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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2010/01/28
  • 出版社: 新潮社
  • レーベル: 新潮文庫
  • サイズ:16cm/290p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-10-131261-3

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サクリファイス (新潮文庫)

著者 近藤 史恵 (著)

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと—。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッ...

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サクリファイス (新潮文庫)

税込 649 5pt

サクリファイス

税込 484 4pt

サクリファイス

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商品説明

ぼくに与えられた使命、それは勝利のためにエースに尽くすこと—。陸上選手から自転車競技に転じた白石誓は、プロのロードレースチームに所属し、各地を転戦していた。そしてヨーロッパ遠征中、悲劇に遭遇する。アシストとしてのプライド、ライバルたちとの駆け引き。かつての恋人との再会、胸に刻印された死。青春小説とサスペンスが奇跡的な融合を遂げた!大藪春彦賞受賞作。【「BOOK」データベースの商品解説】

【大薮春彦賞(第10回)】【「TRC MARC」の商品解説】

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書店員レビュー

ジュンク堂書店郡山店

自転車ロードレースを扱った本作品、「ツールドフランス」など...

ジュンク堂書店郡山店さん

自転車ロードレースを扱った本作品、「ツールドフランス」など言葉は聞いた事がありますが、詳しいルールなど初めて知る事ばかりでした。
スポーツ競技に打ち込む青年というと、よくある青春モノと思うかも知れませんが、衝撃的な書き出しで始まりミステリーの要素もあるので、終始緊張感が続きます。
そして読み終わった後、フィクションだと分かっていても結末が受け止められず、自分には本気になれるものがあるのか、真剣に考えてしまいました。
私にとっては、書店員の仕事だと気付きました。

文芸担当 郡司

みんなのレビュー745件

みんなの評価4.4

評価内訳

電子書籍

ロードバイクへの興味次第

2023/04/30 07:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る

途中までは自転車ロードレーサーの話で、知識が薄いとやや退屈だが後半になるとある選手への疑惑から物語はミステリアスな展開となってきて面白さが出てくる。

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紙の本

よくできたストーリーだけど

2021/08/17 15:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る

もしかしたら人を死なせるかもしれないようなアクションをレース中に起こしたり、
レース中に事故に見せかけてわざと死ぬなんていうのはあり得ない。

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紙の本

書籍「サクリファイス」自転車ロードレースに懸けた青春

2011/12/24 14:56

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:soramove - この投稿者のレビュー一覧を見る

「自転車ロードレースのプロ選手が主人公、
自分のようにその競技になじみがなくても
どんなものかが読んで行くうちに説明され
チームの中での役割なんかも分かってくる、
どこの社会でもエースがいれば
サポートもいる
でもサポートする側も時には勝利を夢見る、
スピード感もあり一気読みだった」


主人公の白石誓が所属するチームでは
勝つことを義務付けられたエースと
それをサポートするアシストが明確に区分され
白石自身もアシストして
チームが勝利した時の喜びを知っている。


そんなとき海外のチームも加わったレースで
先行して最後はエースに勝利を譲る展開が崩れ
白石は先頭でゴールする、
「見どころのある選手と契約を考えている」と
海外チームの選手から告げられ
本場ヨーロッパで走る夢を
自分が掴めるかもしれないと
単なるアシストで終わって良いのかと
心の葛藤が始まる。


落車のアクシデントや
最後には死者も出るサスペンスタッチの展開だけど
これはもう完全に人間の心理を描いた小説
誰だって一瞬自分の勝利を
夢見ない者はいない、
チームという小さな社会に属していても
どう思われようと
大きな舞台に羽ばたきたいという
純粋な気持ちも理解出来る。


「サクリファイス」というタイトルが
2重構造になっているが
自分的にはチームのエースが自ら
落車して他人の夢を叶える手助けをしたという
その部分だけはどうしても納得できなかった
そこにある犠牲はちょっと重すぎるし
その事実を知ったら
その後どうして生きていったらいいのか。


でもその部分を除いて考えると
この小説はかなり面白かった、
必死にペダルをこぎながら
チームの事、自分自身の事を
たぶん色々考える時間があって
競技する人達は様々な葛藤の中で
その時、その日の勝利を求めて
走っているのだろう。



★100点満点で75点★




soramove

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紙の本

さてこの小説の分野は?

