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- 映画『アイネクライネナハトムジーク』出演者&監督ロングインタビュー
- 第7回 恒松祐里の本と映画の話 映画『アイネクライネナハトムジーク』について
撮影:是枝右恭 ヘアメイク:横山雷志郎(Yolken) スタイリスト:杉浦優
映画『アイネクライネナハトムジーク』出演者&監督によるロングインタビュー。
「人生を変えるような出会い」となった本の話をはじめ、映画への思い入れや、仙台ロケ中の裏話などを語っていただきました。
プライベートで旅行するほど仙台が大好きな恒松さんは、仙台での撮影がすごく楽しかった様子。「牛タン、ずんだ餅と名物を満喫しました」と嬉しそうに言う姿は素直な“美緒”と同じ。弾丸食ツアーの話や作品のこと、また今作の鍵となる“出会い”について伺いました。
仙台大好き!映画のなかで仙台人になれたのが嬉しい
私、仙台が大好きなんですよ。作中で、美緒と和人が一緒に仙台駅前を自転車で走るシーンがあるのですが、映画の中でも仙台駅に居られたことがもう嬉しくて。私が仙台駅にいたという確固たる証拠が残るわけですから(笑)。
仙台の良さは、きれいな街並みや人の温かさ、そして“食”が最高! ずんだ餅や牛タンなど、美味しいお店を地元スタッフの皆さんにリサーチして相当詳しくなったので、撮影最終日に仙台から東京へ帰る時の新幹線を2時間遅らせて、和人役の萩原利久くんを引き連れて巡ってきました。まず牛タン屋さん、次にずんだ餅屋さん、色々とつまんで最後にお寿司屋さん、そしてずんだ餅シェイクを片手に帰る……という弾丸食ツアー。すごく美味しくて大満足でした!
奇跡の出会いがあった5年前。今では私の心の友です
伊坂幸太郎さんの作品は、『砂漠』を読んだことがあったのですが、『アイネクライネナハトムジーク』と同じく、一つ一つのことが最後につながっていく、伏線がたくさんあって、読み終わった時の達成感、充実感、高揚感が快感ですよね。また、作中には自分が得意気に喋りたくなっちゃうようなワードとかあったりするじゃないですか。今作でいうと「この方、誰の娘さんか知っていますか?」。あれが私のツボで。面白くて何度も読み返し、クククッて、心の底から笑ってしまいました。
本作の最もフレッシュなシーンを担う恒松と萩原
本作は、私くらいの年齢の方でも、アーティストの方でも、サラリーマンの方でもどんな方にも当てはまる要素があって、それが魅力だと思います。どの登場人物も存在する意味があって、みんないなきゃ成立しない世界にいる。そして、自分をその誰かに当てはめることができたら、自分の存在する意味を知ることができると思うんです。自分も映画を一緒に見ている人のことも大切にしたくなる、優しさでできた温かい映画なんですよね。もし、お2人で見ている方なら、その方と映画の感想や最初の出会いを話してもらいたいですし、1人で見ている方なら、すぐに大切な人に連絡したくなるんじゃないかなぁと思います。
また、“あの時出会ったのが君でよかった”という言葉が出てくるのですが、私にもそんな出会いが5年前にありました。1人は女優の葵わかなさん。映画『くちびるに歌を』で共演して仲良くなった親友です。性格的には凸凹なんですが、それがいい感じなのかな。
そしてもう1匹は愛猫のチャーリー。ペットショップで一目惚れして家族になりました。今日も朝起きたら隣にチャーリーが寝ていて、なんとも言えない幸せな気持ちに。あの子たちは私の心の友。わかなちゃんがわかなちゃんで、チャーリーがチャーリーでよかったなと心から思います。

つねまつ ゆり
1998年、東京都生まれ。2005年ドラマ『瑠璃の島』でデビュー。ドラマ、映画、舞台、CMなどで幅広く活躍。19年は『凪待ち』の主演でも話題になり、『アイネクライネナハトムジーク』、『殺さない彼と死なない彼女』、『酔うと化け物になる父がつらい』など4本の出演映画が公開する他、舞台『ドン・ジュアン』に出演する。2020年も公開待機作品が多数あり、多忙を極める注目の若手女優。
バックナンバー
第10回 今泉力哉監督の本と映画の話 映画『アイネクライネナハトムジーク』について
「自分の作るものはこれでいいんだ!」と背中を押してくれた1冊
第9回 萩原利久の本と映画の話 映画『アイネクライネナハトムジーク』について
男子を振り回す美緒はズルい!正直言うと、タイプです(笑)
第8回 萩原利久の本と映画の話 人生を変えた本との出会い
子供の時はマンガがすべて!僕、超絶“ジャンプっ子”なんです
第7回 恒松祐里の本と映画の話 映画『アイネクライネナハトムジーク』について
仙台大好き!映画のなかで仙台人になれたのが嬉しい
第6回 恒松祐里の本と映画の話 人生を変えた本との出会い
自分は表現者としてどのタイプ?これを読むと少し自分が分かる気がします
第5回 森絵梨佳の本と映画の話 映画『アイネクライネナハトムジーク』について
由美の夫“一真”はハチャメチャな人。だけど憎めないんですよね(笑)
第4回 森絵梨佳の本と映画の話 人生を変えた本との出会い
大人になって読んだ時、“出会い”の大切さを改めて思いました
第3回 三浦春馬の本と映画の話 映画『アイネクライネナハトムジーク』について②
作中のような“劇的な出会い”、あったらいいと思いますよ(笑)
第2回 三浦春馬の本と映画の話 映画『アイネクライネナハトムジーク』について①
僕だけにしかできない“佐藤”を作りたかった
第1回 三浦春馬の本と映画の話 人生を変えた本との出会い
心が洗われた、星野さんの美しく温かい言葉