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きらきらひかる 改版 みんなのレビュー

文庫 第2回紫式部文学賞 受賞作品

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みんなのレビュー1,480件

みんなの評価4.2

評価内訳

1,456 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

夫婦は親友

2008/07/05 09:39

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kumataro - この投稿者のレビュー一覧を見る

きらきらひかる 江國香織 新潮文庫

 ホモの夫(医師)とアル中の妻、夫には男の恋人がいる。その設定で読み手は何に感動すればよいのだろうかと首をかしげながら読み進めました。これは作者自身の生活だろうか? 夫と妻が交互に自分の生活を語る形式となっています。異常な設定なのですが、夫婦も歳月を経ればお互いに男でも女でもなくなり、友だちになります。
 イメージとして主人公妻笑子(しょうこ)は、ぼっちゃり体型の丸顔だと思う。主人公笑子さんは最後に死んでしまうのかなあ(じっさいは違っていました。)笑子さんは勝手な人だと思う。トラブルを次々とつくっていく人だ。笑子の生い立ちとふたりの出会いの経過を知りたい。
「婚姻届を提出」という形をとるとお互いに権利や義務が発生する。当然お互いの両親もからんできてやっかいなことになる。しかし、婚姻届をださなければ気楽です。この本は42刷でよく売れている。戸籍の届けを出さない新しい夫婦関係の構築が支持されていると思う。
 作者にとってはハッピーエンドでも読者にとっては拍子抜けする最後でした。じーっと考えました。みんなが仲良しならそれでいいのです。

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紙の本

淡々と

2005/10/02 01:16

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きゅこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

この話の一番の魅力はルーティーンワークにあるんじゃないかしら。愛と生活というのが共存している。愛の生活ではなくて愛と生活。
この中で夫はすごく掃除が好きな人としてでてきます。
妻は毎日シーツにアイロンをかける。
そういうルーティーンがあって、それ以外のことが起きると困惑するというか、起こった事実に何か恐れるというのではなくて、変化があったという事実に困惑するというかそういう二人の静かな普段の生活を思いながら読むのが好きです。

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紙の本

一枚脱いで身軽になりませんか?

2001/01/11 18:28

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読ん太 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 奇妙な夫婦である。お互いに診断書を交換した。妻の笑子は「日常生活に支障をきたすものではない」という精神科の医者の診断書。夫の睦月は「エイズには感染していない」という診断書。
 お互いにお互いを「脛に傷持つ者同士」と納得しての結婚だった。結婚はアル中とホモという二人にとっての「隠れ蓑」となるはずであった。
 その隠れ蓑がズタズタに破られていく。外からではなく、笑子と睦月それぞれが血を流しながら自身をナイフで切り刻むようにして、自らの隠れ蓑を裂いたのだ。
 「結婚でもすればどうにかなるかもしれない」と思った笑子の現実逃避、睦月の医者という職業から成る世間体と親への義理立て。これらに対して二人が払った代償は、二人が想像していたほど小さなものではなかった。

 私は「うまくやる」という言葉が嫌いだ。狡猾で欺瞞に満ちた匂いを感じるから。だから、「うまくやりおおせなかった」二人にいとおしさを感じる。
 隠れ蓑を自ら引き裂いた二人は、ややもすると痛々しく見えるのだが、そこで「私は?」と問いかけてみると…驚いた。殊更に頑丈な隠れ蓑をかぶっているではないか!
 フィクションの登場人物に向かって「痛々しい」などと同情している場合ではない。ナイフで切り裂くまでの勇気はないが、針先でプツプツと穴をあけて目だけでも出してみようかな、という気持ちになった。
 全く第3者のつもりで読んでいた小説が、私に意外な展開を残していってくれた。

 だんだんわかってきたぞ。笑子と睦月はお互いの隠れ蓑を合体させておいて、それからパワーを蓄えておいてエイッとそれを脱ぎ捨てて一段階自由になったんだ。アル中とホモの奇妙な結婚は、従って必要不可欠な行為だったのだろう。そう思うと、「奇妙な小説だな」と言いながらこの小説を読んでいた自分がよっぽど奇妙に思えてきた。

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紙の本

江國香織さんの本の原点です

2023/01/28 19:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みみりん - この投稿者のレビュー一覧を見る

