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  3. あんず86さんのレビュー一覧

あんず86さんのレビュー一覧

投稿者:あんず86

35 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本ライオンと魔女 カラー版

2006/03/07 01:58

子どもの頃に読みたかった!

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私が最初に読んだのはもうずっと前。だけど子どもの頃、ではない、です。子どもの頃には存在だけは知っていて、ずっと読みたかったけれど、なかなか読む機会が訪れなかったのです。とうとうしびれをきらし、当時は少年文庫も出ていなかったので、高いハードカバーの本を全巻購入しました。
それ以来、ずっと再読もしてこなかったのですが、今回読んでどうなのかなあ? と、ちょっと興味がありました。
とりあえずは第一巻「ライオンと魔女」。
初読の時も思いましたが、この巻は最初からいやな感じがつきまといました。もちろんタンスの扉をひらいて別世界にいくという設定はおもしろく、たちまち魅力にとりつかれた私でしたが。
いやな感じ、とはやっぱり次男のエドマンドのこと。
この子はちょっと意地悪なところがあり、素直でない男の子だったのですが。ルーシィが初めてナルニアにいって、それから自分もまた行ったのに兄姉に話すときには、そんなのごっこ遊びをしてただけ、といってしまう。
エドマンドの意地悪は、兄のピーターも見抜いていて、そんなこと言うなよとたしなめるのでしたが。その嘘がばれたときに、ピーターが激昂してエドマンドのことを、まるでけだものみたいに言ってしまうところ…そのへんが何かとってもいやだったのでした。
エドマンドの性格ゆえに白い魔女の気をひかれて、こういう結果を生んでしまったんだろうけど。このことがきっかけとなって、兄弟のあいだに亀裂が生じたのはとてもいやだなあと思ったのでした。
それに、天邪鬼な私には、いい子がひたすらよくって、悪い子はこらしめられる、という勧善懲悪的なところが好きになれなかった、というのもあります。
ちょっとひねくれ気味のエドマンドに感情移入してしまったから、かもしれませんが。これがちょっと引っかかった。大人の目からみた「いい子」がいちばんで、「悪い子」はいけません、「いい子」になりましょうね、という無言の説教を聞かされてる気分になってしまって。そこのところを微妙に感じてしまって、この巻が好きになれなかったのかもしれません。
ストーリーについていうと、この巻ではごくシンプル。とんとん拍子に進んでいく、という感じでした。とくに、アスランが登場してからは…。
それまで白い魔女の支配する冬が100年も続いていたのに、アスランが登場しただけで、春が訪れ、魔女の支配も危ぶまれてくる。ちょっとあっけないほど、完全に魔女は敗れてしまいます。単純だけど、子どもが読む分にはきっといちばん納得できる展開なのでしょう。
そういう意味でも、やっぱりこの本と初めて会う、いちばんいい時は子どもの時なのだ、と言えそうです。素直な心で、ペベンシー兄妹たちといっしょになって、ナルニアにいった気になれるでしょう。
実際、家のタンスを意味もなく開けてみたくなったりして。そういう経験って、貴重だと思います。

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紙の本

紙の本真夏の方程式

2013/10/14 19:44

面白かったけれど・・・

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

東野さんの本にしてはちょっと時間がかかりました。
恭平くんはよかったですね…湯川教授と出会えて。
この後の彼の人生がどうなるのか、気になります。
過去に起こった殺人事件の真相に関しては、動機がいまいちぴんとこなかった。
もう少し当時の様子とか書き込みがあれば、理解できたかもしれませんが…。

