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商品説明
【静岡書店大賞小説部門(第5回)】伝えられなかった大切な人ヘの想い。あなたに代わって、お届けします−。ラブレター、絶縁状、天国からの手紙…。鎌倉で代書屋を営む鳩子の元に、今日も風変りな依頼が舞い込みます。『GINGER L.』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
夏 | 5−63 | |
---|---|---|
秋 | 65−129 | |
冬 | 131−195 |
著者紹介
小川糸
- 略歴
- 〈小川糸〉作家。デビュー作「食堂かたつむり」でイタリアのバンカレッラ賞、フランスのウジェニー・ブラジエ小説賞を受賞。ほかの著書に「サーカスの夜に」、エッセイに「これだけで、幸せ」など。
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書店員レビュー
丸善ジュンク堂書店のPR誌「書標」2016年5月号より
書標(ほんのしるべ)さん
鎌倉で文具店兼代筆業の「ツバキ文具店」を営む雨宮鳩子のもとには、今日も一風変わった不思議な依頼がやって来る。ペットのお悔やみ状からお金の無心への謝絶状、亡くなった夫から妻へのラブレター等々…。
様々な事情を抱えた依頼人になり代わり、言動の裏にこもった思いを汲みとりながら、今日も日々奮闘する鳩子。そしてそんな彼女の日常を彩るちょっぴり変わった友人・知人たち。
古都鎌倉の四季折々の美しい景色・風景を背景に、手紙に込められた人々の様々な思いが交錯する、ちょっぴり笑えて、ほろりと泣ける素敵な物語。
本書を読んだ後は、きっと誰かに手紙で思いをつたえたくなるはず。
紙の本
馴染みやすい、読みやすい
2024/01/31 22:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sampo - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKのドラマをきっかけに読むこととした。文体が好ましく、少し幼いと感じるところもあるが、馴染みやすい。
紙の本
人生の節目に、小さくても大きな力となる代書屋「ポッポちゃん」。 助けたつもりが助けられている。 過去と他人は変えられない。未来と自分は変えられる。
2022/01/04 10:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
雨宮鳩子。ニックネームは「ポッポちゃん」
ツバキ文具店の店主にして、江戸時代から続くとされる代書屋の十一代目。
「先代」から引き継いだというより、仕方なく再開した代書屋。
先代はポッポちゃんの祖母。
「おばあちゃん」なんて甘えられる環境ではなかった。
両親の顔を知らない彼女にとって、先代とは絶対的師弟関係が存在したからだ。
一度はタンカを切って飛び出した。
だが、先代の訃報を受け代書屋を再開することに。
嫌で嫌で仕方なかった幼き日からの訓練が、ポッポちゃん自身を助けていく。
次から次へと現れる、ありとあらゆるお客様たち。
一つとして同じ悩みはない。
人生なんて後悔の連続。
せめて一筆、手紙でもかけたなら。
そんな悩みに寄り添って、心尽くしの文具を使い、切手1枚にもこだわり抜く。
手紙は指先一つで消去などできないのだから。
そんな人生の節目の小さくて大きな力の代筆屋。
「過去と他人は変えられない。しかし、未来と自分は変えられる」(カナダの心理学者 エリック・バーン)
助けたつもりが、助けられている。
人生なんてそんなもの。
ほんの少しの気遣いと、真心と、決断と。
今ここにあるものを大切に生きることで、きっと人生を変えていくことができる。
そう思わせてくれる、優しくて力強い一書。
紙の本
人物だけでなく、道具や食べ物などにも惹かれる本
2021/07/16 23:45
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投稿者:みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
代筆屋を営んでいるお話です。
単純に、お話だけでも面白いのですが、
その依頼者になって手紙を書く。ということで、
本の中に、手書きの挿絵(挿文?)が入っているのが、とくに惹かれました。
悲しんでいる文字、怒っている文字、それぞれ特徴があって、本文のワープロ文字とは違った思いが伝わってきます。
また、手紙だけでなく、依頼者に出す飲み物も、葛湯、甘酒、ココアなど、様々で、食べ物についての描写も、読み手をほっこりとさせてくれました。
依頼に合わせた、紙や、筆記具の描写も素晴らしく、依頼者の気持ちになって代筆する。という主人公のチョイスがまた格別です。
お気に入りの部分は、お金を貸して欲しいと言ってきた相手への、断り状です。
力強い文字で書かれていて、さらに、切手も500円の金剛力士像で、厳然たる謝絶状に相応しい。という場面です。
代筆屋とは、ただ綺麗に書いてあげるだけではなく、依頼者になって、紙、筆記具、封筒、切手、筆跡にいたるまで、完璧にしてこそのものだと、驚かされながら、楽しく読むことができました。
紙の本
しみじみと心に染みた!
