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悪役が魅力的だからこそシェイクスピア作品はおもしろい!と実感できる本
ウィリアム・シェイクスピアは16世紀イギリスで活躍した劇作家ですが、その作品は文学に、演劇に、今なお驚くほどの影響を与え続けています。そんな彼の作品を読み解く鍵の一つが悪役です。男女貴賤を問わず描かれる悪役たちの台詞は、時に私たちの心を大きく揺さぶります。あなたも自分の心の闇を映す悪役を探してみてはいかがでしょう。
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本作の悪役はユダヤ人のシャイロック。アントーニオーを殺そうと奇策を思いつきます。本作はシェイクスピアの喜劇の中でもおもしろく、読みやすいのですが、それだけに悪役の存在が影のように浮かび上がります。はたしてラストですべてを失うシャイロックに、読者が寄せるのは笑いなのか、同情なのか。ぜひご自身の目でお確かめください。
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マクベス
ウィリアム・シェイクスピア(著) , 吉田 秀生(訳)
夫マクベスが王となる予言を受け、その手で国王と側近を手にかけるマクベス夫人。女らしさをかなぐり捨てて剣を手に取りますが、その影に潜む人としての弱さに誰しもはっとさせられることでしょう。シェイクスピア四大悲劇の一つでもあり、映画監督の黒澤明や作家のトールキンなど、多くのクリエイターに影響を与えた作品です。
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テンペスト
William Shakespeare(著) , 藤田 実(編注)
シェイクスピアの遺作とも呼ばれている本作は、とある島に住む魔法使いプロスペローのもとで起こる物語です。プロスペローにこき使われる怪物キャリバンは恨みを募らせ、色々な悪事を画策。そして同時に、純粋で孤独な側面も持ち合わせています。寂寥感あふれるキャリバンのイラスト資料なども必見です。
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シェイクスピア全集 12 タイタス・アンドロニカス
シェイクスピア(著) , 松岡 和子(訳)
シェイクスピア作品随一の残酷劇と呼ばれる本作は、ローマに制圧され、捕虜となったゴート族の女王タモーラの復讐劇。殺人、拷問といったなんとも血生臭い場面が延々と続きます。復讐のために人を殺すタモーラと、楽しみのために人を死に追いやるその愛人アーロンの二つの悪を比べられるのも、おもしろさの一つです。
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人徳も地位も、輝く未来も約束されていたオセローは、彼を妬む部下イアーゴーの策略により、人を疑い、不安に陥り、殺人まで犯してしまいます。すべての影で糸を引くイアーゴーの手腕は名舞台監督さながら。手段を厭わず、後悔一つ見せないその姿は、シェイクスピア全作品で最も悪意に満ちた悪役といえるかもしれません。
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