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紙の本
新しい情報は少ない
2020/12/31 19:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おさとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
速水融氏の著書(『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ』)の引用が多く、『史上最悪のインフルエンザ』(みすず書房)とのいずれかを読了された方にとっては新しい情報は少ないと思われます。私は磯田氏が提案する「患者史」について関心を持って読んだので、その片鱗に触れることができたのである程度は満足できましたが、方法論がわかりづらくデータと解釈、現代への提言(?)が羅列的であり学術書としては不満も残ります。
紙の本
日本人は幾多の感染症を乗り越えてきた
2020/10/03 21:44
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、TVでもおなじみの歴史学者。本書は、平安の史書、江戸の随筆、スペイン風邪が流行した当時の政治家・文豪の日記などに基づき、1700年前の古墳時代からスペイン風邪の流行した大正時代までの日本人と感染症の関わりについて解説したものである。江戸時代の事例としては、次のようなことが紹介されている。◆感染症が流行した際、藩によっては隔離政策の徹底、江戸では裏長屋に住む低所得者に給付金(米による現物給付)が支給された。借家であっても表通りの借家の住民はある程度の所得があるとみなされ、支給の対象から外された。◆15代の将軍のうち14人が疱瘡(天然痘)にかかった。天皇も15名中7名が罹患した。当時、疱瘡の治療はどのように行われたのか、将軍でさえこの罹患率では、一般庶民の罹患はこの比ではないだろうが、江戸時代に日本の人口は大幅に増加している。この辺りは、どのように理解すべきか?ぜひとも歴史学者の解説が欲しいところである。
2年間にわたり「三波」の襲来があったスペイン風邪については、京都の女学生の日記、原敬の日記、永井荷風の日記『断腸亭日乗』などにより様々な階層の人々がスペイン風邪に罹患しそれに対してどのように対処したかが手に取るようにわかる。ただし、この時、政府はどのような対策を講じたのか、もしくは講じなかったのかについてほとんど触れられていないのが残念である。これこそが、今の日本にとって必要な情報だと思うのだが・・・。
著者の恩師、歴史人口学を導入した速水融について最終章で紹介されている。この章では完結明瞭に速水融について取りまとめられており、速水融著『歴史人口学事始め』(ちくま新書)よりよほど面白く感じた。
電子書籍
新型コロナウィルス対策として
2021/01/17 13:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ME - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治大正昭和の政治家や皇族、作家がインフルエンザに罹った記録は興味深かった。人との接触を避けるというのが一番の感染症対策だろう。二度目の緊急事態宣言になれているという向きもあるが、この際に不要不急の会議などもなくしていきたい。
紙の本
上杉鷹山の「医療無償提供」等の対処法に感銘
2023/10/21 10:35
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去に日本で起きたパンデミックにコロナ対策のヒントを追求。主として百年前に大流行した「スペイン風邪」を扱った内容でした。患者が残した日記や著名人(首相、皇室、志賀直哉、宮沢賢治、永井荷風)の罹患状況を追った第六章から第八章は特に面白かったです。結局、ウイルスの正体が分かりワクチンが開発されるまでは、接触抑制→感染者数の減少→抑制策の緩和→感染者数の増加→抑制策の強化を繰り返すしかないようです。また江戸時代に発生した感染症パンデミックへの上杉鷹山の「医療無償提供」等の対処法には感銘を受けました。
電子書籍
スペイン風邪と
2021/05/16 07:22
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
どうやって日本が戦ったか、まだワクチンがなく、特効薬も未開発の時代……。実際に罹患した人の記録は大変貴重ですね……。それと、スペイン風邪以前の天然痘の流行。これに対しても、先人たちの努力と苦労が……
紙の本
この本はもっと読まれるといいのに
2021/02/26 06:42
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史学者に感染症のこと、ましてや新型コロナウイルスのことがわかるものかと思う人もいるだろうが、侮ってはいけない。
この本は2020年9月に出版されている(実際には「文藝春秋」で連載されていたから執筆はもっと前だろうが)が、その中に「今回の新型コロナウイルスも、「また十月から十二月あたりに新たな波が始まって、来年(2021年)春先まで続くかもしれない」と警戒する必要があります」と書かれていて、年明けに東京をはじめとした大都市各地に緊急事態宣言が出たのことをまるで預言したかのようです。
では、磯田氏は何故それが予見できたのでしょう。
それは、1918年に全世界で起こったスペイン風邪の流行の波がそうだったからです。
もちろん、今回の新型コロナウイルスとスペイン風邪は同じものではないので、同じような感染の波が起こるとは限りませんが、少なくとも参考になることを、この本は証明しています。
だからこそ、「歴史は単なる過去の記録ではありません。日常生活でも生かすことのできる教訓の宝庫」という磯田氏の言葉が重い意味を持っています。
また磯田氏は「ミクロ・ヒストリーとマクロ・ヒストリーの相互の連環において捉えていく必要」を説いています。
ミクロ・ヒストリーというのは個人の日記などです。
この本でもその手法はとられていて、先程のスペイン風邪に罹患した京都女学生の日記や永井荷風や原敬などの日記なども分析されています。
今回の新型コロナウイルスが収まっても、またいつか新しい感染症が起こらないとは限りません。
そのためにも、今回のことはきちんと残しておかないといけないことを、この本は示しています。
紙の本
大変勉強になりました
2020/09/30 19:53
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「感染症の世界史」は数多く刊行されていますが、「感染症の日本史」は初めて聞いたので、勉強のために購読しました。
読んでみて驚きました。ここまで詳細に、日本での感染症の歴史が分かっているとは、思いもしなかったです。知識が一気に増えました。感染症拡大を防ぐために、今でいう「ソーシャル・ディスタンス」などの策が取られていたなどのエピソードは、驚くとともに感心しました。
今後、我々が新型コロナウイルスとどう対処すればいいかについても言及しており、大変参考になりました。ぜひ、数多くの方々に読んでほしい1冊です。
ラストの第九章は、著者と著者の恩師に当たる方が取り組んでいる、学問について著者が熱く紹介しています。著者の経歴とその理由にも言及しています。
紙の本
政治家や文豪の書物などから、新たな視点で光をあてた歴史家磯田道史さんの「感染症の日本史」
2021/10/07 13:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
衛生ということばも概念もなかった時代、感染症の流行は人びとにとって突然の、恐怖の対象でした。グローバル社会では感染症の越境も一つの脅威です。近代以降、船が入港する際の検疫を重要視したことから空路がメインとなった現在も「水際対策」という言い方が残っています。近代日本の歩みと感染症の関わりを、今改めて考えてみるとどんなことが見えてくるでしょうか。
紙の本
温故知新
2021/10/24 01:46
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投稿者:夏のメロン色 - この投稿者のレビュー一覧を見る
100年前のスペイン風邪など、これまで日本人がどのようにして感染症と対峙してきたか、歴史学者の視点からまとめられた本。まさに温故知新。バランスの良い構成で、予想以上に学ぶことが多かった。
特に市井の人の日記の引用が、当時のリアルな様子を垣間見れて、なんとも興味深かった。