ブックキュレーターhonto編集員
怖くて不思議で美しい!?日本幻想文学の源流
日本独特の幻想の情緒は昔話にすでに現われています。たとえば「竹取物語」の、あるいは「雪女」の、はたまた「鶴女房」の、悲しくも美しい結末はどうでしょう。単純な悲劇とは言えない、人智を超えた世界へ去り行く者たちが放つ妖しいばかりの艶やかさ。連綿と続く日本独特の幻想の美を、近代文学として花開かせた傑作の数々を紹介します。
- 35
- お気に入り
- 4541
- 閲覧数
-
主人公の宗頼は、和歌の家に生まれ和歌の才能があったにもこだわらず弓矢の道に耽溺します。「知の矢」「殺の矢」を修め、ついに「魔の矢」を習熟するに至ります。宗頼が最後の宿敵と見定めたのは、武芸者でも歌人でもない一人の名もなき仏師でした。登場人物たちの情念の激しさの末に、すべてが虚しくなる結末は儚く悲しい美しさです。
-
内田百間集成 4 サラサーテの盤
内田 百間(著)
表題作では、ある晩、主人公のもとへ死んだ知人の未亡人が訪ねて来ます。夫が貸したサラサーテのレコードがあるはずだから返して欲しいというのです。こうした日常の一場面から始まり、神秘的なことは起こらないのに、事態は不思議と幻想的な雰囲気に包まれます。鈴木清順監督の映画『ツィゴイネルワイゼン』のもとになった作品です。
ブックキュレーター
honto編集員ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です