2018/12/25 11:18

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:imikuto - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者は鮎川哲也賞受賞作家で、ばりばりの本格推理作家だ。
ただ本作は、表紙からはスポ根ものか、エッセイに近いものかと思っていた。
かりにミステリーとしても、大藪春彦賞受賞作品なので、本格ミステリーにはほど遠いと想像していた。
ところが、ところが・・・
これはけっこうすごい。本格ミステリーを堪能できた。

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紙の本

負ける事が勝つ事

2018/05/22 21:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

負けず嫌いだらけのアスリートの中で自らが負ける事でチームメイトを勝たせるポジションというのはなかなか辛いだろうなあ。それをあえてやってのけるという誇りが命。誇り高き走り屋たちの物語。

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紙の本

作者の作品を始めて読んだ

2018/02/05 07:23

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポッター - この投稿者のレビュー一覧を見る

本屋大賞で2位になった作品という事で作者の作品を始めて読みました自転車ロードレースを扱った物で、競技の知らない私にも分かり易く読む事が出来た。更に、ミステリーの題材もありなんとも贅沢な作品。

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紙の本

自転車ロードレースの本質を伝える小説

2016/09/28 19:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る

自転車ロードレースを舞台にした小説です。日本ではあまり馴染みのない競技ですが、予備知識ゼロで読み始めても全く大丈夫です。物語の展開に応じて必要十分な競技についての説明があり、ロードレースにおけるスポーツマンシップ、騎士道精神みたいなピュアな部分を知る事ができます。また如何に過酷な競技であるかという点も。ストーリーも秀逸で、物語終盤にはロードレース中に起こった死亡事故についての大どんでん返しが。その展開には「そう来るか~」と唸りました。続編「エデン」も読んでみるつもりです。

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電子書籍

どんどん読み進められる!

2016/01/23 16:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆうかみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

どんどんスラスラ読み進められるました。
最後はスッと謎が解けました。

自転車競技に興味が出ました。

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電子書籍

サイクルロードレース

2015/08/30 15:17

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nazu - この投稿者のレビュー一覧を見る

著者のこれまでの作品を読んでいると、全体的に仄暗いというか、影がある印象があった。スポーツの世界と著者の作風ってあうのかな?と思っていたが杞憂!タイトルからもわかるとおり、ロードレースって本当に不思議なスポーツで、奥深い。

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紙の本

すんなりと頭に入ってくる

2015/03/26 10:57

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る

久々の一気読み作品。ロードレースについて全く知らなくても、すんなりと頭に入ってくる。ジリジリと謎に迫っていくあたりがページをめくる手を どんどん速くしていき、最後に明かされた真実が、このロードレースというスポーツのある意味残酷な面かもしれない。 早く『サクリファイス』シリーズを読破したい。

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紙の本

大傑作です。

2010/08/04 01:36

10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 この本、このミスでも確か1位だったし私がいまさらピーチク、パーチク
口さがなく言うことでもないのですが、すごいです!!。
 正に大傑作。長い作品でもないのですが、一気読みでしたよ!。

 元々、あんまり詳しくないけど、自転車レース(特にロードレース)が、
戦略性にとみ面白いことは知っていました。
 ちょっと時代背景は違うけど、「銀輪の覇者」っていう作品もあったし
(これも傑作に入れていいと思う)
高坂希太郎が監督した、「茄子 アンダルシアの夏」もあったし、、、、。
(これも、黒田硫黄の原作を読んだ時から、すごいって思ってたもん)

 モップシリーズは、知っていたけど、近藤さんが自転車レースを書くなんて
意外だったのと、ミステリのランキングで国内で1位って聞いても
正直、自転車レースって難しいのにうまく書けてんの?ぐらいにしか思ってなかったのですが、
 いやぁ、、正に脱帽!!。完敗です。本書傑作です。
 まだ読んでない方は、至福の時間が待っている幸せ者です。

