紙の本
期待の新シリーズ
2022/03/21 09:09
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投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「初ものがたり」から少し時間は流れ、岡っ引き千吉親分の急死から物語が始まる。末子分の北一は親分の生業だった文庫の棒手振りで糊口をしのぐが、何故か不思議な事件に巻き込まれる。主人公の他、未亡人・松葉、差配人・富勘、悪役に至るまで人物造形が豊かで、深川を闊歩してそうな人物ばかり。何より語り口が巧みで季節感、人情味溢れた文体で、心地良い読書を味わえる。お人好しの北一が嫌なこと面倒なことも厭わないことで正体不明な男・喜多次と出会うまでが本巻は終わる。この二人なら面白い物語が期待できそう。刊行が待ち遠しい。
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きたきた捕物帖
2023/07/19 10:15
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
千吉親分の元で文庫売りをしながら岡っ引きの見習いもする北一。しかし突然その親分が亡くなってしまう。残されたおかみさんの世話をしながら、文庫売りを続ける北一だが、何故かいろいろな厄介事が持ち込まれる。ある日、事件を調べているときに死体を発見する。そしてその死体が岡っ引き見習いの北一に新たな道を与えてくれることに・・・・・。
宮部さんの時代作品はどれも面白いですね。安心して読めました。
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新捕物帖シリーズスタート
2022/11/23 16:09
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投稿者:とりこま - この投稿者のレビュー一覧を見る
バディものの捕物帖新シリーズ。
文庫売りの北一が亡くなった岡っ引き・千吉親分の後を追うように、事件に取り組んでいく。若いながら、時に鋭く、時には千吉親分のおかみさんの力を借りながら、事件を解き明かしていく様が面白いし、文庫売りとしても成長していく様を見守りたいと思わされる。また、とある事件で出会うもう一人のきたさんとのコンビの進展にも目が離せない。
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江戸下町の人情・捕物話を背景にした若者2人の成長物語。
2022/05/29 00:15
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸下町の人情・捕物話を背景にした若者2人の成長物語。新シリーズだけに一・二話は登場人物の紹介のためやや平凡だが十分に楽しめる。三話以降は単独の作品としても成り立つほどしっかりした構成と謎解きで楽しめる。ほぼ主役が出揃った今後、北一と喜多次という2人の主役を取り巻く優しい人々と、江戸下町の人情・捕物話とが如何に展開していくのか今から楽しみ。著者の魅力はスリリングな展開の中に人情味をしっかりと描いていくところ。期待してまっせ。
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謎は解けるか
2022/05/14 14:52
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い。さすがの安定感!
生まれ変わりの話はちょっと後味が悪かった。
風呂屋の青年は何者だ?「初ものがたり」からの因縁は?
謎が解ける日が楽しみ。
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人間味あふれる物語にほっこり
2022/04/07 15:17
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投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
皆から愛されていた岡っ引きの千吉親分が亡くなり、その文庫屋で文庫売りをする北一が親分に変わり、怪奇で、時には物騒な事件を様々な人の力を借りながら解決していく物語。
本所深川の下町で繰り広げらる事件に、ドキドキわくわくし、あっという間に読めた。
謎が多い登場人物もいるし、北一の今後の活躍も気になるしで続きが楽しみだ。
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新シリーズ
2022/03/28 00:39
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
捕物帳と区別をつけた捕物帖、という題がついているけれど、
宮部みゆきが描く江戸人情ものの決定版、という印象。
いろいろな人間模様から
問題解決に導かれていくラインは健在で、
今回は主人公自身もまだ主人公性を持っていない状態。
より周りの人たちが目立つ展開になっている。
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第4話からなる、宮部みゆき氏の時代小説であり、長屋の人達を描いている。
最初の第1話が、「フグと福笑い」で、深川元町の岡ッ引きの仙吉親分が、フグに当たって亡くなったしまう所から、始まる。
親分は、仲裁上手で、揉め事もあしらうのが、上手であり、皆から慕われてたのだった。
文庫屋も営んでおり、そこには、3歳で迷子になり、親分が引き取った 北一という住み込みの振り売りが、居た。
この北一が、力も、腕も無いのだが、親分のおかみさんで、目の不自由の松葉が、鋭いカンで、難題の読みをいい充てていく。
どれもこれも、人に優しい北一。
嫌な、ミイラ化した骨も綺麗にしてやるところが、自分に課せられた仕事と思いながら、仏の成仏迄願うところが、やはり作者の優しさであろうと、思う。
その仏の息子が、穢い姿で、風呂焚きになっているのだが、名前は喜多治。
さてさて、北一も、独り立ちをして行くのだが、この喜多治と共に、これからの活躍が、期待される。
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久々に宮部さんの捕物帳。現代若者系があまり得意で無いので、この系統が嬉しい。
若者の成長譚でもあり、人情話でもあり。まだまだ先が長いシリーズなのが嬉しい。
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宮部みゆきさんは、私は現代物は全くだめなんですが、時代物は読めます。話があちこち広がる傾向にありますが。
登場人物が魅力的です。
おかみさん、かっこよすぎです。
私は新兵衛さんのキャラが大好きです。
北さんが、どんな風に成長していくのか気になります。がんばれ!北さん!
