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紙の本
短編の名手
2011/09/24 05:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:garuhi - この投稿者のレビュー一覧を見る
巻頭の「鮒」「ビリケン」が際だってみごとである。ありそうにも無い設定を、日常ごとのように読者を誘い込む筆者の筆力に驚かされる。それとは逆に、何の変哲もない日常の中に、人間の・男の・女の性を浮き彫りにする著者の作家としての眼は、尋常ではないことを実感させられた作品集であった。
電子書籍
人生は選択の連続。泣きごとは許されないのだ。
2023/08/18 09:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
晩年の小説とエッセイを収録した短編集。
上品でしなやかな向田邦子の世界を堪能できる。
「黄色い服」というエッセイでは、著者が幼き時を受けた厳しき父からの思い出である。
洋服ひとつを選ぶのも「選択」なのだと。
「選んだ以上、どんなことがあっても、取りかえを許さない。泣きごとも聞かない」
「この頃になって、これは、洋服のことだけではないと気がついた」
人生は選択の連続。泣きごとは許されないのだ。
紙の本
このあとどんな作品を書いたのか想像するのも楽しい
2022/12/14 17:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
向田邦子さんにはたくさんの小説が残っているわけではありません。
本としても数冊で、
中でも直木賞を受賞した「花の名前」「犬小屋」「かわうそ」を収めた
短編集『思い出トランプ』は秀逸です。
そして、その続きとして「小説新潮」の1981年に書き始めたのが
この本の収録されている短編4篇で、
「男どき女どき」として総タイトルがつけられていました。
4つの短編は、
何者かによって自宅の台所に運びこまれた一匹の鮒から
昔付き合った女との交流を浮かびあげる「鮒」、
毎朝目があう果物屋の店主との不思議な縁を綴った「ビリケン」、
夫とその部下の男との奇妙な関係の間におかれた妻を描いた「三角波」、
なかなか子どものできない夫婦の微妙なバランスは「嘘つき卵」として描かれます。
こういう作品を読むと、
生涯独身であった向田さんにとっての「夫婦」とは
自身の両親であったり友人の夫婦であったり
客観的な視点で、時には冷たく、突き放せる対象だったのかもしれない。
一体向田さんの頭の中に
そのあとどのような男女の姿、夫婦の姿があったのだろう。
それはけっして私たちが読むことのできない世界だが、
それを思うだけで少し楽しめるのが
向田さんの魅力だといえないでしょうか。
この文庫にはそのほかにも
珠玉とされるエッセイが数多く収められています。
文庫解説の向田さんの挿絵を描いた風間完さんの文章も
一読に値いする名文です。
紙の本
必ずハッピーエンドだそうです
2022/06/18 19:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tkm - この投稿者のレビュー一覧を見る
家族に頼まれて買いました。コロナ禍が始まってから向田邦子さんの作品の人気が上昇しているそうですが、私の家族も「必ずハッピーエンドだから」と楽しんでいます。
紙の本
人生は選択の連続。泣きごとは許されないのだ。
2022/05/19 10:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mitu - この投稿者のレビュー一覧を見る
晩年の小説とエッセイを収録した短編集。
上品でしなやかな向田邦子の世界を堪能できる。
「黄色い服」というエッセイでは、著者が幼き時を受けた厳しき父からの思い出である。洋服ひとつを選ぶのも「選択」なのだと。
「選んだ以上、どんなことがあっても、取りかえを許さない。泣きごとも聞かない」
「この頃になって、これは、洋服のことだけではないと気がついた」
人生は選択の連続。泣きごとは許されないのだ。
紙の本
短編とエッセイ
2019/10/21 20:02
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
挿絵担当の風間完さんが、題名に思い出トランプより暗い感じを受けたこと、海へ向かって飛ぶ鳥の絵を描いたが墜落する飛行機のように後に思えたことなどを解説で書かれています。突然の逝去へのやりきれない思いが伝わってきました。
紙の本
飛行機が落ちなかったら
2015/11/17 01:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編でも掌編でも、さらにはエッセイでも、向田邦子さんというのは本当に味のある、上手い文章を書き手いた人だと思う。本書では「鮒」が最高傑作だが、当方としてはエッセイが最も優れた作家と受け止めている。台湾での飛行機事故がなかったらと、今なお悔やまれるのは、それだけの才能の持ち主だったからだ。
紙の本
向田さんの遺作
2002/07/28 02:06
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
結婚して5年。子供ができないことを悩む妻。自分に原因があるのか、それとも夫なのか。病院に行きたいのだがなぜか夫は拒み続ける・・・。そんなある日、妻は過去に夫が女性を妊娠させていたことを知り、ある行動に出る。向田さんの遺作「嘘つき卵」は、何か微妙な感情や気持ちが伝わってくる作品でした。向田さんはやはり短編の名手だなと感じます。文章に無駄がないというか・・・。人間心理を実にうまく書き上げる希少な作家だと今でも思います。