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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 改版 みんなのレビュー

文庫 第24回毎日出版文化賞 受賞作品

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みんなのレビュー174件

みんなの評価4.1

評価内訳

174 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

イタリアの信長あるいはマキアヴェッリの理想君主

2008/10/31 13:43

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 マキアヴェッリが『君主論』を著した頃、彼の理想とする君主はイタリアには現れなかったが、遠く離れた日本で同じ頃、ある人物がそれを具現化した。それが織田信長である、と書いていたのは司馬遼太郎だったか。
 だが、マキアヴェッリは若い頃すでにその理想像を別の人物のうちに見ていたのである。しかも、フィレンツェの外交官であった彼は、その理想君主とは浅からぬ関係にあった。不朽の名著『君主論』は、そのような交流から半ばは生まれたものといえよう。
 理想君主の名はチェーザレ・ボルジア。ローマ教皇である父の権威と、機略謀略、絶妙な外交手腕により、16世紀前半イタリア半島に乱立した諸国を次つぎと併合し、周辺諸国の多大な脅威となるも、結局は父教皇の死により没落したボルジアの国王である。
 この一代君主の年代記を読んだとき私は、彼の生きた16世紀のイタリアが信長の生きた戦国時代後期と著しい類似点をもち、彼のたどった運命も信長のそれと似ていることに非常な共感を覚えた。
 信長とチェーザレ。どちらも自己の出自や家柄を利用しながら、その政治的能力によりのし上がった乱世の雄である。
 信長が天下布武を掲げ国家統一を目指したのと同様、チェーザレも当時誰も想像しなかったイタリア統一を夢見ていた。その目的のためにどのような犠牲や破壊も容赦しない冷酷さとともに、宿敵との同盟や懐柔をおこなう優柔不断さも、両者は備えていた。
 そして、信長が家臣の反逆によりその野望と生を終えたのと同様、チェーザレも教皇である父アレッサンドロ6世の死というアクシデントによりあっけなく権力の座から転落してしまった。(彼がその後も生き延び、権力回復の戦いをした点はちがうが、それでもその死の場面は、ドラマなどでおなじみの敦盛を舞い自刃した信長を思わせる華麗な最後であった。)
 このように似た者同士の専制君主だが、それぞれの死後、両国のたどった道は大いに異なる。日本では信長の死後、豊臣秀吉、徳川家康によりその遺志は引き継がれ天下統一が完成した。その後日本は3世紀にわたる平和と繁栄を享受する一方で、イタリアは統一のないまま、19世紀まで分裂状態を続ける。
 このような歴史の相違は単なる偶然ではなく、日本とイタリアの文化的・社会的な土壌に起因している。日本の場合、一人の政治的天才の暗殺という偶発的事件によっても、国家統一という流れは断ち切れなかった。なぜなら、すでにどの大名の頭にも、政治的統一が一つのコンセンサスとして存在していたからである。その精神的支柱となっていたのが、天皇であることはいうまでもない。
 他方、イタリアにおいては統一という概念さえ一般に存在していなかった。本書には、チェーザレがイタリア統一という言葉を口にして、マキアヴェッリを戸惑わせる場面が描かれている。
 チェーザレもローマ教会という西ヨーロッパにおける精神的支柱を最大限に利用したが、これは彼個人の力を(それも法王が生きているかぎりにおいて)増長させるのに役立ったにすぎず、しょせんイタリア統一の求心力とはなりえなかった。教会の権威は、民族を超越したものであるゆえ、民族統一の精神的支柱となりえないのは当然だが...
 チェーザレ・ボルジアという、恥ずかしながら名も知らなかったイタリアの一君主の軌跡を描いた本書は、今まで読んだ塩野作品の中では地味な内容で、中身そのものに惹きつけられたとは言いがたい。それでもこのように、我が国の特異性を考える刺激的な機会をあたえてくれた。
 ふたたび感謝、感謝の書であった。

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紙の本

凍れる魅力

2019/04/18 12:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る

塩野作品の最高峰。
ローマ法王の隠し子という生い立ちのチェーザレ。彼のイタリア統一を目指し謀略と戦いに明け暮れた一生を描く。

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紙の本

マキャベリ的理想の君主

2017/06/03 18:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:サラーさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ローマ人の物語の著者 塩野七生さんの著作。読みやすい文章でルネサンス期イタリアの風雲児 チェーザレ・ボルジアを描いております。優雅なる冷酷のサブタイトルに恥じない実弟殺しや統治のために執政官に任命した部下を平然と処刑、反乱を起こした傭兵隊長たちを和解と見せかけてみな殺しにするなど一筋縄では理解できないチェーザレに魅了されること間違いなしです。

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紙の本

塩野七海さんの最高作(だと思う)

2016/06/18 11:55

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぴーすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

数ある塩野作品で、私の最も好きな作品です。
司馬良太良作品でいえば、「坂の上の雲」でなく「燃えよ剣」
に位置する作品とでもいうか・・・
歴史好き、文学好きな貴女なら、ぜひ。
・・というのもローマ人の物語のように男性全般受けしやすいかというと
そうではない気がします。
女性は好きですね、たぶん。

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紙の本

行動の人

2016/04/30 20:11

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:あや - この投稿者のレビュー一覧を見る

「海の都の物語」が面白かったので、こちらも手に取ってみました。
チェーザレ及び時代背景については、
十分な知識を持たずに読み始めましたが十分楽しめると思います。

欧州ではそれにしても法王の権力ってすごく強かったのね...