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紙の本

紙の本オリエントの冒険

2004/11/20 02:02

のんびりとアラビアン・ナイト?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

シリーズ5作目。今回の冒険の行き先はオリエント。といっても、特別、どこの国と限定はされていませんが。

さて今回は…大使のところにオリエントの国の大使が訪問してきて、ミス・ビアンカがぼうやのポケットに入って、晩餐会に出席するところから始まっています。
ミス・ビアンカも香水や香油をつけたり、お化粧に念入りで…いやはや優雅、です。
大使夫人がオリエントの大使から贈り物としてもらった真珠の刺繍で飾られた絹のふくろを、ぼうやはぜひミス・ビアンカにあげてくれるよう頼みます。
ほかならぬミス・ビアンカのことと、夫人は快く絹のふくろをミス・ビアンカにあげるのですが。

偶然、ふくろのなかに入って眠り込み、この国まで来てしまったという小さなへび!
この、オリエントからきたへび(アリ)は、ミス・ビアンカにとある話をするのです。
王妃ラニーの不興を買って、象につぶされ処刑されてしまうという男の子の話を。

この話に、ミス・ビアンカが飛びつかないわけはありません。帰国する大使の飛行機に要領よく乗っかって、はるばるオリエントまで! ちゃっかりと快適な空の旅を満喫した二匹でした。

場面がオリエントにうつってからもそう。
ラニー王妃にたちまち気に入られたミス・ビアンカ。オウムの館(要するに鳥かご)に住まいをもらって、そこで寝泊りして、夜ごとにハープの演奏をしたり、詩人たちの朗誦に耳を傾けたり…また自分も詩作を続けたりと、たいへん有意義な日々を送ります。

バーナードはといえば、最初はミス・ビアンカといっしょにいたものの、王妃の前でくしゃみをしてしまったために場所移り。馬屋に住まうものの、新しい遊びポロをおぼえたり、試合にでたりで、これまた楽しい毎日。

思わず給仕の男の子の救出はどうなったの?と聞きたくなるけど、そこはそれ…ちゃんと突発口が。

王妃つきの侍女のふたり、マスリンとバニラ。きれいだけれどもちょっとおつむが軽そうな…という役どころ。
ラニーの命令のまま何の疑問を抱かずに、言いつけどおりにしているのだけれど、でも本当は…。それを知ったミス・ビアンカはこのふたりにあることを頼もうとするのです。

ミス・ビアンカの計画は大成功。トントン拍子に話は進んで…。給仕の男の子と、いっしょにつぶされようとしていた侍女ウィローをぶじ救い出し、ちょうど離陸を控えていた大使の飛行機に飛び乗って、待っていたバーナードと合流。
侍女と男の子のためにパスポートを手に入れてしまうというおまけつき。

本当にミス・ビアンカの冒険は、楽しくてちょっぴりスリルもあり、心おどるものでした。
少々の展開の強引さ、などにはこの際目をつむるとしましょう。

オリエントの雰囲気…『アラビアン・ナイト』な世界もよかった。わがままで勝手なラニーや、かわいいけど能天気な侍女のマスリンにバニラ、そして、出番こそ少なかったけれど、二人に親切にしてくれた賢い侍女ウィローと、多彩でした。

しかし、今回ひたすらポロに興じるだけで、救出劇には全くタッチしなかったバーナードは、いったい何のために行ったのか?
そのせいで最後、少々スネてるようすなのは可愛かった。

真夜中になってから昇ってくる青い満月、というのもオリエントらしい雰囲気でした。
これは実際にはあまりないこととして、英語の表記にあるそうです。

この巻は囚人友の会の救出劇の観点ではなくて、こういった副産物の部分に興味をひかれた私でした。

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紙の本

紙の本地下の湖の冒険

2004/11/18 23:41

終わりよければすべてよし?

