追いつめられるスリルと、手に汗握る展開。はじめての角田光代

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愛人の子どもを誘拐して逃亡する小説です。道中で出会う個性的な人物や謎めいた団体エンジェルホーム、島での美しい体験など、追いつめられたなかでこそ人と人との関わりが輝きを放ちます。読み終えた後も、その後どうなったのだろうとつい考えてしまうほどリアルなお話です。

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義母と夫、子どもに囲まれながら生活に汲々としている専業主婦の小夜子が、一見おおらかな女社長・葵のもとで働き始めます。暗い過去のある葵がかつて友人と起こした事件の真相が明らかになっていく過程と、同時並行でストーリーが展開し・・・。女同士の関わり合いから主人公の見いだした結論には、清々しい読後感があります。

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安定した生活を送る子どものいない専業主婦・梨花が銀行で働き始め、顧客の家族として知り合った青年に心も体もお金も奪われていくサスペンスです。ありえないと感じられる設定が梨花の視点で進んでいくうちに、それが自然に思えてくるところがこの小説の持つ魔力といえるでしょう。不倫も犯罪も爽やかに感じられてくる、怖い一冊です。

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めったに会えない実の父親に冗談めかして「ユウカイ」され、父娘の珍妙な2人旅がスタート。ありがちな親子関係とは違うところにおかしみがあり、予期せぬ出来事の連続にもどこかほんわか楽しめます。滑稽さのなかに醸し出される切なさが絶妙なスパイスとなった小説です。

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いわゆるママ友関係を描いた小説です。お受験をめぐる攻防、貧富の差、だらしないか几帳面か、不倫、流産、子どもを預ける預かるなど、さまざまな要素がからみ合い、もつれていく女同士の関係は、日常的でありながらホラーのような怖さがあります。じわじわと染み出るような狂気は、意外にも身近に感じられるかもしれません。