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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.5 35件
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  • カテゴリ:一般
  • 発行年月:2002.12
  • 出版社: 大和書房
  • サイズ:20cm/177p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-479-39095-2

紙の本

ひきこもれ ひとりの時間をもつということ

著者 吉本 隆明 (著)

「一人」は孤独なのか。「集団」は「一人」より強いのか? 「ひきこもり」であると自認する著者が指摘する社会の噓、学校の噓。【「TRC MARC」の商品解説】

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ひきこもれ ひとりの時間をもつということ

税込 1,540 14pt

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著者紹介

吉本 隆明

略歴
〈吉本隆明〉1924年東京生まれ。東京工業大学卒業。詩人、思想家、文芸評論家。著書に「固有時との対話」「共同幻想論」「心的現象論序説」などがある。

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みんなのレビュー35件

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評価内訳

紙の本

平易な言葉で語られる強度のある世界

2003/06/16 10:12

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ヨーダ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 インタビューアーに話す形式で語られていて、まずとても読みやすい。
 本書は「ひきこもる」ことで生み出されるものの豊穣さを説く。自分もひきこもり的な気質(気質的ひきこもりとも)で、しかしそこからしか、これまでの考える営為、著作も出発しなかったと。
 で、サブタイトルは「ひとりの時間をもつということ」。著者ならではのユニークな孤独の処方箋が示されていたりして、おもしろい。それは「銭湯」にいったり、「神社のお祭り」などに顔を出すことで「大勢の中の孤独」を味わい安心感をえることだったという。お祭りの人混みのなかを匿名のひとりとして闊歩する(そぞろ歩き、か)若き日の氏の姿が目に浮かんできそうだ。
 そういえば、高校の教科書にあった吉本氏の詩を自分はなぜか気に入っていて、そこにはやはりお祭りがでてきたっけと思いだした。その詩は『佃渡しで』というタイトルで後半部分にこんなふうにある。

 〈これからさきは娘にきこえぬ胸の中でいう〉
 水に囲まれた生活というのは
 いつでもちょつとした砦のような感じで
 夢のなかで掘割はいつもあらわれる
 橋という橋は何のためにあつたか?
 少年が欄干に手をかけ身をのりだして
 悲しみがあれば流すためにあつた

 〈あれが住吉神社だ
 佃祭りをやるところだ
 あれが小学校 ちいさいだろう〉
 これからさきは娘に云えぬ   (以下続く)

 たとえばこういう詩も、きちんと「ひきこもる」ことの所産としてうまれたもの。だから、「ひきこもりの充分な熟考や熟慮なしに成り立つ職業や専門はただの一つもありはしない」とか「いまでもひきこもらなければできないことを大事にして、少しずつ考えたり書いたりしてはいるのです。ぼくが『ひきこもりは正しいんだよ』と言う時に、自分の実感として、少なくとも嘘はついていないという思いがあります」などと著者がいってくれるとき、おおきな説得力をもつ(少なくともこの詩が好きな自分にとっては)。
 いまそういうことで悩んでいる人たちの元にもこの本のメッセージが届くといいなと思う。「少年が欄干に手をかけ身をのりだして 悲しみがあれば流す」ことができるように。
 たしかにいま世の中には「引っ込み思案は駄目で、とにかく社交的になる方がいいんだ」という潜在的な価値観や圧力はあると思う。これらを著者は「引き出し症候群」と呼んでいるけど、「コミュニケーションファシズム」的な傾向(言い過ぎか?)に日本がどんどん染まっていくのは耐え難い。
 で、当人にとっての「ひきこもる」ことが充分必要な時期はある、それを経て、その後で他人の感覚と調和させたりすることがうまくなったり、コミュニケーション力を身につければいいんじゃないか、と。
 また不登校について、学校や教室を支配する「偽の厳粛さ」のくだらなさ、いやらしさ、空虚さに気付く感受性の鋭い子ほど不登校になるというが、これはかなり図星中の図星という実感がある。
 近年増えてきたフリースクールについては、不登校という(同質の)人たちだけでかたまらないこと、閉じないで一般社会との関わりをもつことを前提に、従来の学校と違う理念をもっていて自分に合っているという子どもが自ら選択して入ってこられるならば、全然アリなんじゃないかという姿勢だ。
 個人的にはフリースクールの具体的な理念などについては、「フリースクールのフリーとは責任と表裏一体のものです」という東京、吉祥寺にある上田学園の先生のことばがとても印象深い。
 *民間からのこうした新しいタイプの学びの場をつくろうという動き、子どもたちの現状についてはこの方の著作『骨太の子育て』があるので、こちらをお薦めしたい。