2020/11/04 19:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まだ、なりたての小川糸さんのファンです。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生、恥ずかしいこともあり、後悔しきれないこともあるんだな、と同感! そっと、胸に秘めて、心に納めていたいことも、あってもいいと思えた!
出てくる筆記具、文房具に、ワクワクした。 私も、ゆったりと、墨を磨って、書いてみたくなった。
本から、いろんな言葉のギフトを貰った。 心を捉える多数の言葉に、付箋を貼りまくっていた~。
紙の本
鎌倉を舞台に、そこでの文具店を営む鳩子の何気ない日常を描いた作品です!
2018/12/21 09:46
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、小川糸氏による心温まる物語です。鎌倉で小さな文具店を営みながら代筆で生計を立てている主人公、鳩子の日常生活を生き生きと描いたストーリーです。代筆業という今では一風変わった生業を通じて、様々な思いをもった人たちと交流したり、また鎌倉の近所の方々との何気ないおしゃべり、さらに祖母から習った習字のことなどが見事に織り交ぜられ、鳩子という人物を浮かび上がらせています。ぜひ、多くの方々に読んでいただきたい傑作です。
紙の本
文字で伝える
2018/05/21 09:01
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
鎌倉の街並みにひっそりと佇んでいる、代書屋の風景が味わい深かったです。SNS全盛の時代に、手書きの文字の温かさが伝わってきました。
紙の本
文字に乗って届く想いは美しい
2017/11/27 12:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mincepie - この投稿者のレビュー一覧を見る
反発していた先代の代書屋を引継ぎ、周りの人達の色々な想いと共に鳩子が成長していくお話。
それぞれの依頼人から頼まれて書いた手紙(文字)を挿絵の感覚で見られることで、代書屋の細やかな仕事ぶりが伝わり、より想像が膨らみました。
鳩子が亡き先代に向けて書く手紙には心を打たれます。
登場人物も舞台の鎌倉も、とても親近感がわく設定で、近所の住人のような気分になり‘ツバキ文具店’をのぞいてみたくなりました。
紙の本
手紙を書きたくなる
2017/10/20 20:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:L - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただ依頼された文章を書くものだと思っていた大間違いでした。筆記用具や紙、書き方など興味深かったです。思わず誰かに手紙を書きたくなる作品。
紙の本
面白いけど、もう少し
2017/07/29 23:40
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:栞ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
話そのものは面白いです。
ただ登場人物の関係性の描写がものたりないかな。
せっかく魅力的な人物を登場させているので、それぞれの人物をもっとうまく絡ませてもらえると面白かったのではないかと感じます。
物語の舞台となっている鎌倉に行ってみたくなります。
紙の本
いいですね
2017/07/17 06:38
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:りな - この投稿者のレビュー一覧を見る
鎌倉を舞台にした主人公代筆屋の女の子をとりまく物語です。
いいですねえ、読むと鎌倉に住みたくなります。バーバラ婦人とのご近所付き合いも素敵です。鎌倉住みたい・手紙を書きたい・日々を丁寧に暮らしたい・・そう思わせてくれる作品です。
紙の本
温かい気持ちに
2017/06/19 15:29
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投稿者:まおり - この投稿者のレビュー一覧を見る
読んだ本が後に、ドラマや映画」になるのはあまり好まないがこの本はドラマを見た後
読みたくなった本だ。温かい風が流れている世界なのだ。若いころは手紙を私はあまり書かなかったが、義母がよく手紙を書く人で嫁いでからなにかにつけ礼状、季節の手紙と書くようになったためこの本とダブル気持ちがあり、何となく懐かしく、良い気持ちになる本だった。勉強になったし、鎌倉にまた行きたくなった。
紙の本
本屋大賞を逃すも素敵な小説
2017/05/26 10:24
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うりぼう - この投稿者のレビュー一覧を見る