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ミス・ビアンカシリーズ4作目です。

一読後の感想…う〜ん? なんだかますます、都合よく話が動いていないだろうか…?ってところです。
以前の巻でも思ったことですが、主人公たちが危機や困難に陥ると、すぐさまどこかからか救いの手がのべられてきて、事件そのものが即解決、という面があるんですね。
この巻ではもっとそれを感じてしまいました。

今回は、塩坑に閉じ込められた八歳の少年テディーを救いに、はるばる出かけたミス・ビアンカとバーナードでしたが、とんだ邪魔者がついてきて…それが数学教授ジョージと、地質学教授のケアフィリーという、一風変わった道連れでした。
この二匹はこの救出行に疑問を抱いていて、絶えずミス・ビアンカに異を唱えるのです。数学教授はメモ帳に可能性を数字でその都度書き記したりするし、はっきりと言葉で否定もします。地質学教授にいたっては、囚人友の会の会員ですらもない、ただ塩坑というものを見てみたいから、という理由でくっついてきたに過ぎないのです。

そんな二匹がついてきた今回の冒険…最初からケチがついていました。はるばる鉄道に乗っかって、やっと辿りついた塩坑の駅…何とか発見した扉を通り、長い果てしない階段を乗り越えて(ねずみの身で、階段を降りるとはこういうことか!と一種驚きを持って思いました)、やっとこさ到着した塩坑だったのですが。
ついてすぐに判明したのが、ここはいまや使われていない、廃坑なのだという事実。
件の数学教授が冷たく、言い放つ言葉に、ミス・ビアンカの希望もしぼみます。

ここで長い中断があり…数週間、ねずみたちは何の希望もなくここで過ごすのですが。…といっても結構、快適そうです。食料はあるし(何故かろうそく?)、お酒もある(これもろうそくについていた雫?)、これも何故か? 残っていたミニチュアの街。
ねずみたち格好の家です。それぞれが好きな家を選んで、寝泊りしたり。状況も忘れて、詩を作るものもいたりして。せっかく作ってきた、婦人部会のお手製の手袋にちゃっかりくるまってしまうものもいたりして…

こういう、せっぱつまった状況でも、それなりに楽しんでしまう、というところがこのシリーズの面白さなのかもしれません。

そして突然、訪れた突破口。それは例によって、何の脈絡もなく(?)ミス・ビアンカに救いの手をのべてくれた存在による情報から、でした。

まぁここまではそれでもいいんです。ここからがまた…スピードアップして、とんとん拍子に話が進んでしまいます。やっとこさ少年を見つけて、そこに忍び込んだミス・ビアンカなのですが、思ったほどの危機もなくその場も切り抜けてしまうし。あれれ?と思ったときには、もうこの話の終わりが見えていました。

あっけない幕切れでした。テディーを助け、ふたたび列車に首尾よく乗り込んだねずみたち一行でしたが、また逆転が。
あわやというところで再びの危機か?と思ったけれど、そこはまあ何のこともなく切り抜けて。
最後の大逆転!? ええー!? そんなことが…?っていう感じでした。まさか○○のぼうやの××××が…!とは全く思いもしませんでした。

うーむ、いいのかね?と思ったけど、まあハッピーエンドなのでいいでしょう。終わりよければすべてよし、ってわけですね。

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紙の本

紙の本ダイヤの館の冒険

2004/11/18 23:32

善き物語の入り口

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2巻は、いまいちのめりこんで読むことができませんでした。
実をいうと、私はこの2巻を最初に読んでしまったので…図書館で間違えて借りてしまったんです(笑)。
そんなわけで、ねずみがどうして人間の女の子を助けにいこうとするのか? それがピンときませんでした。
移動するのも、人間が使っている馬車など(ごみ集めの馬車やトラックなど)をちゃっかり利用させてもらってるところなども、ずいぶん手馴れているようで…。

ねずみ、とはあるけど、これは小人みたいな存在なのかなあ。人間との関係などを見るにつけ、そう思いました。
子供の頃に読んだ借り暮らしの小人の話や、お酒造りする小人の話やミルクを人間から貰う小人の話やら… それらと似た雰囲気があると思いました。
どれも人間との関係が築かれている場合の物語です。
全く関係がないのじゃなくて、それなりに関わりを持っているという… 

そう思ってみると、友好関係である(ですよね?)人間族に属す、女の子を助けにいってもおかしくはないのかもしれない?
いわばこのねずみたちは、慈善事業をしているという感じですよね。よく人間のおばさんたちが教会バザーをして貧しい人たちを援助しようとかいう話が、よくある少女小説に出てきましたけど、あれと似た感覚なのかもしれません。