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紙の本

内向的だっていいじゃない

2005/08/07 11:44

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:UMI - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ひきこもり」をテーマにした本は何冊か読んだことがある。外に出られない人間に少なからず興味があるし、興味があるというのは自分が社会人としてまともに生活はしているけれど、「ひきこもり気質」というか素質というかそういったものをあわせもっているからだと思う。ソツなく社会に溶け込んでいるけれど、やっぱりどこかで無理をしている。社交的な振りはしているけれど、本当は手広く人間関係を築きたいなんてちっとも思っていない。『ひきこもれ』なんてタイトルに惹かれてしまったのには、それなりの理由がある。
読んだ後、なんだか気持ちがふわっと軽くなったような、自分はヘンテコな人間ではないんだと認めてもらえたような、そんな安心感がある。じっくりものを考えたり、自分の殻に閉じこもって内側に向かって掘り下げてみたり、そんな作業工程も必要なのだと、自信を持って良いんだと、優しく頭を撫でられたような気持ちになる。
新刊でもないし、大ベストセラーというわけでもないけれど、ボクは誰かにこの本を読んでもらいたい。自分を騙し騙し外へ向かおうとする人にも、実際に今ひきこもりがちになっている人にも、何かしらの作用があると思うから。外交的であることが優で、内向的であることが劣とする風潮に、こうも真っ直ぐに、こうもバカ正直に抗っている本があるということに、小さな爽快感がある。

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紙の本

いろんな生き方の一つ

2006/05/05 12:30

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る

現代は「明るく前向きに、何事にも積極的に取り組む姿勢」が、異常なほどのウエイトで価値づけされている。反対に「ひきこもり」は、ネガティブなイメージを強く背負い込まされている。吉本氏はこれに否、を唱えてくれた。
だが、「徹底的にひきこもれ!」と過激にアジっているわけではない。働くことは大事であるが、自立が遅くなっている時代であり、それはいけなくはないとする。ただ早めに引っ込み思案の気質にあった仕事は見つけた方がいい、どんな仕事も熟練が必要だからと言う。
案外、穏当で「良識派風」の発言も織り込まれている。この常識的な社会観相が、本書の「まっとうさ」を支えるものであり、幾ばくかの「物足りなさ」を覚える所以なのではあるが、基本的には良書だと思う。

さて、本書の全体像は、bk1評者の皆さんが的確なコメントを寄せていらっしゃるので、私は例によってピンポイント的に、気になる箇所に意見をつけさせて頂きます。

《もっと別の言い方をすると、人間の性格は胎内で人間として身体の器官がそろって働くようになった胎児のころから一歳未満の乳児のころまでのあいだに、主に母親との関係で大部分が決まってしまうと考えるようになりました。》

あとがきで「大部分」を7〜8割と修正しているが、私はその後の環境の影響次第で、性格は大きく変わりうる可能性があると思う。極端なケースが「戦場体験」後の兵士。また、学校その他で長くいじめを受け続けたために、性格が変わってしまう人もいる。
ただし、変わりうるからといって、むりに「性格改造」をする必要なんて全くない。そこは、おそらく著者とも一致できるのではないかと思う。

《ぼくは、ひきこもりの人が、好きな異性ができたことをきっかけに社会との関わりを回復していくということはあると思います。実際問題として、「この人と結婚したい」と思ったら、仕事もしないといけないわけですから。》
《異性というのは、そういう状況から抜け出すひとつの契機になりうるのかもしれません。親に食べさせてもらっている状態では、好きな人と暮らすことはできないわけですから。》

しかしこれが女性であれば、専業主婦を選ぶなら、もちろん家事労働はするのだが、意志次第でかなり「ひきこもり」的な生活を送る(に戻る)ことはできると思う。
専業主婦は、産業社会(表の社会)からはブラインドされてきた。しかし、そこには一部のフェミニストが指弾するような、デメリットだけがあるのではない。むろん、女性の「社会参加」は結構なことだが、その場合の「社会」を意味する言説の大半は賃労働市場への参加を促すものにすぎない。そうではない「内向き」な生き方があってもいい。そして、これからは男性の専業主夫(ひきこもり型であってもなくても)もどんどん出てきてくれていい。多様なライフスタイルの承認は、内向的な人々にとっても福音となる。
あと、好きな言い方ではないが、昔から「ヒモ」と呼ばれる異性関係を持つ人もいる。これも世間的には「ダメダメ」なイメージが強いが、まあ、いいんじゃないんでしょうかね、本人達が幸せなら。

《ぼくは市民運動が嫌いです。》
《さらに言えば、市民運動の一番よくない点は、共産党や社民党が言ったりやったりしていることから、決して先には出ないことです。》

「ひきこもり」とは関係ない話だが、ちょっと乱暴。確かに「政府にもの申す」的な市民運動は目立つから、野党的な考えの人が参加する割合が多いのかもしれない。まんま「革新」政党系列の「市民団体」もあるだろう。
しかし、経験から言っても超党派的な立場での市民運動だって結構あるのだ。保守的な市民運動だってもちろんある。
「ひきこもり」を十把一絡げに「病的」と括ってはいけないのと同じように、市民運動も多様なんだということに目を向けて欲しい。