 主人公は、陸上競技から転向した、プロの自転車ロードレーサー。
彼が、見る、チーム内での葛藤とその秘められた謎とは、、、。

 題名が示しているとおり、自転車レースって残酷な競技です。
 自転車が出す速度って丁度空気抵抗が効果を発揮する速度域でして
先頭を走ると恐ろしくその影響を受けます、そのため、チームでは、エースを勝たせる為
そのほかの選手は、そのまさに風除けとなりサポートするわけです。
 正に、エースが勝つ為のサクリファイス。
 この辺のチームとしての実情。
 それと、レース他チームも参加する大きな目で俯瞰した場合、
集団で走るときも交代で先頭を走り、消耗を避けます。
 が、一般的によくあるレース展開ですが、集団から抜け出て単独で仕掛けた場合、
その飛び出た、選手は、こちらも数人で先頭を交代で走るのですが、
集団で走り選手たちより先頭走る頻度が多く、消耗します。
 で、ゴール前では大きな集団に飲み込まれることがよくあります。
また、集団から飛び出した選手がたいしたことないと思われると、それを押さえる為に
有力チームから選手が出なかったりと、(本書ないにもあるエピソード)
本当にどっちかというとマラソンに似た、
非情に戦略性の高いスポーツなんです。
 前半はこの競技そのものの面白さがよく描かれていて、
尚且つ、後半は、ミステリ仕立てで怒涛の展開と成ります。このミステリ仕立てにしなくても、
十二分に面白いのに、どんでん返しの連続!。

 兎に角、傑作です。
みなさんに読んで欲しい。

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紙の本

勝利のための犠牲者たち

2012/03/17 23:07

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちゃき - この投稿者のレビュー一覧を見る

個人競技であるのに、団体競技のような性質を持つ自転車ロードレース。

チームのエースを勝たせるために「アシスト」と呼ばれる
他の選手たちは、あえて風力抵抗を受ける先頭を走ったり、
先頭集団のスピードをコントロールしたり、
トラブルの際には、自転車さえエースに差出す。

けれどあくまでも個人競技であるロードレースの世界では、
アシストの名が表立って語られることもその功績が称えられることもない。

自身の勝利にはこだわらず、影となりエースを支えるアシストと
アシストを踏み台にして勝利するエース。

その競技の性質上、チーム内には嫉妬や自己啓示欲など、
複雑な人間関係が形成されるだろうことも容易に想像がつく。

オリンピックも狙える、と将来を有望視された陸上選手だったにもかかわらず、
「一番でゴールすること」に意味を見いだせなかった白石。

そんな自分は何かがおかしいのだと思いつつ、
勝つことを目的とせず走るアシストならば、
もっと自由に走ることを楽しめるのではないかと彼は考える。

レースでの番狂わせで思いかけず注目を浴びることになった彼は、
自分の中の勝利に対する欲に戸惑い、彼を取り巻くチームメイトの思惑や
チームのエース石尾にまつわる黒い噂に翻弄され始める。

さらに事故で選手生命を断たれた選手や昔の恋人、香乃まで現れ、
舞台が整ったところで悲劇は起きてしまう。

才能に恵まれているのに、勝利を目指さない彼のことを、
周囲が「嫌味な奴」だと感じるのは当然なのだろう。

けれど、個人競技で絶対勝者となり得る人には、
持って生まれた才能だけでなく、尋常ではないくらいの
勝ちへの執念が必要なんだろうなと私は思う。

勝利は尊いものだとされているけれど、
誰もが勝者になりたいと願うかと言われれば、
必ずしもそうではないのではないか?

この作品のタイトル、「サクリファイス」とは犠牲とか生贄、
あるいは捨て駒を意味するので、最初はエースの踏み台となる
アシストのことを指しているのだと思っていた。

けれど、読み進むうちに決してそれだけではないことに気付く。

多くを踏みつけ、犠牲にしてまで勝つことを義務付けられたエースは、
果たして幸せなのか?

人を犠牲にして手にする栄光から生まれるプレッシャーや妬み、
あるいは良心の呵責に耐えるより、いっそ犠牲者となる方が楽ではないか?

