- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
ひとりでいるのが こわくなるような たくさんの友達よりも、ひとりでいても こわくないと思わせてくれる 何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね。
2022/03/04 18:29
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
内向的な専業主婦である主人公が家事代行サービスで働く事となるが…。物語の視点が現在の小夜子と過去の葵とで交互に進んで行くのは新鮮だった。現状を変える「踏み出す一歩」って難しい事だけどとても大切なコトなんだよね。
電子書籍
良かったです!
2022/01/01 13:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて角田さんの本を読みました。
読み始めたら止まりませんでした。
心理描写が綺麗でした。
ナナコと別れた時のシーンは切なくて、何度読み返しても涙が溢れてきます。
好きなシーンは、義母の家であかりの運動会のビデオを見た時の、小夜子がビデオ越しに葵の姿を見た時の反応。自分にもこういうことあったな、と思いました。一度かけたフィルター越しに人を見ると、見方を変えることは難しい。でも小夜子が気づけて良かった。その後小夜子が一歩踏み出したことが嬉しかった。
読後はじんわりと、前向きな気持ちになりました。
角田さんの別の本も読んでみたいです。
紙の本
素晴らしい作品
2021/02/16 11:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sosen - この投稿者のレビュー一覧を見る
高校生のアオちんとナナコに胸を締めつけられる。危うくて、混ざりけがなくて、美しい。
そして、時が経っても、立場が違っても、理解し合える。共感でき力強くて素晴らしい本。
森絵都の解説もいいです!
紙の本
自分と重ね合わせてしまう
2020/05/12 20:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
あるあるこうゆう事、いるいるこうゆう人、いたいたこうゆう人、あったあったこうゆう事。実は色々な事抱えてるんだよね、でも隣の芝生は…。芝生でなく対岸なんですよね。時にいらつき時に共鳴しながらぐいぐい読めた一冊でした。
紙の本
そうなんだよなと何度も頷いてしまった
2019/08/17 22:51
7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学時代、高校時代、いろんなことを語り合ってきた「こいつとは一生の友になるんだろうな」と思っていた友達も生活環境が変わって、大学生になり社会人になってしまうと疎遠になって日ごろ思いだすこともなくってしまう。それって寂しいことだけど仕方がないことかもしれない。いつも私が思っていることを小説にしてくれたのがこの作品のような気がする。同じ方向を向いていると思っていた友達が実は全然違う方向を向いていたということは今では当たり前に思えることをあの頃は全く考えもしなかった。この作品を読んでそんな友人の何人かに連絡を取ってみようかと一瞬思ったが、すぐにやめた。私たちは全然違う世界に生きているのだから。今は。
紙の本
自分を解き放て!
2017/06/08 14:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
解放の物語だと思う。二人の主人公がそれぞれ、対岸の彼女であるところの、自分とは違う世界にいる女性と出逢う。そして、見るからに自由な彼女と行動し、別れを体験することで、自分を苦しめているもの、自分を苦しめる世界に押し留めているものは自分自身であることに気づく。対岸の彼女も自分と同じものに囲まれていることに気づく。違いは向き合い方なんだ、と気づく。そんな物語だ。
この作品を読んで、私がかつて実際に出逢った私にとっての対岸の彼女を思い出した。
電子書籍
おすすめです!
2017/03/30 21:45
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マミ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第132回(2004年下半期)直木賞受賞作品。当初、単行本を購入したものの、仕事が忙しく、全く読まずに処分してしまった。再購入して今回は読了。10年以上前の作品なので時代背景には古さを感じたが、内容は今もこれからも通づるテーマ。さすが受賞作品!
紙の本
角田さんの光
2016/10/11 07:04
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第132回直木賞受賞作。(2004年)
今や女性作家としての人気もその重厚な作品造りも抜きん出ている感のある角田光代がこの作品で直木賞を受賞した際、「角田さんの嗅覚」と題して選評を書いた林真理子選考委員は「少女の頃からどこかに属していないと、女たちは非常に生きにくいという現実を踏まえながらもこの小説には救いがある」と絶賛した。
同様の評価もほかにもあって、積極的な評価ではなかったものの田辺聖子委員の「読者も生きる力を与えられ、読後感は爽やかだった」というのは、なるほど、確かに長い作品の最後の最後で前に進もうとする勇気を与えられた作品だと思う。
物語は35歳で専業主婦の小夜子が育児や家事だけでなく生きる糧のようなものを求めて働き始めようとして出会う、同年の葵とのシンクロしていく感情を、小夜子を中心とした「現在」と高校生の葵を中心とした「過去」を、相互に描くことで、女性たちの心理に踏み込んでいく。
男性の目からすれば十分に理解できていないかもしれないが、女性の側からすればこの小説はどれほど琴線に触れたことだろうと思える。
小夜子は子供を育てながら、何故自分たちは年齢を重ねるのかと自問するが、最後一旦葵から離れながらもまた葵と向かい合うことを決めた小夜子は、その問いにこう答えを出す。
「出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ」。
まさに角田光代の光がここにはある。
その光はこのあともすっと伸びて、今に続いている。
紙の本
本屋大賞を見て読みました。
2014/10/20 23:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞を見て読みました。
仕事をする女性と仕事をはじめる主婦の話。感情表現が抜群にうまいです。
紙の本
岸を渡る女たちの物語、角田光代「対岸の彼女」
2010/07/12 18:14
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
05年の第132回直木賞受賞作品。専業主婦の小夜子の物語と高校生の
葵の物語が交互に描かれる。このスタイルがとても効果的だ。小夜子の
物語は現代、葵の物語は過去。そして、小夜子の物語には35歳になった
葵が登場する。
「対岸の彼女」とはなんともうまいタイトルだ。現代の2人はまさに
「対岸」にある。小夜子は子育てと姑のいやみに疲れ、周りともうまく
やっていけない主婦。一方の葵は旅行事務所を切り回す明るくパワフル
なビジネスウーマン。小夜子が再就職を決意し面接に行ったのが葵の会
社だったのだ。しかし、タイトルの意味はそれだけではない。対岸にい
るような葵は、実は高校時代は小夜子と同じ岸にいたのだ。その葵がど
うして今の葵になったのか。そのプロセスを一方で描きながら、もう一
方では現代の2人の友情と亀裂を描いていく。現代と過去が交互に語ら
れるスタイルだからこそ、物語はよりリアルでスリリングになった。過
去の葵の物語が確実に現代の物語を支えているのだ。
物語の後半で小夜子は何度も自分に問いかける。「なんのために私た
ちは歳を重ねるんだろう」と。その答えがこの小説のラストにある。向
こう岸へと、力強くオールを漕いで渡る勇気をこの物語は与えてくれる。
ブログ「声が聞こえたら、きっと探しに行くから」より