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紙の本

教師のみなさんへ

2002/12/23 17:41

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夜の顔 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今年も残り少なくなりました。思えば年初めに立てたささやかな目標は、人から顔を忘れられてしまわないように人の集まりにはなるべく参加しようというものでしたが、あまり達成されたとは言えません。人の集まりといってもたいしたものではなく、仕事仲間や同業者などとの会議や勉強会、飲み会ですけどこれがなかなかおっくうなのです。円卓で会議するというのはなぜか非常に苦痛だしそこで発言するのはもっと苦痛です。もちろん仕事ですからなるべく出てますが。また同業者といっても年長のえらい人もいてきゅうくつだし、酒は家で飲めば楽しいしわざわざ出て行く気がしません。この「ひきこもり」的な性質をなんとかできないかと立てた目標ですが、この本を読んで、別に無理して人前に出なくてもいいのかなと気が楽になりました。
 小学生のころから大人、とくに教師から、積極的に発言しなさい、ものおじするななどといわれ続けていますから、僕の場合そういうのが理想でそれになるべく近づかなければいけないという思いがしみついています。そして近づけなくて落ち込むことが多いのです。教師という職業もしゃべってなんぼのところがあるから、吉本氏が言うキャスターなどと同じでコミュニケーション能力があり社交的な方がいいと思っている人が多いのではないでしょうか。もちろんそういう能力がある人は魅力的で今でもうらやましいですが、そうでないからといって教師のみなさん、生徒をしかったりして傷つけないで下さい。僕は今でも傷ついている。
 なんだか学校の先生に文句つけているような文章になってしまいましたが、僕が教育を受けたのは20年以上前ですから、今の先生は違うのかも知れませんが。 
 

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紙の本

自分はこれでいいと思えるのはいつごろだろう

2003/02/02 12:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Shinji@py - この投稿者のレビュー一覧を見る

「ひきこもれ」こんなことを言ってくれる大人が近くにいたら、子供は幸せだと思います。挑発的なタイトル、大きな活字に、広い行間、177ページにまとめたのも、ふだん本を読まない人にも手にとってもらうためかもしれません。先が見えない時だからこそ、年配の方の話を拝聴する価値を感じました。ひきこもりを「いい・悪い」でとらえる風潮に異議をとなえ、ひきこもって一人の時間を持つことの重要性をくりかえしくりかえし説きます。また、子供たちを取り巻く問題として、親の不安を反映して子供が心に傷を負うという主張には全く同感です。

でも、ひきこもりの人やその親たちにとっては、著名人に「自分もひきこもりだった」と言ってもらうことが、本当は、一番うれしいことなのかもしれません。全編を通して、世相や組織にとらわれず自分の頭で考えることの大切さを語っているのに、吉本隆明という名前がこの本の一番の価値かも、と思ったら、少し皮肉な気がしました。

「自分はこれでいいのだ」と思えるのはふつう何歳ぐらいの時でしょうか。ぼくは思えたり、思えなかったり。孔子でも不惑は四十、と時々開き直る。変ですが、「これでいい」とまれに思えるのは、むしろ挫折の後です。なぜか達成感とはあまり関係ありません。達成の後には次の不安がすぐにやってきます。人生を「いい・悪い」でとらえる人の「これがいい」になることと、本当の自己実現とは、どうも、かなり違うと最近は思っています。

最近の「自爆テロ」にふれて、戦時中の特攻隊の人たちを悪く言うことはできないというところでは、なぜかNHKのプロジェクトXを思い出しました。道路公団やダム建設が批判されるなか、せめてあれくらいは瀬戸大橋や黒四ダムをほめなければと思いました。特攻隊の人たちの苦悩も取り上げてくれというのは極論です。でも、「善・悪」に簡単に分けられることなんて何もないのではないでしょうか。