意地悪な大公妃の存在は、昔話にでてくる悪い継母や魔女を思い出させますね。
侍女として使っている女の子をこきつかうところなど、そっくりです。ダイヤの館の、そこらじゅうにあるダイヤモンドを手が冷たくなるまで磨かされるところなどもそう。

この少女ペイシェンスを救いにミス・ビアンカと婦人会のねずみたちが出かけていくのですが…
ずらり出てきた侍女たちが、機械仕掛けの人形だったというのも… ダイヤの館の冷たさ、それをよく表していますが、やはり昔どこかで…といった感触がありました。

ストーリーも意表をつく、といった感じのものではなくて、遠い昔、幼かった頃にくりかえし読んだ昔話やお伽話を彷彿とさせるものでした。

だから私にとっては、とても懐かしい物語… そんな感じです。いま子どもである小さいひとたちにとっては、善き物語の入り口となるべきお話、そんな気がしています。

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紙の本

紙の本今ここにいるぼくらは

2006/02/19 00:16

自分の居場所を探す旅

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

川端裕人さんの本は、「川の名前」「ふにゅう」を読んだとき以来ですが、これは短篇集。いちおうオムニバスになっているのかな。博士(ひろし)という名前の男の子の物語です。
名前からあだ名がハカセという。その彼の小学校時代の物語です。
でも話は時系列順に並んでるというわけじゃありません。それにはあるわけがあるのですが。
1話目1年夏休み、2話目5年二学期、3話目4年夏休み、4話目6年一学期終わり、5話目3年5月、6話目6年二学期、7話目6年3学期終わり〜卒業式…
この主人公は父親の仕事の関係でたびたび転校していたみたいで、1年の時に転校して関西の小学校にきて、そこに2年とちょっとおり、その後3年生になってしばらくしてまた転校。今度は関東の方へ… それから6年生まで1つの学校に通っていました。
途中、どうして過去にもどってしまうのかわからなかったけれど、最後まで読んでやっと何故なのかわかって、そうだったのか!と目からウロコでした。作者の意図がよーくわかります。
主人公の少年がすごす小学校時代。そこには、現代では忘れられてしまったさまざまなものが充ちています。
川を遡って水源を探しにいこうとしたり、釣りに凝ったり、クワガタやカブトムシを採って飼育したり、UFOや宇宙人にかぶれたり、または星空に憧れて天体観測にハマったり。
それは、たくさんの素敵なことがあったに違いありません。
そこにいる少年たちはいつでも輝いています。
泣いたり笑ったり、傷ついたり傷つけたり・・・そんなことのくりかえしをかさね、やがて大きく成長していく。
転校生だった少年が周囲と和解し、理解しあい、仲間になって・・・やがて自分の居場所に気付いていく。
この、自分の居場所について悩む博士の思い、私はわかるような気がしました。いったい自分はここにいていいんだろうか、まわりにいる友達、先生、家族。それらのなかにいて、違和感を感じる毎日。胸の奥を吹き抜けていく虚しい風のような、何か。
博士がどんなふうな経験をつんで、自分の居場所を見つけていくのか。
それはじっさい本書を読んでいただくとして。
さまざまな興味深いエピソードを通して、この本はそういったものごとを語りかけています。実際、冒頭部分から、まるで作者自身が読者である私たちに語りかけているかのように錯覚するのですが。
大人になった博士が、自分の少年時代を懐かしく思いかえしながら、語っているようにもとれました。
私自身もちょっと懐かしくなりました。川端さんが幾つなのかは知りませんが、そう違わない世代(それかちょっと上か?)のようにも思えます。
最後の、卒業謝恩文化祭というので出てきたヒット曲だの、テレビ番組、起こった事件のことなど見るにつけ、そう思います。
そういう意味でも、この作品はどこか懐かしい、私の小学校時代の物語でもあった、と思うんです。
根っこの部分に、理解できるものがありました。前作「川の名前」を越えるものがあったかもしれない、そう思えた作品でした。

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紙の本

紙の本呪われた首環の物語

2004/11/18 23:11

おっとびっくり!!