江國香織さんを初めて知ったのはこの本。
奇妙なのに切ない本でした。
この本をきっかけに、江國香織さんの本をいろいろ読みました。

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紙の本

正反対のふたりが仮初めの夫婦に

2022/11/02 09:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る

奔放な笑子とデリケートな睦月との組み合わせが絶妙です。世間体を気にしたお見合いからお互いを束縛しない生活へと、新しい関係性を模索する姿にも共感できます。

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紙の本

令和4年に平成3年の小説を読む

2022/08/11 18:41

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぷー - この投稿者のレビュー一覧を見る

1991年のこの小説の行き着く先は、2022年を生きる我々にとっても救いがあるような気がする。結婚という形式に嵌め込まれながらも、自分たちの自然な暮らしを希求する3人の物語。

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紙の本

こういう夫婦もいてもいいと思う

2019/01/28 10:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

精神疾患をかかえる(診断書によると、精神病が正常の域を逸脱していない)笑子と同性愛者で今も愛人のいる(もちろん男性の)睦月は結婚している。どちらもカモフラージュという意味合いのある結婚だが、お互いに相手が好きではある。セックスレスという関係が夫婦の間で成り立つのかというとなぜか深刻な問題のようにも思えるが、そんな関係は全く珍しくもなく逆にいつもセックスしている夫婦なんて気持ちが悪いと私は断言する。もちろん、彼女の両親たちにはとんでもない問題かもしれないけれど、まあいいでないですかと言ってあげたい。お前のところの娘がそんな結婚したらどうするんだよと聞かれれば、それはそれで別のお話

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紙の本

男女としてではないのに本当に愛している2人

2017/06/15 20:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る

アルコール中毒を抱える笑子と男を愛する睦月。この2人の視点を交互に交代させて、奇妙な夫婦生活を描いている本作。笑子はアルコール中毒ということで、情緒不安定で変な行動に出るのは想定の範囲内であるが、睦月もただのホモではなく、異常なほどの潔癖症で、長時間窓拭きをしていたりするなど、両者はどこか似ているところがある。
銀色のライオンの章で描かれているように、少数派であり、どこか社会的に弱さを持っていそうな2人であるが、似ているだけでなく、真逆の性質も持っている。誠実で嘘をつかず、常に優しく善良であろうとする睦月。それに対して多少の嘘やずるは許されるものだろうと考えている笑子。この両者の違いが2人にすれ違いを生み出すこととなる。
嘘がつけず善良であり続ける睦月がなぜ女を好きにならないのに笑子と夫婦になることを選んだのであろうか。それは笑子にどこか自身の似たところからくるシンパシーを感じたのではないだろうか。そして笑子の両親に自身のことを隠して入籍することになる。その点はさすがに割り切っていたのだろうか。
いずれにせよ、睦月は笑子を女性として愛することはできないだろうが、人として愛しているのであろう。そして笑子も危ういものの、睦月を愛する気持ちについては真実なのであろう。

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紙の本

Let it be

2016/03/27 16:33

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:つよし - この投稿者のレビュー一覧を見る

生きづらさ、を描いた小説だと思った。繊細で、透明感のある文体は、主人公たちの心のありようとマッチしている。じぶんが傷つきやすいくせに、他人を傷つけてしまう。このままでいたいのに、このままでいられない。出口のみえないジレンマ。すれ違う心。「水を抱く」「水の檻」という喩えが秀逸だ。透明で、優しくて、身体の隅々まで行き渡る安心感がある一方で、決して熱くならず、手応えがない。何を考えているか分からない。そんな夫がいつも飲んでいるのはエビアンの水。私が飲むのはアイリッシュウイスキー。バスタブに水を張り、金魚を泳がせるシーンが印象的だ。人が、人と生きていくというのはどういうことなのか。根本的なことを問いかけてくる小説だ。

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紙の本

人をもっともっと好きになりたくなる

2004/10/17 19:49

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投稿者:アイレ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 江國香織さんの本を読むのは、今さらながらの初体験でした。
 “きらきらひかる”というタイトルは入沢康夫さんの詩からいただいたたと、あとがきにはあります。が、笑子、睦月、紺の魂のようなもの(?)を表しているようにも思えました。世の中、『純愛ブーム』と称して“セカチュー“”冬ソナ”などと騒がれておりますが、超える純度を味わえる物語。ある意味すごくシュールであるし、スタンダードでもあるような…。単純に究極の恋愛と呼べるのかどうかはわからないけれど“好きという気持ち”の核を見たようで、読者は心揺さぶられ、忘れてた何かを思い出す。何が真実かなんて、さっぱりわからなくなってしまった世の中に渇を入れる。大切な事とは何なのかとたたみかけるように物語が問いかけてくる。この手の恋愛小説に両親がからんでくるのが面白い。場違いみたいにフツーな親の言葉は現実に引き戻し、何も望まないはずの睦月や笑子をも立ち止まらせる。
 人をもっともっと好きになりたくなる、なれる力が湧いてくるような気持ちになれる本です。