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宮部みゆきさんの新シリーズ。新シリーズと言うこととタイトルの『捕物帖』しか前情報なしで読み始める。きたきた、って何だろうな?と思いつつ、読み進めると、まもなく、あー「北一」のきた、なんだなと分かる。と言うことは、もう一人の『きた』がいるはずなんだろうな、と思うが、なかなかもう一人が出てこない(苦笑)
途中、ようやくもう一人の『きた』さん、「喜多次」が出てくるが、1巻では、まだ喜多次には、謎な部分が残ったいている。
喜多次はどんな人なのか。それが分かってくるのも楽しみなので、2巻も読もう。
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あー、楽しかった!
宮部さんの時代小説は本当に面白いわぁ。
深川元町の岡っ引きで、文庫屋の千吉親分の下ッ引きの北一。主な仕事は文庫を担いでの仕事だったのだが、親分が河豚に当たって死んでしまったために、十手持ちにもなれず、相性の悪い(というか北一を毛嫌いしている)女房がいる兄貴分を手伝って文庫屋の仕事をすることに……。
だが、不思議なことに北一の元へ舞い込んでくる不思議な事件。
解決するのは北一と親分のおかみさんだった松葉。
怪談じみたこと事件、色恋の絡んだ事件。欲に絡んだ事件。
楽しい時間を過ごしました。やっぱり宮部さん、好きだぁ。
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202203/著者が生涯書き続けたいと願う新シリーズ、こちらも生涯読み続けたい!と熱望してしまう物語だった。もっと早く、もっとたくさん読みたい。
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きたきた!きたきた!笑
待ってました♪
宮部みゆきさんの新シリーズです。
気弱で控えめな北一さんが、亡くなった岡っ引きの文庫売りを引き継ぎ、岡っ引きとしても成長していく物語。
まだまだ頼りないですが、北一さんの周りの人たちに導かれ、助けられながら、事件や不思議な出来事を解き明かしていきます。
北一さんの人柄が、周りの人を動かしていくんでしょうね。。。
ひたむきな姿に、ついつい引き込まれていきます。
そして、経過や結果が気になりどんどん読み進めてしまいます。
百物語のおちかちゃん同様、北一さんにもすっかり夢中になってしまいました!
相棒も見つかり(こちらもきたさん)、これからの作品が楽しみでたまりません♡
宮部みゆきさんが若い頃に書いた、この小説の元となった 〈完本〉初ものがたりも読んでみたいです。
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宮部みゆきさんの時代小説の新シリーズ。新米岡っ引き北一の活躍を描いた連作の捕物帖。
登場人物の雰囲気や文体、また描かれる事件の数々に宮部さんらしさが宿っていて、宮部さんの時代小説好きの自分は、その雰囲気のおかげもあって安心して読み進めることができました。
欲に目が眩んだ人間の悲哀や浅ましさを描いた話が多く、事件自体はやや後ろ暗いものが多いです。一方で登場人物たちの魅力が、そうした後ろ暗さを払拭します。それも安心感の理由の一つかもしれない。
今作は北一という少年の成長が読みどころの一つ。親分の死後、一人で生計を立てることもままならなかった北一。そんな彼が様々な人とのつながりを経て、そして数々の事件と関わる中で成長し徐々に一人立ちしていく姿が、とても爽やかで小気味よい。
宮部さんの小説で少年が主人公に描かれている作品は多いけど、時代小説でその趣向が前面に出てくるのは、ちょっと新しいような気がします。
しかもそれがシリーズものときているから、より今後の展開が楽しみになってくる。亡き親分の残した文庫や、岡っ引きという役回りを、北一はどのように受け継ぐのか、期待は高まります。
北一以外にも魅力的な登場人物は多いけど、亡き親分のおかみさんで北一のよい指南役にのおかみさんの存在が、なによりよかった。
病気のため目が見えないながらも、視覚以外の感覚が鋭敏で、それをもとに様々な考えをおかみさんは組み立てていきます。その推理が鮮やかで、シャーロック・ホームズがワトソンの職業を言い当てた話を思わず連想しました。
おかみさんの抒情あふれる語りであったり、4話のラストの推理をたたきつけるシーンであったり、上品さや優しさだけでなく、感情の激しさを持ちあわせている姿も魅力的でした。
そして他のシリーズ作品とのつながりにも注目。『桜ほうさら』の登場人物がこの『きたきた捕物帖』にも顔を表すほかに、中途半端に作品が途切れてしまった別作品の話も、このシリーズに関わってくるようです。
明かされていない謎も多く、宮部作品を読み込んでいる人なら自然と、このシリーズのその後が気になってくるはず。
宮部さんの時代小説シリーズだと、三島屋変調百物語があるけど、それとはまた毛色が違います。北一をはじめとした登場人物たちの変化や成長、そしてシリーズを通して語られるであろう謎が、今後のシリーズを引っ張っていきそう。
まだまだ話の始まりの段階だったので、ぜひ今後とも長く続いてほしい作品です。