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紙の本

「ひきこもり気質」の筆者が「引き出されて」おしゃべりした本である。

2002/12/12 11:38

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:栗山光司 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「自分の時間をこま切れにされていたら、ひとは何ものにもなることができません」と、吉本は子供たちの「ひきこもる時間」を大事に考えていたらしい。=お使いを子どもに頼むくらいなら、自分で買い物かごをもっておかず屋さんにも何でも行くようにしていました。他のことではだらしない駄目な親でしたが、それは意識してやっていましたね=巣鴨、駒込界隈を自転車に乗って、買い物かごを手にした詩人の姿が目に浮かぶ。
 ひきこもって、鬱に近い状態になって、やばいなあと思ったら、【神社のお祭り】か【銭湯】に行くと言う。この辺りには今でも風呂ざめしない距離に銭湯が何軒かあるはず。しかし、いつの頃か、人々は[大勢人はいるけれども、誰とも口を利かなくても別におかしいことはないという場所]である[神社のお祭り]や[銭湯]のような場所から遠くなってしまった。
 「ひきこもり」の定義は漠然としている。病気としてのそれは『社会的ひきこもり』『ひきこもり救出マニュアル』(PHP研究所)の斉藤環などの専門家に任せれば良いのであって、ヘタに「引き出し症候群」の善意に満ちた素人に縋るのは百害あって一利なしであろう。大体、hikikomoriは日本で発信されたあくまで、ある社会現象をさして「ひきこもり現象」と呼ばれたものであって、直接、精神科医達に認知された病名ではない。健康、病気の価値判断の入る余地のない気質の問題なのに、整理されないまま流通し、その辺りのズレが善意の人々を登場させ、色々な人々の処方箋を善意であるが故に、マスコミも安易に取り上げ易く、一般に広く知れ渡ったのであろう。動機不明の犯罪の解釈として「おたく」という言葉が安易に利用された事情と似通っているのではないか。「おたく」も世界に流通する言葉になったが、その癖、中身の定義はアイマイである。
 私なりに【欲望】をキーワードにすれば、社会に適応するか否かに頓着しないで、【おたく】は「キャラ立ち」であれ、「やりたいこと」はちゃんと見えている。【ひきこもり】は過剰な迄に社会適応願望が強く、抽象的な選択肢を無数に持っている。その抽象的な豊かさに欲望は途方にくれて、立ち止まり自分を責め、悩む。恐らく、吉本の言う「第二言語」(内臓言語)をしぼり出して身体に繋げ「タマ立ち」するしかないであろう。他人の手で「タマ立ち」など出来るはずはない。これが病気が原因でない「ひきこもり」に関する私の解釈であり、この本で語っているのも似たようなものだと思う。すごく、常識的であたりまえの事を言っているに過ぎない。勿論、原因が精神疾患からくるものであれば、専門家に任せるべきだし、そのあたりの分は弁えた語りなのです。

 自己との対話(ひきこもり)なくして、自分の生きている世界全体をイメージし、まっとうな生を構築出来はしない。「ひきこもり」と言う言葉は悪役ではないのです。吉本さん、自転車に乗る時は気をつけて下さい。このところ吉本さんの新刊が多いですね。気にしないで、どんどん、語って下さい。「ぼくが沈黙しない理由」(140頁)で気にする必要はありません。

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紙の本

目次

2002/12/12 17:13

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る


第一章 若者たちよ、ひきこもれ!
    〜コミュニケーション能力を過大視するな
・時間を細切れにされたら、人は何ものにもなることができない
・「引き出し症候群」の素人はおっかない
・ひきこもることで育つ「第二の言語」
・内臓に響くような心の具合はひきこもらないと治らない
・「孤独」をとことんつきつめてその上で風通しよくやっていく
・社交下手でも恋愛についてハンデはない

第二章 不登校について考える
    〜「偽りの厳粛さ」を子どもは見抜く
・ひきこもりも不登校も病的な状態ではない
・「偽の厳粛さ」に耐えられない子どもが不登校になる
・教師が生徒と向き合おうとするから生徒は迷惑する
・不登校の人たちだけでかたまってしまうのはよくない
・子ども自身も、自分に対して寛大になってしまっている面がある
・学校なんかに期待する親は大きな間違いを犯している

第三章 子どものいじめ、そして死について
    〜「傷ついた親」が「傷つく子ども」をつくる
・いじめる子どもと、いじめられる子どもどちらも心が傷ついている
・いじめている子どもを叱っても何の解決にもならない
・子どもの自殺は親の代理死である
・大人になってから親の代理死としての自殺をした三島由紀夫
・自然死するには生命力が要るから老人たちは体を鍛える
・死ぬ時にはすでに「死」は本人のものでなくなっている

第四章 ぼくはひきこもりだった
    〜きらめく才能よりも、持続する力が大事
・ひきこもっていることがマイナスにならない職業がいつか見つかる
・ひきこもり性だったから物を書き始めた
・ぼくが見つけた孤独の処方箋は
・世の中に対する自分なりのビジョンをもつ
・ぼくが沈黙したくない理由

第五章 ひきこもりから社会が見える
    〜ぼくがいま考えていること
・君が代もインターナショナルも死ぬまで二度と歌わない
・戦争で死んだ日本人を歴史から抹殺してはいけない
・9・11から見えてくる戦後という時代に横たわる断層
・ぼくが、あらゆる市民運動を信用しない理由
・老いるということを長い間誤解していた

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2004/10/20 15:41

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