ブックキュレーター朝日新聞「好書好日」編集部
ブックサイト「好書好日」が推す「ミステリー作家のぞっとする本」
夏と言えば怖い話。気分で本を選べるブックサイト「好書好日」では、「ぞっとする」をキーワードに怪奇幻想味あふれる小説を紹介しています。怖い話はホラー作家の専売特許ではありません。江戸川乱歩らミステリー作家も怪奇風味の作品を多く書いています。そこで日本推理作家協会賞を受けた作家の作品から「ぞっとする」話を集めてみました。
- 55
- お気に入り
- 4355
- 閲覧数
-
『満願』で一躍名を馳せた米澤穂信による「暗黒ミステリー」。良家のお嬢様が集う読書サークル「バベルの会」にまつわる5つの邪悪な事件が描かれます。いずれも最後に「え、そんな理由で」と思ってしまうねじくれた犯行動機が明かされますが、掉尾を飾る表題作は、タイトルの意味がわかった瞬間、背筋に嫌な汗が流れます。
-
物語は17歳の娘を殺された父親が復讐を果たす手記から始まります。しかし、手記を読んだ名探偵・法月綸太郎は違和感を抱き、真相解明に乗り出します。いわくありげな関係者が現れるたび、明らかになる新事実。そして、ラスト数ページに驚くべき真相が用意されています。人間の業の深さに慄然とさせられる一冊です。
-
直木賞作家・恩田陸が書いた怖い絵本。ある日、一人の少女が見知らぬ町に引っ越してきます。少女は両親や近所の人から声をかけられます「おともだち できた?」。少女は答えます「うん、できたよ」・・・って、えっ? 読み返すたびに怖さが増幅するトラウマ本。むしろ子どもには読ませない方がいいかもしれません。
-
表題作は、まんま地図が語り手。「彼」が仕えたタクシー運転手と息子の鬼畜にも劣る行為がかしこまった口調でつづられます。「このミス」1位の短編集なのですが謎解き要素はほぼなく、エロ・グロ・バイオレンスのオンパレード。ちりばめられたナンセンス風味がより怖さを増幅します。心臓が弱い人にはお薦めできないかも。
ブックキュレーター
朝日新聞「好書好日」編集部朝日新聞社が2018年6月にオープンしたブックサイト(https://book.asahi.com/)。朝日新聞読書面の書評をはじめとした新聞記事や、ライフ&カルチャーにひもづけて本を紹介するウェブオリジナル記事を掲載。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です