ブックキュレーターhonto編集員
貴重な本が心の支えに。読書の素晴らしさにあらためて気づかせてくれる本
私たちは日頃、本屋や図書館でなにげなく本を手に取ることができます。しかし、戦争下や刑務所などの特殊な環境では、入手困難であったり閲覧制限により、食料と同じくらい本が大切なものになることも。そんな本の貴重さや読書のありがたみを再認識できる本をセレクトしてみました。読後は、いつも以上に読書欲がわいてくるかもしれません。
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強盗に襲われた経験のある著者は、刑務所で開催される読書会に参加することに。最初は怖がりながらも、読書を通してメンバーと徐々に打ち解け親交を深めていきます。受刑者にとって読書は、日常を感じることのできる数少ない機会。本を通じて良心や人間愛が育まれる様子に、著者とともに読み手も読者の素晴らしさに気づかされます。
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第二次世界大戦中、アメリカ軍兵士の士気を高めるために「兵隊文庫」という持ち運び可能なペーパーバックが戦場に送られたことが綴られるノンフィクションです。日常生活が描かれた小説などを読むことで、兵士たちはひと時戦場にいることを忘れ、平常心を保つことができました。本の力を思い知らされる一冊です。
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アウシュヴィッツにある家族収容所で、子どもたちと先生はナチスから禁止されていた本を使って隠れて授業を行っていました。図書係の14歳のエディタは、8冊だけの本を命がけで守り抜きます。物語にのめり込むことで現実を忘れ、空想の世界に飛ぶことができる。本が子どもたちの大きな心の支えとなっていたことが描かれています。
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親愛なるブリードさま 強制収容された日系二世とアメリカ人図書館司書の物語
ジョアンヌ・オッペンハイム(著) , 今村 亮(訳)
サンディエゴ図書館の司書であるクララ・ブリードと、その常連だった日系二世の子どもたちとの交流が描かれた本です。第二次世界大戦中、日系人への排斥運動が行われるなかで、変わらず日系の子どもたちへの愛情をもち続け、手紙を送り続けたクララ。子どもたちはクララから送られた手紙や本に励まされ、収容所生活を乗り切ります。
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ガーンジー島の読書会 上
メアリー・アン・シェイファー(著) , アニー・バロウズ(著) , 木村 博江(訳)
第二次世界大戦中、ドイツ軍に占領されたガーンジー島。島の人々は、隠していた豚を食べたことが兵士にばれそうになり、読書会をしていたと嘘をつきます。今まで読書していなかった彼らは、見回りに備えて本当に読書会を開くことに。いつも空腹状態でしたが、本を読むことで、本の作者や仲間たちとつながる喜びを知ります。
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