うものたちがうらやましくてしょうがない。
はてしない物語 上
2023/10/10 22:26
ハードカバーも欲しくなる
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投稿者:山口ポン子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔映画を観てものすごく感動したのに「原作の方がいい」と力説している人が多くいてちょっとイヤだったのですが、なるほど、だいぶ違うのは確かです。世代を問わず夢中になれる壮大なファンタジーです。
はてしない物語 上
2020/06/28 09:19
終わらないでほしい
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
現実の世界では冴えないバスチアンが、物語の中で縦横無尽に駆け回る姿に勇気を貰えます。楽しい時間と少年時代も、いつかは終わりを迎えることを予感してしまいました。
はてしない物語 下
2016/06/10 19:47
恐ろしくも、美しい
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供向けだと思って読んでいたら、全然そうでないことは上巻でわかってはいたのですが、「もと王様たちの国」の章は、あまりの不気味さにぞっとして、子どもだったらトラウマになっていたな・・・とちょっと泣きそうになりました。だんだん自分の大事なことを忘れてしまって、当たり前だけど、忘れたことさえ気づけなくなって・・・というくだりは本当に恐ろしくなりましたが、友情に救われ、もちろんハッピーエンドをむかえたわけですが、ファンタジーなのに全然甘くないところが、エンデ自身が「私は子供向けの本を書いているわけではない」と言っていた意味がよくわかりました。だからと言って嫌なものではなく、とても面白くて、魅力的な本で、私にとっては宝物です。
はてしない物語 下
2016/05/29 22:41
映画よりも、原作の方が良い。
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴーすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画でも何部作にもなりましたが(あれはあれで面白かった)、
下巻(後半)は、できれば原作を読んでもらいたい。
弱虫でちびのバスティアンが自信を持ったあとに堕落する。
そこまであるのが原作、バスティアンは弱虫で亡くなった後に
ヒーローになった、でおしまい、ではない。
その続きをぜひ読んでもらいたい。
映画だとそこのあたりはわからない。
ハッピーエンドでおしまいおしまい、なのはそんな簡単じゃない。
と書きながら、もう一度読み返そうと思いました。
はてしない物語 下
2015/08/28 04:02
自分の弱いところ。
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る
体が弱っていたせいだろうか。寝たきりでこれを読み、
「つくづく、弱いところって見たくないし知りたくないもんなんだな。」と思った。
それほど、バスティアンは「弱い自分」の権化に思えた。
欲望に「負け」、劣等感に「苛まれ」る。 …負の連鎖(悲)
そういう自分の存在をもっと許さなければ、強い自分も育たない。
人がなんと思おうとも、大事なものを見失わない心こそ、いくつになっても消えない財産だ。
この本には、アイデンティティの形成だけでなく、再生の力もあるようだ。