2017年の本屋大賞は恩田陸の『蜜蜂と遠雷』でした。打倒直木賞を謳い文句に2004年にスタートした本屋大賞も今年で14回目。同作品が直木賞とW受賞したため、知られていない本を発掘するという本来の意義が失われたと揶揄する声も聞こえています。直木賞へのアンチテーゼとしての役割に徹して欲しいと自分も思います。
密かに本年度の本屋大賞受賞を期待していたのが昨年4月に上梓された小川糸さんの『ツバキ文具店』でした。結果は惜しくも4位でした。『ツバキ文具店』はぶらっと本屋に立ち寄ったときに買い求めた小説です。選書の決め手はずばり装丁の美しさでした。昭和レトロ風のタイトル書体とペン書きの表紙イラストだけでも衝動買いに値すると思いました。さらに頁をパラパラめくると、薄墨で書かれた手紙や万年筆書きの原稿用紙が目に飛び込んできます。風変わりな構成に興味をそそられました。
手に取って読み始めると、鳩子さん(通称ポッポちゃん)という主人公の女性が先代の跡目を継いで店番をする傍ら、代書屋を営むという筋書きでした。舞台は鎌倉、目次の裏には素敵なイラストマップまで添えてあります。妻に先立たれたカフェの店主とその幼娘、隣家のバーバラ婦人、正体不明の男爵というあだ名の先代の茶飲み友達といった脇役たちが新米代書屋ポッポちゃんを優しく見守ります。
メールやLINEの普及で手紙を書く機会は減る一方です。お世話になった人に贈り物をするとき、一筆箋を添えるくらいが関の山です。そんなご時世に、ポッポちゃんのもとには次々と代書の依頼が舞い込みます。お悔やみの手紙、離婚を伝える手紙、借金お断りの手紙などなど、ポッポちゃんは、その都度、居住まいを正して沈思熟考、文机に向かいます。手にする筆記具や用箋も手紙の内容にふさわしいものを選んで、投函まで依頼人の気持ちに寄り添って工夫を重ねます。このあたりが文房具好きには堪らない描写です。誰にも何度か訪れる人生の転機にこんな手紙を認めることが出来たなら、送り手も届いた手紙を受け取った人も心が豊かになること請け合いです。
NHKがドラマ化(全8回)したので毎週楽しみに視聴させて貰っています。配役といい古都鎌倉の風情といい、ドラマの方も出色の出来栄えです。
紙の本
ほどほど
2017/05/19 20:20
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:てくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
NHKでドラマ化していると言う事で、期待して購入しましたが、あまり感動する中身ではありませんでした。次回作を期待します。
紙の本
代書屋のお話です。文は人なりとは、文章と文面の両方のことなのですね。
2017/05/18 22:15
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
本編と本文中の仕掛けが楽しくて、普段と違った思い出の深い
一冊となりました。他にはブレイクとなった「食堂かたつむり」を
読んでいますが、ゆるやかでノスタルジックな作風ということが
共通しており、安心して読めることが魅力の作家さんです。
ただ一つ、このタイトルはいまいちと思います。
確かに主人公は文房具屋さんですが、副業とも本業とも
つかない代書屋業の方が本編の中心なのです。
文房具のうんちくに期待をしている部分があるので、
がっかり感を受けてしまうことがちょっともったいないですね。
雨宮鳩子、愛称ポッポちゃん。
鎌倉の鶴岡八幡宮から北東に川沿いを登った先で、
ツバキ文房具店を営んでいます。先代は祖母で、
ものごころついた時から書を叩きこまれました。
母代わりに甘えさせてもらえず、そもそも母と過ごした記憶が
ないのです。子どもの頃は祖母と一緒に暮らしていましたが、
ある時、家を飛び出して海外に移り住んだのです。
半年前に先代が亡くなり、双子のスシ子おばさんが残務整理
を手伝ってくれたことで、ポッポちゃんはお店を再開できました。
自分から逃げていたのに、自分の大事なものを失くしたくなくなって
ぎりぎりのところで踏みとどまったのです。
代書屋は、お客さんの気持ちになって手紙を書く仕事です。
どうしてもうまく書けない理由はいろいろです。
必然的にお断りや不祝儀の依頼が舞い込みますが、
どんな依頼があるのかも見どころです。
さらに手紙と筆記具にも並々ならぬこだわりを見せ、それが形と
なった書面を活字ではなく手書き文として見ることができるのです。
豪快な字、繊細な字、相手をいたわるような字。
文章と文面が堪能できる作品です。文は人なりを実感できます。
紙の本
癒される一冊
2017/05/14 16:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いなみの - この投稿者のレビュー一覧を見る
癖のない素直な書き方で日常と非日常の間を往来する主人公の生きざまに共感できる場面もあり、最後厳しかった祖母の本心を綴った手紙に見えた心の行き違いが強い祖母と言ふ鎧の下の繊細な弱みをさらけ出した場面に人の弱みを見た気がしました。久々に読後感の素晴らしい一冊を手にした気がします。