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紙の本

歴史が好きじゃなくても面白い

2001/07/18 11:22

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くもざる - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「ボルジア家」といえば、悪名高い歴史上の一族。ちょうどダ・ヴィンチと同時代だ。非情な策略を練るとか、毒をもって敵を殺したとか、兄チェーザレは妹ルクレチアと近親相姦だったとか、チェーザレは邪魔な弟を殺したとか、それはまぁ公私ともどもゴシップだらけの悪者一家だ(特にチェーザレ)。

 しかし、歴史とはもともとゴシップの集まりだし、嘘でも皆が噂をし出すと「事実」となる。確かにボルジア一族の人たちは野心が強く、人を操る術を心得ていたように思う。だけど、噂ほど心無い悪党というわけでもないと思う。ただ、自分の野心に忠実だっただけだ。

 それでは、ボルジア一族ってどんな人たちか? この本は、それを解き明かしてくれる。といっても、ただ史実を並べただけの退屈な歴史書ではなく、先に先にと読みたくなる小説になっている。チェーザレはどうしてこういう手段を選んだのか、何がしたかったのかということをチェーザレの気持ちになって読み進むことが出来る。はっきり言って面白い。これがまた、チェーザレが格好良いのだ! タイトル通り、まさに「優雅なる冷酷」。

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紙の本

毒殺のボルジア家がこよなく好きになってしまう....そんな危険を試したいあなたの為にある一冊

2001/05/20 11:37

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ゆたやん - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ボルジアである。毒薬カンタレッラで有名なあのボルジアである。そして、その中でもっとも禍禍しくかたられる青年チェーザレのその苛烈な生涯について書いたのがこの本である。

 絶品である。この書を読み終えれば、あなたもボルジアが好きになる。海の都の物語で銭金商人国家ベネチアをローマ帝国の後継者として高みに登らせた塩野さんは、もっと初期の作品であるこの本では、毒殺者ボルジアの真実を書き、事実を語り、そして、夢を語らせた。

その夢の名前はイタリアである。この4文字の夢は、歴史の中、チェーザレを疾風のように走らせ、マキャベリに歴史上最も熱く危険な書物を著させ、ダ・ビンチを戦いに駆立てた。イタリアを建国したのはおなじみガリバルディとエマヌエーレだが、イタリアを最初に具体的に作ろうとしたのはチェーザレなのだ。

 その彼が30代で死ぬまでに作り上げた楼閣はなにひとつ残らず消え去った。そして夢の名前でしかなかったイタリアは夢の名前のまま残った。

 その流星のごとき生涯を、熱く、優雅に、しかも冷静に書いたこの本は、まだ人生に夢を抱く あなた にこそ読まれるべきである。
 前はハードカバーでいまいち値段も張っていたが、今や文庫だ、値段も安けりゃ重さも軽い。通勤時間に心を熱くしたいあなたはこの本を「買い」だ。

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紙の本

マキャベリに君主論を書かせた人

2024/01/24 16:38

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る

ボルジアの毒薬 で代表されるように悪名高き一族の中でもっとも悪名が高い人であるが、その冷徹 冷酷なやり口で「イタリア統一」を図り、同時代人であるマキャベリに君主論を書かせた人である。作者塩野七生の初期の作品であるが、物語 小説というよりは、「歴史書」としての特徴をよく備えている作品である。

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紙の本

かっこいい題名

2019/09/23 20:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る

世界史に疎い無知な私でもチェーザレの魅力のとりことなり大変楽しめました。何しろ題名がかっこいいですよね。最後の場面が淡々として悲しく、もしもっと生きられていたら歴史はどう変わっていたのだろうと思いました。

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紙の本

チェザーレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

2017/09/07 10:31

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者: - この投稿者のレビュー一覧を見る

自分の王国を作ろうとすために時の権力者や血縁関係を最大限に
利用して成し遂げた者の物語である。あのマキャベリズムの体現者で
ある。「しゃべらない、行動する」を実践して戦略家を排撃してその野望を
成功に導く知恵は理論的より男の生き方を体現している。

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紙の本

面白い

2016/02/02 10:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る

過去の偉人と今の自分を比べると・・・・彼は23歳の時点で、結婚し、公爵の地位と300の槍騎兵などを得てローマ統一への野望を描いていました。私も何か胸を張って誇れるものが欲しいです。

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電子書籍

イタリア版の織田信長のような気がしました

2023/05/24 10:16

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る

主人公は、教皇の私生児という立場を後ろ盾に戦争を繰り返す。暴れまわる。負けても不屈の精神で逃げ延びては再起を図る。こんな人が時代にはあらわるものなのでしょうか。時間、時空・場所を変えて現れるものなのでしょうか。そんなことを感じた本でした。

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2004/09/26 02:49

投稿元:ブクログ

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2004/12/11 03:38

投稿元:ブクログ

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2005/02/11 08:37

投稿元:ブクログ

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