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

最初の雰囲気は、正調ファンタジーの香り。ドリクという種族がどういう種族なのかわからなかったけれど、首環に死ぬまぎわの強力な呪いをかけて、その者の一族すべてに及ぶようにしたとか… のちにその首環が鍵となって登場してくるのでしたが、形状から言ってもケルト特有の首環、トルク(トークと書かれてましたが)のこと。
あしべゆうほさんの漫画『クリスタル☆ドラゴン』で、よくこういう首環(トルク)が出てきたっけな。と思い出してました。

それが6章くらいで、どっと反転しました。
あれれ?と思いながら読みすすめたんですが。6章のところに入ってた挿し絵見て、どうもおかしいと思って。
これは○○っていうよりも、どう見ても○○と…名前もそうだし。
その後の展開みてると、なるほど納得。さすがダイアナさん!って感じ。

イギリスに詳しい人だったら、もっと早くにわかっていたかもしれない。そういえば、ダウンズ(丘陵地帯)って、そういう伝説みたいなのがあるんだったんだった、思い出しました。未読だけど、ここを舞台にしたファンタジーシリーズがあったし、中山星香さんの漫画にもダウンズを舞台にしたものがありました。

こういう場所って、いかにもって感じで。表紙の佐竹美保さんのイラストがよくあらわしてると思うけれど。
〈湿原〉、日本にはなかなかない雰囲気の場所です。まさにファンタジーにはぴったりという感じ。

〈月の力〉〈太陽の力〉〈大地の力〉というのも、魅力的な設定でした。〈古き力〉〈いまの力〉〈新しい力〉というのも…。それぞれの力の代表者…にあたる子どもたちが和解し、お互いを理解していこうとする過程は読んでいて、とてもよかったですね。
三人の子持ち(それも息子ばかり)のジョーンズさん。
少年を描くのが上手いですよねえ!

巻末に添えられていたジョーンズさんの言葉を読んで、思わず笑ってしまいました。微笑ましいエピソードです。
でもそこからこんな素敵な物語を創りだしてしまうジョーンズさん、さすがです〜 日常に埋没せずに、創作活動に生かせる力… すごいパワーだなあ…と感じ入らずにはいられません。

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紙の本

紙の本グッバイマイフレンド

2013/11/13 00:15

子どもたちの心が伝わってくる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

海の事故で亡くなったクラスメートのことを
いつまでも忘れられない子どもたち。

先生や大人はいつまでも引きずるのはよくないから、
タクヤくんのことは早く忘れてタクヤくんの分まで、
みんなが一生懸命生きていくように…

などと諭すが、子どもたちの心はずっと止まったまま。

それぞれの心の声で同級生の思い出を語っていく。

先生側の声もあるが、子どもたちの心に届かなくて、自信喪失。教師失格…
などというエピソードあるあたりは現役教師ならではか?

最後のタクヤくんからのメッセージが効いていた。ありきたりかもしれないが、心を打つ。

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紙の本

紙の本禁断の魔術

2013/10/14 19:56

いい作品

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

前作よりはいい話が集まっていて、よかったです。
「禁断の魔術」は科学に警鐘を与える意味で、よい作品だと思います。
今後の展開が気になりますが…。わだかまりなく、そのまま別の話に入っていったりするのかなあ。それとも… ?
結局、あの代議士は罰せられない?のかと思うと、ものすごい悔しいです。

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紙の本

紙の本プラチナデータ

2013/10/14 19:40

管理社会の怖さ

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一番の感想は管理社会は怖い!ということでしょうか。おまけにいつの世も得をする者は限られている、という…。 世の中なんて、不公平なものなんだ! とやりきれなさが残る。彼女の存在だけが爽やかだったけれど…。 人間は原点に立ち返るべきものなのかも?

