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紙の本
明るく楽しい架空のヤクザ物語
2015/09/13 15:09
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:紗螺 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「任侠学園」「任侠病院」に先駆ける、「任侠」シリーズ一冊目。このシリーズはたまたまさかのぼって読んでいくことになったが、実はこれが一番いいと思う。どの作品も、舞台は変えつつ主人公となるヤクザは同じだし雰囲気も通じているが、一番キレがいいのがこの作品という気がする。ヤクザが一般の会社や施設を立て直すという設定で、現実にはありえないが、その架空性がおもしろい。
主人公となるのは指定暴力団「阿岐本組」代貸の日村。この日村がとにかく心配性の苦労性で、親分が次々持ち込んでくる無理難題に取り組む様子が可笑しくも楽しい。阿岐本組の四人の若衆たちのキャラもそれぞれ個性的だし、親分は普段はとぼけているようで大事なところでは凄みを見せる。この作品では立て直すのが出版社だが、グラビア編集に女たらしの真吉がアイディアを出してそれが功を奏したりする流れにもユーモアがあった。
紙の本
極道小説
2023/09/02 21:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ちょっとご都合主義だけど、とても楽しく一気読みした。
任侠のひとたちの実践心理術の描写も、おもしろい。
電子書籍
理想論でスカッと解決
2022/11/29 09:06
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
語り手は日村誠二。30代半ばで、今時珍しい任侠道をわきまえたヤクザ・阿岐本組の代貸です。組は組長を含めて総勢6名ですが、阿岐本組長が異様に顔が広く、全国のヤクザの組長に収まっている人たちと若い時分に兄弟の盃を交わしているため、大きな指定暴力団の傘下に入らないまま独立で生き残っています。
甘糟はこの阿岐本組の様子見に来ており、時には阿岐本組に対する警察側の理不尽な扱いがあった際に助けてくれたりするので、「ちょい役」というほど小さな役割ではありません。
さて、甘糟刑事のことはともかく、この任侠シリーズの面白いところは、組長が損得ではなく人情で様々な面倒ごとの解決を引き受け、そのたびに振り回されている心配性の日村の人間性と、組長のヤクザらしからぬ行動の手伝いを嬉しそうにする若い衆の意外な可愛さでしょうか。
とにかく、阿岐本組長の弟分の神永が毎回処理に困った旨味のない債権などを持ち込み、阿岐本組長がお人よしなのか道楽なのか理由はともかく、それを引き受けるのがこのシリーズのお約束です。
最初に持ち込まれるのが、倒産寸前の出版社です。(任侠書房)
潰してしまえばそれなりに処分できる財産はなくはないものの、それそれで面倒なことも起こるということで、阿岐本組長が経営を引き受けて出版社を立て直すというストーリーです。
阿岐本組がどのように出版社の問題点を見極めて解決していくかが見ものです。
問題自体は極めて現実的で生臭いのですが、それらを阿岐本組長の体現する理想論でスカッと解決し、解決後は見事に身を引くところに大きなカタルシス効果があります。
紙の本
今野敏の任侠シリーズ第一弾
2021/05/22 14:47
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
『任侠』シリーズの第一作目。やくざ稼業の阿岐本組の面々が、傾きかけた出版社の立て直しをする話だが、その手法はかなりまっとう。そして、今どきの一流コンサルタントファームさながらの結果につなげる。
その再建につなげる過程のまともさにうなずきつつ、その担い手が、組関係の人というギャップがそこはかとなく面白い。特に、組のナンバー2である代貸・日村の中間管理職として心を配り、組長に振り回されるキャラクターがしみじみといい。
紙の本
日本人の郷愁に残る、古き良き任侠物語はやはり良いですね。
2019/12/28 09:56
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人の郷愁に残る、古き良き任侠物語はやはり良いですね。こんな任侠団体だったら、町内会代わりに町ごとに一つ欲しいですね。内容的にはもっとハチャメチャな喜劇ものかと思ったが、むしろ日本人の郷愁に残る、古き良き任侠を現代社会に当て嵌めてみたらという著者の思想が貫かれており、予想より遙かにしっかりとした話になっている。一般社会に居ずらい人々が自分たちの生きる道を探していく物語としても読める。次は学園、その次は病院とまだまだ楽しめそう。
電子書籍
胃に穴が
2019/10/29 16:19
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投稿者:なつゆき - この投稿者のレビュー一覧を見る
義理と人情を大事にするヤクザで素人衆には迷惑を掛けない、という現実にはあり得ないようなヤクザたちの話だが、警察の締め付けや世間の目は現実と同じで厳しい
組長の思い付きに振り回され、東奔西走してもただ頭を下げ無理難題を飲み込む中間管理職の主人公を始め登場人物が皆ユニークで魅力的だ
代貸しの胃に穴が開かないか心配になるし次の組長の思い付きはどんなのだろうとか、もっと阿岐本組の面々の話が読みたいと思う
幸いにしてシリーズ化されているようなので秋の夜長の楽しみが増えた
紙の本
任侠シリーズ
2016/02/13 12:30
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投稿者:ジリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読みやすく面白い。他もよみたくなった。
紙の本
予想通りの展開だが良作
2015/12/13 21:04
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投稿者:さんしろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
新聞でタイトルを目にし、そのあり得なさに興味を持ち、購入。今野先生と言えば隠蔽捜査だが、本作はコミカルな内容ながら、男が筋を通すという点で相通ずるものを感じた。夢を持ちにくい今の世の中、竜崎や阿岐本たちのように、せめてぶれない生き方をしたいものである。続編もあるとのこと、こういった内容は好みであり、是非読んでみたい。
紙の本
オールラウンド
2015/11/23 22:08
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
警察小説の第一人者だが、最近は「寮生」という青春ものを書き、その一方で、こうした爆笑小説まで手掛ける。警察官どころかヤクザ小説。といっても、素人には迷惑をかけないという昔かたぎで、そんな真っ直ぐな気性のまま、倒産寸前の出版社の立て直しに取り組んでしまう。「任侠病院」で文字通り病み付きになり、シリーズがあると知って読んでみたが、今回も大いに笑わせてもらった。「大学の柔道部で、頭の良かった奴がヤクザになり、悪かった奴が警察官になる」というくだりは、奇妙に納得できる。同時進行で多数の作品をつづり、頭が混乱しないかと心配になるが、まさにオールラウンド・プレーヤーである。
紙の本
意外といいかも
2015/10/19 12:40
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投稿者:ゆーたろー - この投稿者のレビュー一覧を見る
任侠シリーズの第2弾。今度は学校の再建に乗り出す阿岐本組。学校に行ってみると、校舎の窓は割れたまま、グランドは荒れ放題、フェンスには落書き、無秩序な生徒たち、と荒廃した学校を絵に描いたような惨状。さらに、諦めの境地の校長を始め、糾そうとしない教員たち。果たしてこの学校は再建できるのか。そもそも学校に行きたくもなかったという日村の葛藤が楽しい。割れ窓理論などヤクザとは思えない珍しい発想が出てくるのも秀逸。善悪の分別のない子供たちを作り出したのは大人たち。こんなヤクザならそんな時代を変えてくれるかも(^_-)