このことを、白石は「月の兎」の伝説になぞらえて語っている。

  “だれも、他人の肉を喰らってまで生きたいとは思わないだろう。
   月のうさぎは、美しい行為に身を捧げたわけではなく、むしろ、
   生々しい望みを人に押しつけただけなのだ。その望みを一身に
   託されたエースもまた、勝利のための犠牲者と言えるのではないか。”

そして、事故の謎が明らかになる過程で徐々に見えてくる、
本当の"サクリファイス"。

まさに「月の兎」のような展開に驚かされる。

個人的には、香乃に関する部分になんだか後味の悪さが残ったけれど、
そんなミステリーには多少必要などろどろした人間模様よりも、
それ以上に、「ただ走りたいだけ」という、
白石の純粋に走ることを愛する気持ちが
悲しいほどの清々しさを残してくれる作品だった。

ロードレースとかスポーツとか興味のない人でも、
ミステリ好きでもそうでなくても、楽しめる一冊だと思う。

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紙の本

「白石、 食らいついてこい」

2018/11/28 10:38

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:如月 弥生 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「サクリファイス」を読むまで、私にとって自転車ロードレースは、ドーピングによるブラックなイメージしかありませんでした。

日本で、この競技の情報は一般向けには、ほぼありません。にも関わらず、7年間にわたる総合優勝記録を持つ絶対王者のドーピングが発覚した時、このニュースだけは目立って報道されたため、スポーツとして良いイメージを持たなくなりました。

「サクリファイス」は、そんなダーティなイメージを払拭し、夢中にさせる魅力があります。もちろん、ドーピングなど存在しない綺麗な世界として描いているわけではありません。「サクリファイス」に続くシリーズでも、常にドーピングのことは書かれています。それでも、小説に登場する白石、伊庭、石尾、彼らの魅力のおかげで物語にのめり込み、競技としても興味を持ちました。自分でもロード・バイクに乗りたくなってしまったほどです。

一見、個人競技のように見える自転車レース。その中の多くの選手は優勝を目指していません。彼らは自分を犠牲にしてエースを優勝へ導くアシスト役を務めています。

主人公の白石もその一人。しかし、彼はチームオーダーだからアシスト役に徹しているのではありません。心底、エースを優勝させることに喜びを感じています。

題名のサクリファイスはそんな彼らの行動を言っているのだなと思いきや、とんでもない展開でした。衝撃的です。小説のタイトルとなったサクリファスが意味することとは…

この物語は超弩級的な「エントラスト」ではないか? 石尾の「白石、 食らいついてこい」の一言が蘇ります。

もし「サクリファイス」を読んで、白石が背負った運命に涙したなら、このシリーズの残り全てをまとめて購入することをお薦めします。しばらくの間、現実の世界に戻ってこれませんよ!

自転車ロードレースのルールやレース展開のセオリーなど、何も知らなくてもこの小説は楽しめました。楽しんだ上で、競技自体の楽しみ方も知ることができました。プロトンから逃げ集団が形成され、それを追う追走集団。ほんの数名で構成される逃げ集団がほとんどの道のりをリードしておきながら、最終的にはゴール直前に大集団のプロトンに吸収される。しかしプロトンでサポートされながら走ってきた優勝候補たちの中から勝者が必ず出る訳でもなく、その駆け引きが面白い。

近藤史恵さんの文章はとても軽快です。回りくどい表現や、しつこくダラダラとした部分もなく、テンポよく読めます。文字数は少ないかもしれませんが、物足らなさを感じることがありません。大好きな作家の一人です。

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紙の本

走っている身からしても面白い

2017/09/30 16:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ライサ - この投稿者のレビュー一覧を見る

エンゾ早川氏が否定していたのであまり期待せずに読み始めたのだが。
ぐいぐい引き込まれる展開。
著者はロードに乗ったことがない状態で書いたらしいが、それにしてはよくここまで調べ上げたなという緻密な描写。
ロードレースの本質を伝える名作として「シャカリキ!」に勝るとも劣らない名作である
私は実際にロードレースにもちょこちょこ出る程度には走っているが、その身からしても面白いのだ
なぜ大した結果も出せていないエンゾ氏が否定しているのかわからんが、先入観なしで読んでみることをお勧めしたい

ただ一点だけ。あの局面でエースはボトルを落とし、単純な水を新調すればよかったのではとも思うが、これは無粋かもしれない

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電子書籍

やばっ

2017/04/10 15:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:よしろい - この投稿者のレビュー一覧を見る

すごい。最初から最後までずっとおもしろかった。最後は感動した。

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