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紙の本

紙の本さいごの冒険

2004/11/27 00:03

子どもたちの永遠の物語

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ミス・ビアンカシリーズも、この作品で最後のお話となりました。

ミス・ビアンカ、さいごの冒険は…
すぐ足元の、大使館で起こるのでした。大使のめいのエリザベスが結婚することになって、その準備で大使館は上へ下への大騒ぎ。大使夫婦は、両親のいないめいの世話役、ということになっていて… その準備やなにやら全部を引き受けることになるんですが。

そのめいの結婚相手というのが、有名なパイロット。月へこそは行かないけれど、世界じゅうを飛び回る日々。結婚前のいまも南極上空を飛行中とか!で、二日後の午後に結婚式のためにやってくるとか。ずいぶん慌しいことです。

で、このめいのエリザベスには歳のはなれた妹、六歳のスーザンがいて… スーザンは、十二体の人形が飾られているという部屋に泊まることになるのです。
その人形というのが、この話の鍵となる部分。

眠りながら歩き回るという(夢遊病?)癖をもつという、スーザンが突然、すがたを消してしまったのです。しかも結婚式の前夜に!
あわてふためく大使館。館内じゅうのもの(大使、大使夫人を筆頭に)執事だの召使だの下働きの娘たちだの、総動員で捜索にかかります。

ミス・ビアンカがこの捜索劇に無関心なんてことは、ありえません。さっそくバーナードとともに、自らの推理のもと捜索にかかるのですが…
人形たちに、少女の行方を聞くという場面で、あら?と思いました。人形という無生物に、命がやどったように書かれていて。

人形をあんなふうに扱うのは、ちょっとひどいです。っていうか、怖いです。それでなくても人形って怖いのに。
ああいう行動にでてしまったのも、わかる気がします。ミス・ビアンカが言ったとおり“邪悪”そのものなんですが…。
人形をあつかう人間によってひきおこされてしまったことなのですけど、やはりぞっとしない…不気味です。

人形のほかにも、ハープを弾く天使像がでてきたり。
この話では、ちょっとファンタジー的な要素が出てきました。動物がしゃべったりするのもそうでしょうが、これが人形や銅像となるとね。面白かったです。

捜索の過程などは、とても動きのあるストーリー展開で、読ませました。
はじめて大使のぼうやがクローズアップされて登場してきたところもよかったですし。この事件はやはり、ミス・ビアンカが住んでいる大使館が舞台だった、というところがミソになっていると思います。
身近なところで起こったから、展開には無理がないし、とても自然な流れです。読者を無理なく結末まで導いてくれます。
意外な終わりかたでしたが…。これもいかにもありそうなこと。全然OKです。

そして、バーナードとミス・ビアンカの物語としての締めも…よかったです。
そのしめの一文がなんとも、印象深くって。
今まで楽しく読んできましたが、もうこれでほんとに終わりなんだなって…ちょっと寂しかったです。

シリーズ全巻読めて、本当によかったです。1巻はとくべつに素晴らしかったけれど、2巻以降も、それぞれよい味がありました。
1〜4巻のガース・ウィリアムズ、5〜7巻のエリック・ブレグバード、それぞれ味わいのある素晴らしい挿し絵でした。

この物語が、永遠に子どもたちに読みつがれていくことを祈っています。

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紙の本

紙の本ひみつの塔の冒険

2004/11/18 23:36

小さな貴婦人ミス・ビアンカ

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ミス・ビアンカシリーズの3作目です。
今回の囚人は、意外な人物でした。今はもう使われていない公園の湖のほとりに立つ、寂れた塔。
ミス・ビアンカの囚人友の会議長辞任のお別れパーティーに、この公園の湖に船遊びに出かけたねずみたち。
そこで、見つけた小さな白い布切れ… それによってミス・ビアンカはとある事実、塔に人が閉じ込められていることに気づいたのでしたが…