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紙の本

現実との区別化

2004/07/29 17:02

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:緑サチコ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アルコール中毒の妻「笑子」に、同性愛者の夫「睦月」とその恋人「紺」が織り成す、悲しくて切なくもとても愛しい気持ちがこみ上げる恋愛小説。

 江国さんの小説を読むたびに思うことは、「非現実的」だということ。それは私の尺度ではかった場合ですが、どうにも私には馴染めなくて、距離を置いていた時期もありました…が、久しぶりに江国さんの小説を読んでみて江国さんの小説に対する考えを改めさせられました。

 笑子と睦月の結婚生活は、世間一般の常識や両親への恩を思えばまず成り立たないといっても過言ではないかと思われます。次々と新しい考えが生まれるこの世の中ですから、そんな生活もあっても可笑しくはないのかもしれませんが、とりあえず、理解しがたい。
 ですが、小説を読み進めていくにつれて、笑子と睦月の生活がなんとも自然で、むしろこのふたりが結婚しないほうが理解しがたくなってきます。どんなことがあろうとも、ふたりは間違いなく愛し合っているのです。アル中で少しおかしな笑子、ホモで紺のことも愛している睦月、そんなふたりでもお互いのことがとても好きで、とても必要としているのです。
 小説はそれぞれの視点で進められていきますが、その小説の中ではふたりが一緒に居ることは絶対的なものとなっていきます。

 
 この「きらきらひかる」を読んで、改めて、「虚構と現実の区別化」が出来たと思います。現実ではなくて、虚構だからこそ江国さんの作品はこうも輝きを放ち、読む人を惹きつける。
 そう思えたからこそ、こんなお話もあっていいかと、改めて思えるようになったのです。

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紙の本

こころが綺麗になりました

2003/12/10 08:43

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:えり - この投稿者のレビュー一覧を見る


切ない気持ちに襲われた。

恋は混濁しているのかもしれない。
人の感情からくる、「しっと」などの信号が色めき合う。気付かぬ内に、傷つけている自分と相手。
しらがみも生まれ、ぐるぐると渦中に巻き込まれていく。

本当に愛し合うのは難しいのかもしれない。
でも、それぞれの剥き出しになった純粋な気持ちは、本当に愛しかった。

切なさと愛しさが入り混じった気持ちに襲われた。


こころの中が、前よりずっと綺麗になれた気がしています。

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紙の本

こわれやすいけれど、こわしたくない

2002/06/01 17:13

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投稿者:御津 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「普通」に生きていけないことの不安定さをかくし持ちながら、
どこまでも誠実で美しい人格の睦月と、笑子は生活をともにしていて、そこには睦月の昔からの恋人紺くんや、同僚たちがたずねてくる。ゲイの夫睦月、アル中の妻笑子。
とてもささいだけど大切な気遣いでお互いをくるみあって生きている笑子たち。
その絶妙のバランスはとても大切で、とても崩れやすい……。
こわれやすいと知っていても、ふたりのくらしを守りつづける笑子の姿勢は、痛々しく、強情で、しかし、とてもきれいでした。
ハッピーエンドでよかった。

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紙の本

まず設定が面白いし。

2002/05/17 16:46

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投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る

ストーリーとしておもしろいと思う。医者でホモセクシャルの睦月、その妻で精神不安定な笑子、睦月の恋人で奔放な紺。これだけでも本好きなら読んでみたくなるだろう。
生きにくい三人がどうやって生きていくのか、共存していくのか、それがこの本のおもしろさだと思う。笑子は言う。「もし睦月が紺君と別れたら私も別れます」その言葉にこの三人の関係がよく出ていると思う。

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紙の本

きらきらひかるものは何ですか?

2001/07/04 22:03

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アルデバラン - この投稿者のレビュー一覧を見る

 きらきらひかるものは何だろう。
 アルコール依存で情緒不安定の笑子と、ホモの睦月がお互いのすべてを受け入れて始まった「水を抱くような」結婚生活。「水を抱く気持ちっていうのは、セックスのない淋しさじゃなく、それをお互いにコンプレックスにして気を使いあっていることの窮屈」と、笑子が言っている。こんな結婚にきらきらひかるものはあるだろうか。優しさ、誠実、友情?
 それらは笑子を苦しめているだけかもしれないのに、それでもなお、睦月を愛する笑子。きらきらひかるものは彼女のこころかもしれない。孤独なこころが人を求めてきらきらひかる。誰かを好きになってきらきらひかる。

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