その人物は救出するのに値する人物なのか… 友の会は疑問に思い、協力しようとしない。
しかたなくミス・ビアンカは自分だけで何とかしようとする。ボーイ・スカウトたちの手を借りて…。

後半から出てくる、競争馬のサー・ヘクターがいいキャラしてて気に入ってしまいました。ミス・ビアンカとのやりとりが面白かったです。

友の会が救出したがらなかったとある人物が、最後の最後、どたんばでまた裏切るのか?と見せかけて、意外と大人しく終わってしまった(改心したままってことですけど)のが、ちょっとあれ?って思いましたが。
よっぽどひどい目にあってたんでしょうね。そこまで変われるってことは。例のあの女性… 相当ひどいものですね。

本当に、ミス・ビアンカって魅力的ですね。ただのねずみとは思えない。個性がありますね。ちょっと素敵なお姉さん、という雰囲気です。
大使のぼうやについて勉強をし、自ら詩を読み、創作もする。物腰は優雅そのもの… 首にかけた銀色のネックレス。大きな茶色の可愛らしい眼。
まさに貴婦人という名称がぴったりな、ミス・ビアンカですが。
けれど、勇気は人一倍持っている。賞賛すべき人柄でしょう。(ていうか、ねずみですが…)
まぁこの話がかなり擬人化されている、ということは抜きにしても、です。

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紙の本

思わず、くすりと笑ってしまう…

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出ているのは去年の12月くらいに知っていたけれど、何となく読むのをためらっていました。買うにはちょっと値段が高いし、借りて読むのもねぇ…小説じゃなくてファンタジー用語の解説書? 読書案内? みたいに思って、躊躇してました。

でも読んでみてよかったです。十分、満足できました。
やはりジョーンズ作品でしたね、これは。ただの解説書や読書案内なんかじゃありませんでした。
ファンタジー小説に出てくる事物をおもしろおかしく、ジョーンズさん風の味付けにして提供してくれてます。
まさに、ファンタジーランド! ファンタジーを読む=ファンタジーランドのツアーに参加する、っていうノリがすごく楽しくてツボにハマりました。
読む側にとってもだけど、これは書く側にとっても大いに笑えもするし、鋭いツッコミにもなるんじゃないかな?と。安易なファンタジーが世の中に氾濫していることを思うと…ですね。

笑えたのはたくさんあったけど、なかでもダントツは行方不明の世継ぎ…何かとくりかえし出てきました。確かに、いるいる! こんなの…とか思って読んでました。
あとはいろんな力を秘めた宝石だの剣だの指輪だの、魔法の品…ですね。指輪にはとくに笑いました。5番目の「内側にルーン文字の刻まれた、なんの飾りもない指輪」というのが! 「疫病のごとく避けること」に爆笑です!!
それと魔法に関すること。魔法使いとか魔術師とか魔女とか…大いに楽しめました。
そのものずばりの「魔法」って項目も。いろんな〈規定〉(=定義?)があるものですね。これはちょっと(どころか相当?)参考になりました。

ファンタジーツアー以外にも、ホラーツアー、SFツアーなるものが存在しているらしく(^^ゞ そちらへ駆り出されているものがある、みたいな表現があるとついくすりと笑いが…。
汎ケルトツアーなんてのもありましたしね!(笑)

かなり好きになってしまったので、一冊どうしても欲しくなってしまいました。手許において読みたい本です。余裕ができたら、そのうち買ってしまいそう…いや絶対に買います!!
つねにDWJとセットされてるような感がしてきた、挿し絵の佐竹美保さんのイラストがちょこちょこっと出てくるのも、じつに魅力的です。図書館の本は、本を開いてすぐのところにある地図がカバーによって1/4ほど途切れてしまっているんで、自分で買ってとっくりと眺めたいものです。

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紙の本

紙の本閉じた本

2004/06/25 00:15

自分の信じてきた記憶が信じられなくなっていく恐怖

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本を開いてまず驚くのは、この本のすべてが会話と独白でのみ書かれているということです。
普通の本ではある地の文が全くないのですね。
これにはちょっと驚きました。
会話だけとなると、演劇の台本や戯曲などを読んでいる気分になるかと思えばそうでもない。
そういった本は通常、ト書きとかいうものがあって一応、読者には状況が知らされているのですから。

この本の場合は違います。
読者は登場人物の周囲の状況については全くわからないまま進んでいる。
何もない白紙の状態で、わけがわからなまいまま、進まされているわけですね。
この状態は事故で眼球を失い、盲目となってしまった主人公ポールと全く同じです。
それだけに読者はポールと同じ恐怖を味わっていくのですが…
それがじわじわと、真綿で首を絞めるような感じでくるんですね。
盲目の作家ポールの代わりに口述筆記することになった助手ジョン・ライダーが何者なのか、いったい何を目論んでいるのか?
まさに、恐怖でした。それも派手に驚かす感じじゃなくて、心理的な怖さです。夜、ひとりで闇の中にいると、ふっと後ろをふりかえりたくなる。何物かの視線を感じて…そんな具合です。

途中、ジョンの言っていることがおかしくなり、それのどこが本当で嘘なのかわからなくなりました。
解説にもありましたが、イギリス人でさえわからないことがあるのに、私たち日本人がそれらの事柄について精通している、などということがあるわけはありません。

普段から自分が信じてきた記憶が根っこからくずれてきそうな…そんな恐ろしさを感じました。

そしてラストのこのどんでんがえし&大逆転。
まさに思ってもみないことの連続でした。
ストーリー的にはそれほど特異な点もない、よくある話なのかもしれないけれど。
ほんというと読後感もあまりよくないかもしれないけれど。
でもなぜか読むのをとめられなかった本です。

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紙の本

紙の本少女ソフィアの夏

2006/02/19 00:31

少女とおばあさんの関係が好き!!

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これは実際にあった話をもとにしているそうです。
ヤンソンさんの弟のラルスさん一家。奥さんは亡くなっておられて、ラルスさんとその母親であるおばあさん、そしてその孫である少女ソフィア。
この三人で、毎年この無人の島で過ごしているんだとか。4月下旬から9月下旬くらいまでいる、ということですから、かなりの長期にわたる休暇です。
ヤンソンさん自身もこうした無人島暮らしを好んでしていたようです。
当然ながら、電気も水道もガスもお店も、文明社会に必然の便利なものいっさいがっさいが無い。
あるのは自然だけ!
そのなかで暮らす夏、すごいです。想像しただけで、とてつもなさそう。
初夏から晩夏まで。時間だけはたんとあります。孤独を愛し、島に自生する植物を愛で、小さな動物を愛して、家族とひっそりと暮らすそんな時間。
何もないけれど、そこには贅沢なまでの時間と空間がある。そんな気がしました。
少女と祖母の関わりかたもすごくよかった。
だんだん成長しつつあるソフィアの言動も愛すべきものですが、それを上回って、おばあさんの言葉には孫娘をそっとあたたかい目で見守る視線を感じて、心が温かくなります。
実話ですが、事実そのままではなくて、その核となるところにこの二人の言動をおいて、そこから想像、発展させた物語だそうです。
短篇集というかたちをとってはいるけれど、最初から最後まで読み通すと、時の流れや少女の成長の証みたいなものを見てとることができて、まるで自分がその場にいて起こったことを体験したかのような錯覚をおぼえたほどでした。
ひとえにそれは、細かいリアルな描写によるものなのかもしれません。島のようすや、家族が住んでいる小屋の描写など、まるで目の裏にうかんできそうなほどです。
ひとつひとつの話も、様々な話題に満ちていて、はじめから終わりまで飽きるということが全くありませんでした。
短篇集とはいえ、ひとつの繋がりがあったせいなのかも。

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